第64話:迫るオークの軍勢
朝起きるとレベルが上がっていた。
タッチパネルを確認するとLv5呪文が開放されていた。
内容は、リール1列を大成功に変更する効果だった、大成功は物品のランクを2段階アップさせる。
もう1つはアイテムに知性付与か、どちらも微妙な気がする、喋るアイテム必要か?
それに、アイテムのランクアップに制限が有るので早くアップすると合成回数が減る、成功したときに最大5倍にアイテムが増えるので出来るだけゆっくりランクアップしたいのだけどな。
下の階がバタバタしているので降りて行くと皆準備万全でいつでも出かける事が出来るようだった。
「今回はオーク軍が相手だ、数が多いので気を引き締めていこう。」
魔法の絨毯に乗り込む、6人のメンバーとキャッシーと俺で8人。
キャッシーは故郷を守るために連れてって欲しいと頼み込まれた、初めは断ったが情熱に負けて連れて行く事になった。
絨毯3枚に別れて乗り込む、先頭はボニーとマリーヌ。
あとは前衛後衛とバランスよく乗り込む。
不可視呪文で見えない魔物はアラームの対象外だったので注意しよう。
「ちょっと待って。」
自分の部屋に駆け込む。
スロットマシンに普通のランタンと不可視発見のスクロールを3つベットする、面倒なので呪文を使用して成功率100%にして回す。
『発見のランタン』を15個作成した。
このアイテムは不可視の者の姿を現すランタンだ、幽霊だろうが不可視呪文だろうがランタンからの光を浴びると見ることができるようになる。
「お待たせしました。」
「そんなに待ってないわよ。」
出発する。
スカーレットとベニーと一緒だ、魔法の絨毯の縁にカラビナを付けて現在はテントを張っている長距離の移動が非常に快適になった。
「でもランタン持つの面倒だよな。」
ランタンはテントの入口に吊るしてあるが普段これを携帯するのも邪魔くさい。
「ダンジョンでは腰に吊るして移動していましたよ。」
「戦闘とかはどうするの。」
「戦闘中は後衛が明かりを持つか、ランタンが割れた時のためライトの呪文を併用するのよ。」
流石スカーレット、冒険者を目指していただけあって知識が豊富だ。
でも邪魔だよなランタンどうにかできないかな、ちょっと実験してみる。
『稲妻の杖』に『発見のランタン』を合成する、面倒なのでLv5呪文とLv4呪文を使い100%成功にしてスロットを回す。
稲妻の杖のクリスタルの中に小さなランタンが吊るされている。
クリスタルの中にランタンが在るがランタンであるの必要が感じられない。
雰囲気としてはLEDライトのような輝きだ、遮光ガードも装備している。
どんな向きでもランタンが上を向いている、面白いなこれ、お土産で昔こんなボールペンが有ったな。
「これ皆さんに1本づつ支給します。」
「わー綺麗。」「明るいですわ。」
なかなか好評のようだ、実際は暗視スコープを装備しているのでいらないのだが、白黒の景色よりも色彩がある方が落ち着く。
さて一仕事終えたのでテントでごろごろする。
ベニーと目があう、太ももをポンポンと叩いた。
芋虫のように這って行き太ももに収まる、電車のような揺れと膝枕の気持ち良さで眠くなる。
「リク起きて、駄目ねグーグ寝ているわ。」
「疲れているのよ寝かせてあげて。」
呼ばれる、意識がはっきりしてくる。
あれ?ベニーの膝枕と思っていたらスカーレットの膝枕だった。
そうか、2時間ごとの交代なので呼ばれたのだろう。
チャンス、お尻を触ると『ビク』っとなったが声は出さなかった、お尻と太ももの感触も楽しむ。
怒られると思ったが毛布を被せて隠してくれた、しばらく感触を楽しんだ後に太ももの間に手を入れるがこれは止められた、強引に手を入れようとしてもビクとも動かない、無理をすると手首をへし折られそうだ。
諦めて起きる事にした。
「ベニー代わるよ。」
「あら、お尻を触るのには飽きたのかしら。」
しっかりばれていました。
「ベニーのお尻も大好きだから大丈夫だ。」
「はー、そうですか。」
呆れられたがまあいいさ嘘じゃないから、テントを出て魔法の絨毯の操縦をする、操縦と言っても行きたい方向に意識を向けるだけなのでやる事がない2時間何をすればいいのか。
昼食になった、3つの絨毯を連結させてわいわい食べる、無限にパンが出るバスケットがここでも活躍した。
「このバスケットどんな仕組みなんだ。」
「これ市場に出回ったらパン屋が潰れるわね。」
「パン屋を丸ごと買ったほうが安く付くわよ。」
あまり人気が無いアイテムで市場では見かけることが少ないとか、日本円で一億円、毎日パンが食べれます夢のようなホームベーカリですって、これだけを持って路頭に迷うわ。
おかゆが出てくる銀のスプーンとか、食料を作る呪文とか必要がない魔法が多い。
