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seasons  作者: 南雲 千尋
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2/5

春




席に案内されて一人、ソファーシートにもたれかかる。

どうやら俺が一番乗りらしく、暇を持て余し携帯を開いた。

周りがほとんど二人組以上なので少し居心地が悪いが気にしない…気にしない。もはや自己暗示に近い。

取り敢えずドリンクバーだけ頼み一段落する。しまった、タバコが残り少ない。このファミレスは自販機があっただろうか?曖昧な記憶を辿る。


自販機もなく、仕方なく店員に断りを入れてから最寄りのコンビニへ向かう。懐かしい道程をゆったりと歩いてみる。

見上げた空は生憎の曇天だったが、雲の切れ間からたまに覗く日射しが心地よい。空にカーテンがかかってるようだ、と思ってから自分で「ポエマーか」と突っ込む。

すれ違った高校生に訝しげな目で見られたが気のせいだと信じよう。


「すいません、マルメンウルトラライト」


小銭を支払い、店を出て早速火を着ける。糸のように漂う煙を目で辿りながら、ため息のように煙を吐く。

少し冷たい風が季節の変わり目を感じさせる。

──ああ、あの日もこんな空と風の吹く日だったな…


手慣れた動作で火種を潰し、ファミレスへと俺はまた歩き出した。



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