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憧れのスカート  作者: 赤坂秀一
第九章 高校生最後の年
47/52

47 合宿が終わって……

お待たせしました。47話を更新しました!

今回は合宿の続きです。入浴も終わり星座の観測する飛鳥、その横には一年生の雛乃ちゃんがいますが…… 恵美子ちゃんは飛鳥と入浴出来てご機嫌の様です。


 私達は今、ユースピア城北で合宿中です。今日は夜十時過ぎからISSの観測です。しかし、合宿中にISSが見れるとは…… でも一度みんなでISSの観測をしていればひとりでも要領よく観測が出来るんじゃないかな…… ISSが飛ぶまではまだ少しばかり時間があるのでそれまでは星座の観測です。今日プラネタリウムで教えてもらった、はくちょう座のデネブ、わし座のアルタイル、こと座のベガを探して夏の大三角形を繋いで見ます。

飛鳥(あすか)先輩、あれですよね」

 そう言って指をさすのは雛乃(ひなの)ちゃんです。

「そう、右側にあるのがこと座のベガだよ」

「あれが織姫なんですね」

「そうだよ!」

 そう優しく私が教えていると……

「あれって、直角三角形ですよね!」

恵美子(えみこ)ちゃん、そこは関係ないでしょう!」

 恵美子ちゃんは何かと私と雛乃ちゃんの間に割り込んで来ます。全く困ったもんだ! ヤキモチでも妬いてくれてるのかな? さっきは私が入浴中のお風呂にちゃっかり乱入して来るし、私の胸は触って来るし…… でも、恵美子ちゃんの胸は結構大きくて柔らかかったかな…… やっぱり私もあれくらいは欲しいかな…… あれってDカップくらいあるのかな?

「飛鳥、何を妄想してるのかな? 顔が赤いわよ」

 えっ! 私は両手で頬を抑えます。そんな私を一年生は不思議そうに見ていて、玲華(れいか)は溜息を吐きながら私を見ています。

「飛鳥、何かあった?」

 優しく玲華が訊きますが、目は優しくありません。

「う、ううん、別に…… そろそろISSが飛ぶんじゃないかな!」

 などと誤魔化しますが玲華はやっぱり不審に思っています。まあ、無理も無いか…… 私は嘘をつくのが下手です。

「玲華先輩、南西方向から飛ぶんですよね!」

 香織(かおり)ちゃんが南の空を見ながら訊きます。

「そうだよ! 見えた?」

 香織ちゃんも鈴夏(すずか)ちゃんも何だか子供みたいにはしゃいでいますね!

「あっ、見えた! あの小さい星みたいなのが動いているの分かる?」

 玲華がそう言うと、みんなはさっきまであんなにはしゃいでいたのに急に静かになりました。ISSは南西方向から上空を飛び、その後東北東の空でフッと消えました。それはおよそ五分くらいの出来事でした。

「あーあっ、終わっちゃった……」

 悠香(ゆうか)ちゃんが一言、するとみんなも我に戻ったように、またお喋りが始まります。

「それじゃ、今夜の観測は終わりです。みんな静かに部屋へ戻る事、消灯時間は過ぎてるから静かにね」

 玲華の指示でみんなが部屋へ戻って行きます。私もみんなの後ろから部屋へ戻る途中、玲華と瑞稀(みずき)に捕まりました。

「なに、どうしたの?」

 私はちょっと驚きました。

「お風呂で何があったの?」

 またその話か……

「別に何も無いよ」

 平然と嘘をつきますが…… やっぱり私は嘘が下手です。

「飛鳥!」

 もう、しょうが無いな……

「私がお風呂に入っている時に恵美子ちゃんが乱入して来ただけよ!」

「やっぱり……」

「そう言えば、飛鳥が入浴へ行った後、居なかったもんね」

 瑞稀も気付いてたようです。

「飛鳥、恵美子ちゃんのおっぱいは大きかった?」

「うん、結構大きかったよ」

「Cカップくらい?」

「サイズまではよく解らないけど」

 私のサイズだってこの間、美彩(みさ)先生と専門店に行って初めて判ったのに…… 人のサイズまでは……

「飛鳥はAなんだよね」

 同意を求める様に玲華が言いますけど…… 本当の事は言えないかな……

「あっ、うん、そうだね……」

 ちょっと慌ててしまったから変に思われたかな? そういえば玲華はあまり目立たない様な…… 瑞稀はなんとなく存在感があるのは分かる。腕を組んだ時とか結構目立ってるからね。

