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限られた時間を有効活用する大切さを異世界では理解されないようだ。

48日目  昼前 宿屋 白い変人



 遥君は寝てないって言って宿に戻るや否や部屋に帰って寝てしまった。でも騙されちゃ駄目なんだよ!アンジェリカさんと一緒に寝に行ったんだよ!安らかに寝る気なんて無いんだよ、激しく寝る気満々なんだよ!きっとどれだけ寝ても睡眠不足のままなんだよ。


 看板娘ちゃんと尾行っ娘ちゃんは泣きながら抱き合って再会を喜んでいた。とっても嬉しそうだ、


 もう会えないと思ってたんだ、そう思っちゃてたんだ。まだまだ甘いんだよ。


 そんな悲しい出来事なんて起こせっこないんだよ?起きっこないんだよ?


 認められないの。


 認めて貰えないの。


 誰かさんに却下されちゃうの。


 だからちゃんと会えたでしょう?甘いよまだまだ。


 あの迷宮トンネルの向こうで何があったか分からないけど、きっと悲劇とか不運とか悲しい出来事を通過させない様に迷宮化しちゃったんだ。偽迷宮らしいけど充分過ぎるんだよ?あれ私達でも突破出来るか自信が無いよ?強くは無いけど突破出来ない迷宮なんだよ、ストーン・ゴーレムのファランクス陣を大火力で一気に殲滅して走り抜けるしかないんだけど遥君が例の如く罠を仕掛けちゃったらしいから自信ない。想像の斜め上の裏側の真上位に予想外の悪辣な罠なんだよ?ちょっと見たけど薄暗い迷宮に騙し絵描くとか非道だよ?トリックアートさんの悪用だよ?あれは引っ掛かるよ、罠が察知できないんだから、だって絵だもん。罠と思って絵を避けたら罠なんだよ、スキルじゃあれは突破出来ないんだよ、一気に駆け抜けたりなんかしたら壁にぶつかって穴に落ちるんだよ?どれだけ強くても空間把握を持って無い人は絶対全員引っ掛かるよ、まして異世界の人は騙し絵自体初めて見る筈だから。超レアスキルの空間把握を持ったLv100越えのパーティなら潜り抜けて来れるかもしれないけど、それでも最後のあれは、、、無理だろう。知ってても自信が無い。


 外から見ていた小田君達は指を差して大笑いしながら風雲SASUKE城って名付けていた。あれはそう云う物なんだよ。


 しかも両岸の聳え立つ岩山をゴーレム化しちゃい使役して「ゴーレム・メーカーの指輪」を預けて来ちゃったらしい、ストーン・ゴーレムさんが無限に湧くんだよ?使役されてるから遥君から膨大な経験値と魔力が注ぎ込まれ続けるんだよ?使役者の能力が反映されちゃうんだよ?もう世界一周して反対側の魔の森を超えてくる方が簡単だと思うよ?あそこを通る位なら。


 だから通路は有るけど誰も来ないだろう。あんな捻くれた悪逆に満ちた罠に掛からない人はきっと遥君並みの性格の持ち主だけだろう。うん、きっと居ないから大丈夫、だってそんな人が居たら異世界がとっくに大丈夫じゃ無いはずだから。


 領主様からも起きたら来て欲しいと言伝があったんだけどきっと起きない。起きる以前に未だ激しく寝ているから、あれが超アグレッシブな寝相じゃないなら当分起きて来ない、だって寝るのが忙しくて睡眠なんかとって無いもん。もう女子が皆無口だよ、すでに全員が気配察知LvMaXで何人かは上位スキルの気配探知になっちゃったんだよ?一定の方向の情報がより詳しく解っちゃうんだよ?私の方が寝不足だよ!


 そしてみんな寝てしまった。だって結局気になって隣り街まで見に行っちゃったから私達だって寝てないんだよ?私達はちゃんと安らかに寝るんだからね。


 

 ひと眠りして目が覚めて食堂に降りると何人かが起きて来ていて話し合ってる?何かあったのかな?


 「だからそこで上からロープを垂らして飛びつけるようにしとくんだよ、で何本かは摑まったら抜け落ちちゃうダミーにしとけば良くない?」


 「やっぱり滑り台で入り口に戻るのが屈辱的だよ、3回くらいで心が折れるよ?」


 「もうあれで充分じゃない?隠し扉から出口を見つけて走って行ったら絵って?あれで充分心折れるよ?1回で。」


 「あの偽扉もえぐいよねー、絵だったり扉だけだったり罠だったりって出られないよ?どうやっても。」


 みんなあの偽迷宮が気に入ったみたいで罠のアイデアを出し合っているみたい?


 「おはよー。でもあれ入っちゃ駄目だよ。装備は全部武器破壊だし、罠にも腐食とか満載だから武器とか装備が壊れちゃって勿体ないよ?特に女子は絶対駄目だよ、腐食って装備と服を溶かしちゃうからね?別の意味で外に出られないよ?」


 「「「最悪だーっ!」」」


 だって最悪の人が設計したんだから最悪に決まってるんだよ?心折れる前に精神が蝕まれるんだよ?あそこに入っちゃったら出て来た時は人格変わっちゃってるんだよ?きっと人間不信くらいは確実だと思うよ?だって製作者の人間性が信じられないんだよ?


