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ハニートラップ募集のビラとかも作っておいた方が良いかも知れない。

48日目  夜 宿屋 白い変人



 「報告書によると「天地を斬り、悪鬼羅刹を穿ち、鬼神魔人を滅し、有象無象は塵芥。」何だそうですよ?その人。」


 「どっちかって言うと天地無用であっけらかんと騙し、暇人を持て余して彼是が無茶苦茶。が正しいんだけど?この人。」


 なんか酷い悪口の様な気がするんだけど?大迷宮を倒した男の話で暇人を持て余しって意味解んないよ?マジで?


 「う~ん?天井と床を穿ち、魔物を落とし、迷宮皇を誑かし、紆余曲折で上がって来ました。って感じだったよね~?」


 誑かしてなんて無いよ?人聞きが悪いなー。ちょっと使役しちゃっただけなんだよ?マジで。


 「王都での報告では優しい目をした大男だそうですよ?誰が見たんですかねー?」

 

 「うん、聞き間違えたんじゃない?やらしい目をした大迷惑男と?多分?」


 「それとも疾しい目をしたエロ男とか?あっ!ヤバい目をして大事になった。事あるからそれかも!」


 何で誰もが全力で優しい目をした部分を否定しようとしているの?もう泣いてる子もいるんですよ?ここに。


 「あと辺境でも黒衣の大魔導士説が有名ですよ?なんでもコロッケの伝道師とも呼ばれているみたいです。」


 「あー、沢山聞いたけど初めて真実が入ってたよ、コロッケの伝道師だけ本物なんだよ。あれ?っていう事は屋台の黒マント印のコロッケ屋さんのマークの黒マントって遥君の事だったの!」


 「それ私聞かされたよ~?なんか~貧しい村を黒マントの大魔導士が現れて救ってコロッケの作り方を教えてくれたんだって~?泣きながら屋台のおじさんが話してたよ~?村では毎日朝晩欠かさずに黒マントの大魔導士にお祈りをしてるんだって~。ご利益無さそうなのにね~?」


 「うん、その人はご利益の関係者じゃなくて、災厄の関係者か最悪の張本人のどっちかだからねー?でも拝んどくと怖がって災いが近づいて来ないかも!」


 尾行っ娘の一族が集めた情報を精査してるはずなんだけど、何故か俺の悪口大会にしか聞こえないんだよ?精査してるはずが蔑みと罵りになってるよ?


 「一睨みで迷宮王を恐怖させたって書いてあるけどこれは近いよ?確か迷宮皇さんが涙目になって震えてたらしいよ?生まれて来てから一番怖かったって言ってたよ、惜しいねー。」


 よし、今晩はその迷宮皇さんはお仕置きだ、それはもうあんな事やこんな事をお仕置きしよう、もう身体中隅から隅までお仕置き決定だよ。頑張ろう。


 尾行っ娘の報告は続き、俺の精神は削られ続ける。尾行っ娘の一族は元々は辺境の為に情報収集する一族だったんだけど隣り街が裏切ったときに拠点が隣り街に在ったがために家族が人質状態になり何時しか隣り街の密偵になってしまったらしい。だから最後に辺境の為にと一族を挙げて反旗を翻すかのように街の住人を辺境に逃がしてくれたらしい。一族全員で死ぬ気とか莫迦過ぎだが、まあメリお父ーさんに滅茶怒られたらしいから良いだろう。


 「オムイを裏切っていた責任を取って最前線で戦って死なせて欲しいと願い出たらオムイ様に滅茶怒られたそうです。「家族や一族を守った事に何の悪い事が有るか?守るのが罪なら辺境は皆罪人で良い。寧ろ家族や一族を見捨てて辺境を助けに来たならば容赦なく殺してやろう!辺境では家族や一族を守った事は誇りに思え!」って怒鳴られたそうです、裏切り者って罵られるどころか良くやったって言葉を頂いたって、これからはオムイに仕えて欲しいって逆にお願いされたって泣いていました。」


 話をしてる尾行っ娘まで涙目だからよっぽど嬉しかったのだろう。しかしオモイ様って誰なんだろう?そんな立派な喋り方をする人に会った事無いから知らない人だ、きっと重いのだろう。