「そう言えばさ、私達も一緒にお風呂は無かったよね!」

 ちょっとちょっと、瑞稀は一体何を言うのか……

「そうね、明日は三人で一緒も良いかもね」

 玲華も瑞稀も悪戯っ子のような顔でふざけてます。

「もう、冗談はそれくらいにして! もう寝るよ」

 私はそう言って先に歩き出しましたが、玲華と瑞稀はお互い顔を見合わせていました。


 部屋へ戻るとまだみんな起きています。珠里(じゅり)ちゃんはちょっと眠そうですけど。

「飛鳥先輩遅かったんですね!」

 珠里ちゃんが目を擦りながら訊きます。

「あっ、明日の打ち合わせをちょっとね……」

 眠かったら先に寝てても良かったのに……

「飛鳥先輩、私も明日はお風呂ご一緒しても良いですか?」

 えっ! なに言ってるの?

「雛乃ちゃん、駄目に決まってるでしょう!」

 そう恵美子ちゃんが言いますが……

「恵美子先輩ばかりずるいですよ」

 私はその話を聞いて目が点になりました。

「ちょっと恵美子ちゃん、なに喋っているの?」

 恵美子ちゃんは手で口を押さえますが……

「やっぱり本当に一緒だったんですね」

 珠里ちゃんそれはね……

「飛鳥先輩、良いでしょう!」

 雛乃ちゃん、私にお願いされても…… まったく、本当にとんでも無い事を恵美子ちゃんは……

「雛乃ちゃん、私ね……」

「なんですか?」

 雛乃ちゃんはちょっと頬を膨らませながら……

「私が何故みんなとお風呂に入らないか解る?」

「えっ、それは、解らないですけど……」

「一年生には言って無かったんだけど…… その、本当は私は男なの……」

「えっ、うそ!」

「あーあっ、言っちゃった」

 恵美子ちゃんが余計な事を言うからこうなったんでしょう。まったくもう!

「飛鳥先輩、私は聞いてないですからね!」

 そう言って雛乃ちゃんは毛布を被ってしまいました。

「とにかく今日はもう寝るからね!」

 そして、みんなはベッドに入ります。

「恵美子ちゃん、あんまり変な事しちゃ駄目だよ」

 私がそう注意すると、恵美子ちゃんは……

「はい、はい」

 と言って私と反対方向を向いて毛布を被りました。まったく恵美子ちゃんは、可愛いのに可愛くないんだから……


 合宿二日目、朝の集です。みんなが広場へ集まって来ます。私も広場へと向かいますが、私の右側には恵美子ちゃん、左側には雛乃ちゃんです。何故、こんな事になったのか……

「飛鳥、朝からモテモテじゃん! どうしたの?」

 瑞稀は笑顔でそう訊きます。私は溜息を吐いて……

「よく解らないよ」

 そう答えました。私達が全員集合した後、朝の集いが始まります。最初に国旗掲揚がありその後ラジオ体操をします。やっぱり恵美子ちゃんと瑞稀の胸は程よく揺れて存在感があるような、でも玲華と私の胸は見た目では存在感がありません。まあ、だからといって揺れるほど大きいと、なにかと行動し辛いかな…… ラジオ体操が終わり連絡事項が告げられ朝の集いは終わりました。そのまま私達は朝食会場へ向かいます。

「飛鳥、ちょっといい?」

 玲華が私を呼び止めます。

「どうなってるの?」

 玲華は小さな声で話します。なんで私達がコソコソしないといけないのか……

「恵美子ちゃんが私とお風呂に入った事を部屋で言ってたみたいで、それで雛乃ちゃんが一緒に入りたいって言い出して……」

「駄目よ、そんなの絶対駄目!」

「解ってるよそんなの!」

「あれ、先輩方どうしたんですか?」

 男子組の黒鉄(くろがね)君達です。

「あっ、ううん、なんでもないよ!」

 まずいです。これが史華(ふみか)の耳に入ったら…… 私と玲華はちょっと遅れて朝食のテーブルに着き、みんなで『いただきます』をしてから食事を始めます。今日の朝食はご飯とお味噌汁、それに玉子焼きとウインナーとサラダです。あとお好みで納豆とふりかけがあります。


