23番
作戦はものすごくシンプルです。
午後の競技はひとつしかなく、この学園目玉でもあります。
それはトーナメント式バトルロワイヤル。
一クラス1人選出し全員で戦い最終的に生徒会長に挑めるというものです。
これで勝てたものは生徒会長に成り上がれますが…まあ基本無理ですね。
作戦はシンプルにその試合で完膚なきまでに坊主を叩きのめす事なのですが…その際、ちょっとしたサプライズをあのクソ野郎にお見舞いしてやろうと考えています。
そのために……
「ふむ、そのため私の助けがいるということか!」
「はい、お願いします!委員長!」
そう、やる事とは体鍛祭委員長にこの事を黙っていて貰うことです。
作戦の都合上絶対に避けては通れず何とかしたかったのですが……
「断る!この体鍛祭は成功させなくては行けない!私情を挟まれるのは困るな」
「ですよね……」
まあ、こうなりますよね……
「そこをなんとかお願いします…!じゃないと!」
「じゃないと?」
「体鍛祭が終わるまで監禁させてもらいます。」
「監禁させてもらいます!?」
「大丈夫です。抵抗しなければ痛くはしません。」
「抵抗しないわけがないだろう!?」
「それに……委員長にとっても悪い話じゃないです。」
「……?何故だ?」
「なんと……」
「な、なんと?」
「監禁場所は私の部屋です。女の子のお部屋に一人で入れますよ。」
「……私がそれで頷くと…?」
「ソフィアちゃんがこれで大丈夫だって…」
「馬鹿者!行くわけないだろう!?婦女子の部屋に一人で男が入るなど言語道断!紳士たるもの誠実に!だ!」
おかしいです…ソフィアちゃんは男ならその条件で絶対に乗ってくると……
「じゃあ…拘束するしか……」
「……と、本当は言いたいところだが。」
「あ、やっぱり入りたかったんですか?」
「ちがう!話の腰を折るな!…………目をつぶろう。わたしは何も見ていないし聞いてもいない。君たちが何をしようと……私は一切関与していない、その条件なら…まあ、1度くらいいいだろう。」
「…!委員長!ありがとうございます!」
やった!やりましたよソフィアちゃん志星さん!
嬉しくてぴょんぴょんしていると委員長が渋い顔でため息をついていました。
「……はぁ…顎と明君の事だろう?同じ2年生として申し訳なく思う。2年生で出回っていたものは私が回収しておいた……安心したまえ。」
「あ……ありがとうございます、本当に…」
「あのバカもそこまで外道に落ちたとは思わなかったんだがな…1年の頃はあそこまで酷くはなかった。」
「……だとしても、クソ野郎です。」
「……否定も邪魔する気も無い。本当のことだしな。……いいことを教えよう、この社会では力さえあればどんな事でもしていいのは知っているな?……それこそ同性での婚約でも、否定でも、な」
「!」
「奴の方が力があると思っているからあんなことが出来たんだ……1年生にも負けてしまう軟弱者だと教えてやれ。自分は周りに我を通せる力を持っていると教えてやれ。応援しているぞ」
「…!はい!頑張ります!」
「よろしい、では私は仕事があるからな。明君によろしく。」
「はい!」
よしっソフィアちゃんに報告です!
「…そうだ、あいつは…あんな事をする奴じゃなかったんだがな……一体何があったんだ…顎……」
___________
「ソフィアちゃん!OKです!」
「あら、やっぱり言われた通りにしたら聞いてくれたでしょ?」
「……?はい!」
説得も終わり席に戻るとソフィアちゃんは用事を終えたようで戻ってきていました。
よく分かりませんがさすがはソフィアちゃんですね!
「あのお堅い委員長も所詮は猿だったか…」
「多分違うと思うんだけど。」
「あらおかえり田谷さん。どうだった?」
「ん……多分そっちは大丈夫……それより、変な噂聞いたんだけど。」
「変な噂?」
「何か、不審者がいるとか…後変なことがいくつか。」
「変なこと…?」
変なことですか?この学園なら良くあることでしょうけど……
「ねぇ、明さんの話ってあのクソ野郎が配ってたのよね?校門で。」
「そうよ、あいつ……」
「……ん、やっぱりおかしいわ。」
「……何が?」
「あの話がもう1週間ぐらい前だからてっきり…とか思ってたけど、あの話を知ってる人ってどれくらいいるか知ってる?」
「……知りたくもないです。そんなこと。」
「……で、何がおかしいの?
「さっき倉庫係の2年生を説得しに行った時……あの話、知らなかったのよ。」
…知らなかった?