 「でもこれなら遥君に殺し屋さんが送られるかもって言う話も安心だねー?絶対にこの情報じゃ見つからないし掠りもしないよ。」


 「うん、黒衣でコロッケ持ってうろつかなかったらバレないよ?もう優しい目の時点で発見不可能だよ。」


 「はい、他の報告でも漆黒の鎧とか長大な剣とか長い金髪で切れ長の目とか寡黙な傷だらけの思慮深い瞳の男とかでどれも掠りもしていません。」


 「でもアサシンって夜中寝ているところとか狙うんでしょ?遥君とアンジェリカさんが二人で待ち構えている深夜の部屋ってアサシンさんが超危険だよ!」


 「「「いろいろと危ない!」」」


 失礼な、でも女美人工作員とかだったら狙われよう、宿の外に案内板とか造っておこう。女美人工作員さんのハニートラップとかも大好物だよ?食べた事無いけど。女美人工作員さんのハニートラップ募集のビラとかも作っておいた方が良いかも知れない。また内職が増えていく。


 「あと未確認情報なんですが王族が迷宮王の宝と装備を狙っているという話も有ります。盗難の危険も有るかも知れません。」


 盗難って甲冑委員長さんを盗むの?迷宮皇の宝と装備って丸ごと本人だよ?その本人こそが最強最悪の防犯装置だよ?完全無敵のトラップさんだよ?その人盗むくらいなら自分で迷宮王を倒しに行った方が早いし楽で良いよ?マジで!


 「それとは別に一流の冒険者や腕利きの傭兵の人達が辺境に向かっているという情報もありました。目的地が辺境かは分かりませんがこの方向に移動しているのは多数確認されています。」


 「あー、あの偽迷宮に挑戦者現る?うわー何も知らずにあの偽迷宮に入っちゃうんだー、、、可哀想に。」


 「でも兵隊さんよりは頑張るんじゃないかなー?良い所まで行けるかも?最高記録が出るかも。」


 「頑張って最高記録が出ても喜ばないと思うよ?突破出来ない時点で可哀想なんだよ?それに多分、装備がパーだよ?その人達。」


 「「「可哀想だー!」」」


 うん、殺さない代わりに装備や武器を破壊する方が効果あると思うんだよ?装備や武器が壊れたら戦えないし、生きて帰れば装備が壊れるって喧伝してくれるよ?壊れるって聞いたら入りたく無くなるし。其れでも行けって依頼を出すなら依頼料に高級武器装備の値段が上乗せされるから直ぐに破産しちゃうと思うよ、依頼者が。


 なんか偽迷宮用の罠アイデア特集のレポートも貰ったし?一部エロトラップばかりのレポートが有るがきっとオタ達のレポートだろう、今度ゆっくり相談しよう。トリモチからの装備と服を腐食してそこに触手な魔物って、、、天才だ!相談しよう!まあ、それはともかく時々罠を変えていればみんな嫌になって諦めるだろう、武器も無くなるだろうし。触手な魔物は何処にいるんだろう?


 誰も来られなければその間に内政だ、こっちが平和な間に迷宮攻略と経済活性化は進められるだろう、人はすぐには増えないけれど隣り街の人たちも来たし魔石が豊富にあるのだから産業はすぐに発展するだろう。今までは貧しくて人手不足なので企業化すらできなかっただけで安全で景気が良ければ分業化が進み勝手に発展するだろう、発展が遅かったら工業用の魔道具を造ってばらまけば良いし、それで物とお金が回り始めれば街も周りの村もきっと大丈夫だ。


 だから明日からはまたダンジョンの攻略だ、安全と発展の邪魔ものだし「ゴーレム・メーカーの指輪」みたいな出物も有るかも知れない、そしてきっとどこかに好感度だってあるかも知れないんだよ?何処にも好感度が無いとかないよね?マジで?


 そうして夜中まで現在のダンジョンの攻略情報を出し合い、パーティーの編成やユニオンの計画を話し合う。結局迷宮殺したのは俺と委員会が潜ったゴーレム迷宮だけらしい、他は40階層前後で苦戦中みたいだ、まー1パーティー単独だと厳しいだろう。得意不得意や得手苦手で相性問題も大きいみたいだ。


 明日からの編成分けと攻略順を話し合っていたら夜中になっていたのでフライドポテトWithケチャップさんを夜食に出したら「寝る前にお芋さんの揚げ物なんて女子には残酷だ!」って怒られた?全部食べながら怒ってた?それって俺のせいなの?

 

 夜も更けたのでお開きだと解散し各々部屋へ戻って行く。さて内職だ。そして二回戦だ、決戦の時だ。ちょっと湯浴みもしたいしお部屋で桶裸の戦いだ。啄木鳥の様に突き捲くる計で行こう。決戦だ!赤と黒のエクスタシーだ!

 

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