0016 薬屋営業
朝。
昨日、市場で買った食材で朝ごはんを作る。この世界はワッフルが基本で、それにゆで卵や魚を添える。最後にフルーツの皮を剥き、二つ添える。ポタージュを作りたかったが、攪拌機がないので断念した。
夫が目を覚ますと、一緒に『いただきます』をし、食べる。夫はもうパジャマから洋服に近い格好をしているので、私も服屋で合わせて買った。この世界にもブランド品があることは知っていたが、きたことはあまりないので、下町のロングスカートがなお可愛い。ワンピースではない。
コルセットの文化はあったが、民衆にはない。貴族にはある。
夫を仕事から送り出すと、部屋の掃除をする。布で拭くか、紙で服かの一択なので、布で拭くことにした。トイレは紙だ。ティッシュペーパーのある異世界も面白いと思った。
そういえば夫の職業が奴隷商人のせいで収入が少ない。なので、また始めた。
下町に一軒、魔導書の本屋があったので、自分の記憶をたどっては、部屋を材料まみれにしていく始末で、一回本気で喧嘩になった。説明したら、納得してくれた。店舗の紹介もしてくれた。
ミスリルが『魔女の薬屋』の看板をつけると、肝心なことを聞いてみた。
「黒魔術とかと勘違いされない?」
「ああ、あることはあるけど、この職業、どこでもできるから、お前の薬屋と一緒だな。主に何の薬を売ってるんだ?」
「流行したら、その病気の学会が開かれるの。パッチテストで、一回診断することもできるのよ。」
「ああ、何の病気になっているのかわかるテストだな。」
「それをやってから、的確な病気の薬を買ってほしいの。」
「フリルは真面目だな。」
「そう言ってもらえて嬉しいわ。風邪の薬が多いわよ。」
「そうか。」
『魔女の薬屋』はとても繁盛した。
おばあさんがきた。
「腰痛に効く薬はどこかね?」
「娘が風邪をひきまして。」
「多分、この薬で治せます。」
「ありがとうございます。これが代金です。」
お父さんが帰っていった。
お客さんがひくと、私は新聞に目を通す。何回も読んだが。こうやって、お店をやりながら、夫の帰りを待つ生活は充実していた。
資金も集まってきた所で、少し提案をしてみた。
「旅行に行かない?」
「そうだね、有給あるから、それを利用して三日とかどうだい?」
「いいの、どこがいいかな?」
「南部のクワワン街に、魔法の都市が通じてるんだけど、結構観光客も多いと聞いた。行ってみない?」
「本当!楽しみにしてていい?」
「ああ、いいよ。」
私は舞い上がっていた。就職してから休み無しだったし。これから、旅行を楽しめるなら、しかも愛する人と一緒なら、とても楽しみにできた。
「その魔法街の都市って・・・。」
新聞に記事が載っていた。
「カウタウシティ。」