おかしいです、あいつは紙にわざわざ志星さんのことを書いて撒き散らして…2年生には特に知れ渡っているはず…
「それを理由に同情でも誘おうと思ったんだけど…」
「…1年生で知ってる人ってどれくらいいましたっけ?」
「……そういえば、私達の周りしか知らなかったわね。」
「この学園、寮生活ってのもあるけど噂がかなり広まりやすいから…知らないなんて変だと思って、2年生の知り合いに聞いてみたら知らないって…」
「……?どういうことです?」
「私にも分かんない」
……あ、もしかして委員長ですかね?さっき回収下とか言ってくれてたから……もしかしてそっちも?
「…もしかしたら、委員長かもしれないです。さっきそんなことを言ってましたから」
「委員長?……あ、あの筋肉メガネ。あの人は確かにそうできるだけのポジションね。志星とも知り合いだったし…」
「ん、そっか、ならいいや。とりあえず首尾はおっけー、後は……あんたが勝つだけだよ。」
「そうね、後は任せたわ。」
「はい!私に任せてください!」
後は斬るだけ殴るだけ!
私の出番です!
「あ、まだ玉転がし終わってないわね。わたしななの応援してくる。」
「あ、私はチアガールやってきます!」
「はいはい、私は此処で待ってるわ…水筒どこやったかしら」
準備もバッチリですし応援席に行きましょー!
あ、ショートさんが休んでますね。
「ショートさん、私も応援手伝いますよ」
「お!やっと来たー!私一人でこの格好で恥ずかしかったんだよ!?みんな見てくるし君たちはどっか行っちゃうし…」
「どうせソフィアちゃんに言いくるめられて一人でやってたんですよね?」
「う…ま、そーだけどねー…」
「どんまいです。で、私何すればいいですか?」
「お?いいねー乗り気じゃん?よし!私の真似をして踊るんだ!」
「はい!」
よっほっ…えいっ!なるほど!このボンボンはこうやって使うんですね!
フリフリしてて可愛いです!
応援団長代理の人が頑張って応援してる横で踊ってるのは何か変な感じですけど楽しいですね!
「いいねー!もっと大きく動いていいよー!」
「はいっ!」
「……おい、見ろよ……」
「お、1年すげぇな……」
「かわいー…あんな服きて踊るのか、すげぇな?」
お、ザワザワしてきましたね?ふふん!私もショートさんも可愛いですからね!人目を集めるのも仕方ないです!
「…ちょっと恥ずかしいな…」
「ほっ!よっ!どうしたんですショートさん!もっとやりましょうよ!」
「…君には羞恥心ってものが無いのかい…」
「ふふん!可愛いものは見られちゃうものなんです!仕方ないですよ!」
「わあすっごい楽しそうだね…しょーがない、私も楽しもっか!」
「……おい、すげぇな…」
「あぁ…うちの女子にも見習って欲しいな…」
「あの子達可愛いわね…」
「ただ…………」
「「「胸が一切ねぇな……」」」
「あ!?なんか今すっごい失礼なこと言われた気がする!?」
「どうしたんです突然。さっきのやすみさんみたいな顔してますよ?」
「いやっ…なんだか女の敵がいた気が…!」
「…?索敵ですか?今は応援ですよ!」
「くっ。割かし正論…光威ちゃんに言われたら終わりだよ…仕方ないなぁ」
そんなこんなで玉転がしの間、ショートさんと踊り続けて……後に『ぺたん娘チア』として伝説を飾ったり飾らなかったりするのは別のお話……でもないです。
あ、ななさんは頑張ってくれましたが2、3年には負けちゃいました…やっぱり決めては1年生が転がし始めた大玉を掴んで逃げ出した2年生がいた事でしょうか…くぅ、卑怯な……
しかし総合得点ではまだ勝っています!このあとも頑張りますよー!
___________
side顎
体鍛祭の玉転がしのさなか、俺は呼ばれた場所に来ていた。
あのイカレ野郎の言っていた場所に。
「やあ、顎君?言われた通りに出来たかい?」
「…あ?来たのかイカレ野郎。言われた通りにやったぞ……これで良いんだな?」
「ああ、良いとも。流石だね顎君。今後も私の頼みを聞いてくれないかな?」
「嫌だなクソが。たまたま利害が一致しただけだ……分かったならとっとと約束を守れ。」
「ああ勿論さ、もう約束は果たしている…今頃君の家なんじゃないかな?」
「………ならいい、二度と俺に近づくな。分かったな?」
「良いとも安心しなよ、じゃあ。さよなら」
そう言うとそいつはスっと消えていった…マジで何もんだ?
……それにしても、舐めてやがる。
俺は俺を舐めてる奴もふざけた真似する奴も全員嫌いだ。
理由もなく殴り飛ばしてやりたくなる。というか、実際殴ってきた、だが、そんな俺にも…………
「…クソが。舐めた奴の指図をタダでウケるほど安い男じゃねぇぞ俺は……上手くやれよクソ野郎……」
追記 明日からちょっと忙しいし最近投稿も乱れてるからまた2、3日空けるよごめんね。




