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第31話 すでに2人は最高バディ(後編)

実話を元にしたオリジナル介護日常小説です!2人の信頼関係に胸を熱くして頂けたら幸いです。

 ここは、個性豊かな大先輩(ご利用者様)たちが暮らす特別養護老人ホーム『なないろ荘』(入所型介護施設)。 私(中堅介護士)30歳、と新人君(介護未経験者)19歳のバディは、本日は金剛(こんごう)館にて体操レクを実施中……!

 おや、今日もあそこに(私との連携に)迷わぬ介護士がまた1人……



私 「はい、ではまず深呼吸から〜両手を上に上げてー、鼻から吸って〜、ゆっくり口から吐く〜……はい、もう一度〜、鼻から吸って〜口から吐く〜、はい、そうです!では、あと三回繰り返します」


新人君 「鼻から吸って〜口から吐く〜……(ん?あのご利用者様、なんか見えにくそうやな……)」


ご利用者様A 「んっ、ん~~?(良く見えないわ……)」


新人君 「あの、見えにくいっすか?もし良かったらこちらに(少し右にズレた位置に椅子を持ってきて)どうぞ」


ご利用者様A 「えっ、あら、悪いわね〜!ありがとう!あなた気が利くのね!」


新人君 「いえ、たまたまです」


私 「(新人くん、ナイス!)……はい、では怪我をしないように柔軟体操からやっていきましょう!上にぐーっと背伸びをして、そのまま右に傾けまーす。はい、今度は左ー……はい、では皆さんと数を数えながらやっていきましょう!1、2、3、4……5、6、7、8……」


新人君 「1、2、3、4……5、6、7、8……」


ハツ 「……っ、くっ……!!(拘縮した右手をなるべく左手で伸ばそうと頑張っている)」

(拘縮 : ケガや病気、長期間の安静などによって関節の周囲にある筋肉や腱、皮膚、靭帯などの組織が固くなり、関節が動かせる範囲(関節可動域)が狭くなったり、曲がったまま伸びなくなったりした状態のこと)


新人君 「ハツさん、凄く頑張ってますね!出来る範囲で大丈夫ですよ!」


ハツ 「えぇ、ありがとう。でも、頑張らなくちゃ」


新人君 「…………。(すげぇな……どのご利用者様も真剣に取り組んでる……)」



ーその後、腰を捻(ひね)る動き、足の柔軟体操、手首や足首を解(ほぐ)す体操と続くー



私 「はい、では、一回休憩にして、水分補給をしましょう!後半15分残ってますからね!5分くらい力を抜いて楽にしていて下さい!」


新人君 「(水の入ったコップをご利用者様に配っていく)はい……はい、はいどうぞ!お疲れ様です!」


私 (新人くん、何も指示してないのに凄くテキパキ動いてくれてる……ちょっとカッコいいかも……はっ!いやいや、今は仕事に集中!集中!)



ーそこへ、同期の矢野が通りかかるー



私 「あ、ちょっと矢野ー!!これ(ボール)、使っていい?」


矢野 「おー!いいぜー!なんでも好きなの使ってくれ!」


私 「オッケー」


新人君 「…………。」


私 「はい!じゃあ、そろそろ体操を再開しますよー!新人くん、これ(ボール)一人一個配って」


新人君 「……うす!」


私 「後半戦は主に握力と瞬発力、そして内腿(うちもも)の筋肉を鍛えていきますね!握力が凄い人はね、とっても長生きするんですよ!何かを掴み取ろうとする力が凄いんです!うちの課の100歳近いご利用者様も怒るときゅうっとつねってくるので痛いのなんの!(本音)」


ご利用者様一同 「「「あはははっ!(爆笑)」」」←冗談だと思っています。



ーボールを両手や両足に挟んで左右から押したり、足首の間に挟んで両足を上げ、30秒キープしたり、円になってキャッチボールをしたりと怒涛の体操が続きー



ご利用者様一同・新人君 「「「ぜぇ……はぁ……ぜぇ……はぁ(キツー……)」」」


私 「はーい!皆さん、良く頑張りました!これでまた1歳若返りましたね!お疲れ様でした!」



ーボールを使った体操も恙無(つつがな)く終了し、テーブルや椅子を元の位置に戻していくー



新人君 「…………。(矢野PTをじっと見つめる)」


矢野 「お?何だ何だ?(小声で)もしかして俺に嫉妬してんのか?」


新人君 「いや、別にそういうわけじゃ……」


矢野 「俺と仙波はほんとにただの同期!だって俺、奥さんも子供もいるもん。……なんなら俺、お前の事、気に入ったし、協力してやってもいいぜ?仙波は普通に良い奴なのに、彼氏とはいつも長続きしなくてなんとかしてやりたかったんだよなぁ〜!(したり顔で)」


新人君 「…………いや、大丈夫っす。俺は俺で頑張るんで!」


矢野 「(一瞬驚いた顔をして)……へぇ。ますます気に入った!俺は俺でサポートしてやるから、頑張れよ〜!!(新人君の頭をぐしゃぐしゃ撫でる)」


新人君 「うわっ……!ちょっ、や、やめてください!!」


私 「あれ~?いつの間にか新人くんと矢野が仲良くなってる……。何かあったの?」


矢野 「ただ男同士で交流を深めてただけだぜ?なぁ?新人!」


新人君 「……っすね。」


私 「ふ〜ん?(なんか、怪しいなぁ〜……)」



 最後まで読んで頂き、ありがとうございました!

次回、「第32話 大喜利はサヨさんを救う!?(提案編)」は、11/6(金)の18:00に更新予定です!お楽しみに!

 「矢野ー!お前めちゃくちゃ頼もしいアシストキャラじゃないか!(笑)」と思ったら★評価やブックマークで応援してもらえると励みになります!

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