 それでもまた一人起きて来ては加わり、また一人起きて来ては罠を考えてる。大人気みたいだよ、入りたい人は誰もいない大人気スポットが造られてしまったみたいだ。アトラクションも満載だけど参加者はいないんだよ?みんな罠を考えて引っ掛かる所を見たいだけみたいだけどそんな悪い事ばかり考えていたら遥君になっちゃうよ?


 「おはよー?って言うかこんばんは?みたいな目覚め?って言うか眠いよ。でもお腹空いたんだよ。」


 やっと遥君も起きて来た、眠そうだ、原因はいつも一つだ。犯人もいつも一人だ、本人だ。


 「おはよー遥君。起きたら来て欲しいって領主様の側近の人が泣きそうな顔で伝言していったよ?何か疲れ切ってたよ?」


 この街の領主のオムイ様はお話しすると気の良いおじさまで、領民には愛される名君だ。ただ領民の人達も兵隊さん達もみんな領主様の身を心配している、代々の領主は民を守る為に戦い魔物の森で亡くなっているんだそうだ、それでも代々イケイケなのらしい。それでも守りきれないと何時も嘆いているのだそうだ、だから愛され心配されているのだ。うん、此処は良い街だ。でも側近さんは大変そうだ。


 「取り敢えずご飯だよ?決定事項です!だってお腹空いたんだよ?もう献立も決定済みなんだよ?だってトマトっぽいの見付けちゃったんだよ?オムライスだよ?謎の鳥肉だけど。」


 「「「「きゃあああああっ!オムライス!オムライス!」」」」


 「「「オムライス!オムライス!オムライス!、、(続く)」」」


 なんかオムライスコールが始まってる?何この盛り上がり!でも乗っちゃおう、だってオムライス!オムライス!


 大騒ぎでみんな起きて来たころにはオムライスが並べられている。寝ぼけ眼もパッチリだ、始めてオムライスを見るアンジェリカさんは不思議そうな顔をしてるけど、食べれば分かるんだよ、この熱狂の坩堝と化したオムライスコールの訳が。

 

 「「「オムライス!オムライス!オムライス!、、(続いてる)」」」


 「出来たよー?たーんとお食べ?みたいないただきます?な感じ?」


 「「「「いただきまーす。」」」」


 突如としてオムライスコールはぴたりと鳴りやみ静寂へ変わり?、食卓は無言の至高の至福に包まれていた。


 うううぅ。美味しいよー、だってオムライス。美味し過ぎるよ、みんなでオムライスを食べているんだよ?泣いちゃうよ、だってオムライスなんだから。美味しいよー。


 みんなも満腹になりつつ余韻に浸る。


 アンジェリカさんも、看板娘ちゃんも、尾行っ娘ちゃんも初めてのオムライスで至福の表情だよ。


 でもお説教は確定したよ。


 だって尾行っ娘ちゃんは危機一髪って言うか本当に髪の毛一本分くらい所まで剣が迫っていたらしい。すっごくギリギリだったんだ、髪の毛一本分で遥君は間に合ってくれたんだ。ただし途中でトマトの買い付けをしていたんだよ?途中の村で偶然にもトマトっぽいの見付けちゃってそれでギリギリ。お説教だ。


 「いや間に合うんだって?大丈夫だよ、だって飛んでも間に合わない時は跳ぶんだから?跳べば大丈夫なんだよ?ニキビも無事だったよ?跳ぶの決定だから余裕だったんだよ?トマトみたいな?」


 お説教中です。しかも看板娘ちゃんが激オコです、マジオコですよ?涙目でパタパタ怒ってるよ?怒りの踊りも始まっちゃったよ?


 どーも跳んじゃったらしいです。禁断の転移魔法で突入したみたい、大説教決定だよ!だって危ないからって使ってなかったんだよね?何が起こるか分からないと封印されてたんだよね?大迷宮ですら使わなかったくらいの危険な技だったんだよね!練習ですら集中した状態で障害物も何もない所で1~2メートルだけしかして無かったんだよね!なのに城壁ごと空間を突破って何でそんな危ない事ばかりするの!?どうも途中から跳ばないと間に合わないって分かってたみたいで、ならどうせ跳ぶんだから余裕じゃんってトマトみたいなのを買っていたらしい?計画的時間管理術だとか言い張ってる、反省はしていないようだ。大説教だ。


 反省しないならば看板娘ちゃんの怒りの踊りを受けるが良い!だって涙目でパタパタ怒ってるんだよ、激オコパタパタ娘の踊りなんだよ。本気で尾行っ娘ちゃんの事も遥君の事も心配して怒り踊ってるんだよっ、泣かしちゃったんだからしっかりと大反省してね?


誤字ぺったんさせて頂きました、いつもありがとうございますm(_ _)m

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