 朝食が終わり研修開始までは準備と休憩の時間です。その時……

「ちょっとみんな集まってくれる!」

 北野(きたの)さんがみんなを研修室に集めます。

「さあ、玲華」

「あ、うん……」

「飛鳥もこっちに来て」

 私も北野さんに呼ばれました。玲華から言ってもらえるの? それとも私から話した方がいいかな? 玲華は私の方を見て頷きました。

「えっと、二年生と三年生は知ってると思うけど、飛鳥は……」

 私は玲華を見ながら頷きます。

「飛鳥は戸籍上は男子です」

 玲華はそこまでが精一杯だと話してくれました。あとは私が引き継ぎます。

「今、玲華から話があった通りです」

 一年生はちょっとざわついてますが……

「私は性同一性障害といって身体と自認する生が違います。だから二週間に一度病院でホルモン治療をしています」

 さっきまでざわついていた一年生も真剣に私の話を聞いてくれたみたいです。

「そう言う事だから飛鳥はみんなと一緒にお風呂に入る事が出来ないので特別措置を取っています。だから、みんな勝手な事はしない様に、とくに恵美子ちゃん良いわね!」

 瑞稀が後を引き継いで全部言ってくれました。

「恵美子、駄目だよ」

 ちょっとふざけた様に悠香ちゃんが言ってます。恵美子ちゃんは頬を膨らませ席に着きます。それから昨晩の観測状況をみんなでまとめました。

「飛鳥先輩、さっきの話は本当なんですか?」

 加藤翔馬(かとうしょうま)君が私のところへ来て訊いています。

「うん、本当だよ…… 隠していてごめんね」

 翔馬君はそのまま席に戻ってしまいました。

「飛鳥先輩すみません。あいつ飛鳥先輩に憧れてたみたいで……」

 どうやら一番ショックが大きかったのは一年男子の二人だった様です。女子組は話を聞いたときはざわざわしてましたが、あとは普通に受け入れてもらえたみたいでした。男子は純情というかちょっと複雑だったのかも知れないですね……

 今回の事もあって、残りの合宿は何事もなく終了しました。


 二年生は来週から修学旅行です。なんだか合宿のとき以来、恵美子ちゃんが私の側に来なくなりました。まあ、あれだけの事を仕出かしたのだから仕方ないのかな? でも私の事嫌いになった訳じゃ無いよね! なんだかよく解りませんが、彼女とこのまま終わってしまうのも淋しいかな……

「ねえ、最近恵美子ちゃんと話した?」

「ううん、最近はあまり側に来てくれないから……」

「喧嘩でもしたの?」

「してないよ……」

 私は…… たぶん…… してないつもりだけど……

「やっぱり合宿の時の事、気にしてるのかな」

 瑞稀はちょっと心配しています。

 そして、そのまま恵美子ちゃんは北海道へ修学旅行へ行ってしまいました。五日間は帰って来ません。ちょっぴり淋しいけど…… 恵美子ちゃんにとっても、私にとってもこの旅行がいい冷却期間だと思います。旅行が終われば、きっといつもの恵美子ちゃんに戻っているでしょう。あっ、そうそうあとで気付いたんだけど『北海道へ行って来ます。お土産買って来ます』と素っ気ないメールが来ていました。まったく素直じゃ無いんだから……

合宿が終わり、恵美子ちゃんが飛鳥の側に行かなくなりました。合宿の時のことを反省しているのか、それとももう終わってしまうのか? 修学旅行で少しはリフレッシュして帰ってくれば、またなにも無かったかの様に飛鳥の前に現れるかな……

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― 新着の感想 ―
[良い点] お風呂が別となると…やっぱりお話しない訳にもいかなくなりますよねえ…。合宿場ですと、大浴場ではなくて部屋のお風呂で済ますこともできないでしょうし…。 名指しで注意は厳しかったかもしれません…
2021/02/28 08:56 退会済み
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