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夏祭り  作者: 髙橋あきら
20/24

夏祭り 20

 去年、ここの夏祭りでくじ引きしたときに、景品選んでよって言われたから下心もあったしあたしと似たようなものを選んだ。そして学祭でイツメン4人で写真を撮ってもらって、ユキちゃんがプリントしてあたしたちにくれた。その時あいつは、ハサミでちょうどいい大きさに切ってスマホと透明なスマホケースの間に挟んでた。


 そういうことあったのは覚えてたから、あいつじゃないかなって思った。

 いやでも、好きな子っていうのは知らない。なんならその1年後くらいに他の子好きになって付き合っちゃってたし。

 去年、あっちからそんな空気流れてなかったよ。あくまであたしの片思い。ってことは、良いやつ!っていう意味の好きでしょう。


「あの時の子がちゃんと成長していて、そしてここでのものをまだ持っているという事実は感慨深いものがあった。と同時に、サヨのことが好きというその学生がたまらなく羨ましかった。戻ればその思いを告げることができるだろうし、サヨとの距離感も近そうだったから、サヨもその気持ちを受け入れるかもしれないと考えたら、心がざわついたよ。」


 仲の友達だったし、距離感は近かった。でもそれはあたしだけではなくて、イツメンのみんなが近かったのだ。さらに言うと、告白も何もなかった。遊ぶときはグループでだったし、個別で連絡をとったことがない。


 あれ、ちょっと待って。

 あいつも来たってことは、こうやって手を繋いだんですか?え?


「ちょ、イズマ、ごめん待って。一大事だ。」

「……何?」


 ごめん、でも教えて。


「あのさ、その学生と手を繋いだの?」


 一部の界隈ではキャーキャーしちゃうことしちゃったの?


「いや、しないよ。」


 なるほど。きゃーきゃーする自体にはならなかったと。


 ちょっと待てよ。

 だってイズマ最初に言ってた。こうして手を繋ぐと、ヒトである認識が薄れるって。だからあたしは過去も今もこうしてイズマと手を繋いでいる。


「手を繋がないと危ないんじゃないっけ?」

「それ以外の方法もあるんだよ。呪いをかけるとかさ。小さい子とか歩くのが大変なヒトとかは危ないから手を繋ぐけど、それ以外は呪いをかけるんだ。」


 そんな方法一度も聞いてない。だってすぐに手を繋いだ。


「ってことは、あたしは危なっかしいってことか?」


 繋がれた手を、イズマに見せつけるように持ち上げ指をさすと、イズマが笑った。気が抜けたのだろう、さっきまで強かった力が弱まった。


「そりゃ最初イズマと会った時はたしかに泣き虫なちっちゃい子どもだったけど、もうそんな年じゃないって!」

「知ってるよ。」


 やっとこっち向いた。と思えば、イズマは真剣な表情でこちらをじっと見た。


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