確か逸話で、イエスキリストも神の奇跡で食料を飢える民に出した事があったな、呪文の使い手だったのかもしれない。
モンスターに出会う事がほとんどない。
昼休憩後も順調に進む、空を飛んでいるし周囲のモンスターは従業員のレベルアップも兼ねて駆逐していた。
ランスの兵士が出兵したときにモンスターで苦労しないようにと少しずつ準備していた甲斐があった。
4日後にライセンに付いた。
ライセンに着くとピンク狼煙が上げられる、俺がいろいろな色の狼煙セットを渡したていたけど俺達の到着がピンク色って止めて欲しい、せめて紫にして欲しい。
「綺麗な色ね。」
「なんか、エロい人が来たぞって言われているようで嫌だな。」
「「リクはエロいからいいじゃない。」」
誰だ今ハモッたやつ、見渡したら皆顔を逸らしている。
その後俺達パーティは『ピンク団』とか言われてしまったがまた別の話だ。
ライセンの周辺にはオークの騎兵と軽装の兵士が集まっていた。
マップを確認すると後方には沢山のオーク歩兵がライセンを目指していた。
まだ数は4000以上いる、想定よりも減ってない。
しばらくするとアンドレと『真夜中の焚き火』のメンバーが戻ってきた。
今は城の会議室で打ち合わせ。
「マリーヌ、この紙を見てくれ。」
マリーヌは目を点にして、丸めて口の中に入れる。
急いで食べた為に咳き込み水と一緒に飲み込む、エルフって山羊みたいに紙を食うのか余りの出来事に反応できなかった。
「美味いのか。」
涙目のマリーヌは俺の腕を引き部屋の隅に行く、小さな胸が当たって気持ちいい。
(あれは流石にまずいです。)
(そりゃ味も付いてないからな。)
何故か小声だ、俺も合わせる。
(そうじゃなく、あの地図のことです。)
(これか。)
A4で50枚ほど手渡す、ランスの宿から出てくる前にマップを切取りプリントアウトしてきたやつだ。
パソコンのAlt+PrinScreenみたいに画面をそのまま取り込めたので貼り付けて印刷しただけだ。
ランスの会議では地図がなく(存在していたのだが抜けや不正確で更新がされてなかった。)苦労したから便利だろうと持ってきたのだが。
「ぴぎゃ、早く隠してください。」
服の中に入れようとするが多くて入らない、チッパイが見えていますが。
領主が、
「リク殿の事では驚かんよ。持ってきなさい。」
「じゃあ、A1サイズが1枚あるのでこれを使いましょう。」
領主とアンドレが絶句する。
「流石にこれは・・・。」
「ただの航空写真ですよ。」
「兵の配置とか情報だだ漏れじゃないか。」
「まあまあ。」
青筋をピクピクさせている領主をなだめるアンドレ。
「4日前の情報ですので、今はオーク達はここにいます。」
赤鉛筆でぐりぐり書く、領主は「あーあー勿体無い」と言っているが無視してどんどん書き込む。
「あと数日でオークの重歩兵が到着します。」
全部書ききったので作戦会議に移る。
空中からの爆撃は一定効果があったがその後は敵が散開して効果が減った事、輜重部隊を攻撃するが歩兵部隊が先行してしまい防衛させる事で時間を稼ぐ予定が狂ったことをタルトが説明する。
「輜重兵は地位が低く守るに値しないので見捨てられたようです。」
確かに500ほどの集団がかなり後方でのろのろ行軍している。
村や砦での防衛は、魔法の人形や英雄召還の笛を使って応戦したが被害がない事を見抜かれて積極的に交戦して来なくなり、オーク騎兵や軽歩兵が先にライセンに着いたとクリームに説明された。
「騎兵と軽歩兵だけでは攻城戦が出来ないので陣地の構築をしています。」
それで戦いは膠着状態になっている訳だ。
オークキングが来たら攻撃が始まりそうだ。
「オークは食料無しで戦えるんですかね。」
「個人で携帯してるんだろう。」
「狩った獣を取り合って、もめているのを見ました。」
食糧事情は厳しいようだ。
「後方では離脱兵も出ています。」
「それでも4000人もオークがいるんだよな。2割の損害を受けたら全滅で撤退と思ったが案外大丈夫そうだな。」
2から3割の兵を失ったら全滅と思っていたが甘かった。
「2割の兵を失っても全滅じゃありませんよ。」
「なんで2割で全滅なんだ。」
「何かの本で見ました。」
「半分ぐらいの兵を失っても戦えるだろう。」
こちらの軍は分業されていないので自分の事は自分で行うのが常識とか。
俺のいた世界では分業されていて食料の用意は後方支援部隊が用意する。
うへぇーまだまだ敵の撤退は先のようだ。
こちらの兵は、ライセン300人、周りの村の兵が1500人ほど計1800人オーク達4000人の半分にも満たない。
こりゃ、防衛戦だな。
ライセン周辺の民を避難させるのに人員を裂き過ぎたかもしれない。
町を囲う城壁で防衛、最後は篭城して城で防衛する事になった。
城壁の低い所を急ピッチで補強する。
開戦まであと4日急がねば。
異世界冒険 120日目




