46 夏期講習と合宿
お待たせしました46話を更新しました!
憧れのスカートも46話になりました。ここまで書き進めることが出来たのも皆さんのお陰です。去年の四月からすると沢山の方にご覧になって頂いているようです。本当にありがとうございます。憧れのスカートもそろそろ終盤です。一応高校卒業で終了で、大学編はタイトルを変えて続きを書こうと思っていますのでよろしくお願いします。
文化祭も終わり最後の夏休みです。今年の夏は化学部でも合宿をしようというお話が……?
「うちの部は体育系でもないし、競技会やコンテストとかも無いけど、今後の部員同士の親睦を深めるために合宿をします」
玲華がそう発表しました。まあ、合宿と言っても二泊三日で北山町にあるユースピア城北という場所でするらしいです。ただ、そうなると問題が…… 私は施設のお風呂に入れるのか? という事です。
「あっ、飛鳥のお風呂なんだけどね……」
「うん、どうするの?」
部屋にお風呂は無いよね……
「一般の入浴時間終了後にって事になったから」
「入浴時間終了後って……?」
「通常は夜の八時で終わりなんだけど、八時から九時の間で入れる事になったから」
どうやらその辺の話を古澤先生がしてくれたみたいです。先生、いつも気を遣って頂きありがとうございます。
「あの、どうして飛鳥先輩は一緒にお風呂に入れないんですか?」
そうか、一年生はまだ知らないんだよね……
「飛鳥さんは凄い人だから特別待遇なのよ!」
また恵美子ちゃんが余計な事を…… 話が可笑しくなるでしょう。
「まあ、色々あるのよ」
鈴夏ちゃんは納得していないよね、まあそのうち話すからね。
「今回の最大の目的は、みんなで星とISSの観測をすることです。ただ、その前に夏期講習を終えた次の週なのでよろしくね」
最後に玲華はそう締めくくりました。しかし、合宿の日にISSは見えるのかな? まさかNASAに話がいっている訳じゃないしね!
そういう事で明日から夏期講習です。私達三年生は受験を備えた講習で最後の二日間は模擬試験もあります。地獄だ! だいたい夏休みに夏期講習とかしようとか言った人は誰よ! と言いたくなるけど…… 後々考えると必要なんだよね。なんだか溜息しか出ないよ。
「飛鳥は試験勉強してる?」
「まあやってるよ、英語と数学を重点的に、玲華は……」
「私は国語と数学だけどね」
「理数系でも国語とか英語はあるの?」
瑞稀がそんな事を訊きます。
「共通テストは関係ないでしょう」
「あっ、そうか!」
瑞稀だって共通テスト受けるんでしょう……
そして、夏期講習が始まります。半日とはいえ怠いです。私達のクラスは女子ばかりなのでエアコンも快適な温度です。しかし、男子にはちょっと暑いかも知れませんが、北野さんや瑞稀と徳永さんのクラスは大変です。男女共学のクラスなので男子が設定温度を低くしていて寒いそうです。まあ、先生が来たら元に戻してもらえるみたいですけど、まあ解らないでも無いけど…… そのため、あの三人はニットのベストやカーディガンなどが必要不可欠だそうです。
まずは初日が終了しました。最後にまさかの小テストがあるとは……
「玲華、どうだった?」
「うん、まあまあかな! 飛鳥は?」
「うん、あまり自信ないかな……」
私はなんだか俯いてしまいます。
「二人共、まだ初日だよ」
そんな事を言うのは同じクラスの近藤弥生です。
「私なんてチンプンカンプンだったけどね」
「弥生は余裕なの、それとも受験を諦めているの?」
そう訊くのは、やっぱり同じクラスの戸田郁美です。
「そんな訳無いでしょう、初日から落ち込まなくてもって話でしょう! 郁美はどうなのよ」
「私はある程度は出来たかな」
はあ、自信持って言える人は良いね……
「ねえ、玲華、図書館で勉強していかない?」
私はひとりだと集中力が持たないので玲華を誘いました。
「別に良いよ、私も真っ直ぐ帰っても家でひとりで勉強するだけだから飛鳥と一緒の方が良いかな」
そうか、玲華もひとりなんだ…… あの広くて立派なお屋敷に……
「飛鳥、何考えてるのよ!」
「ううん、別になにも」
「あの広い家でひとりって凄く淋しいし息が詰まるのよ」
「だから、なにも言って無いって!」
「ねえ、私も一緒に良いかな?」
そう言うのは弥生です。
「どうせ、家に帰っても受験勉強とか長続きしないから飛鳥達とした方が捗るし、教えてもらえるかもだし」
弥生はやっぱり調子が良いです。
「郁美はどうする?」
「そうね、私はやめとくわ、後輩達がちょっと気になるから、それじゃね!」
そうか、郁美は卓球部だったからね…… その後三人で図書館へ行くと徳永さんと瑞稀もいました。
「飛鳥達も一緒に勉強しようよ」
「お邪魔して良いの? 徳永さんと勉強しているんでしょう」
玲華は少し気を遣っている様ですけど……
「いいよね、彩乃!」
「うん良いよ、みんなでやった方が解らないとことか教えてもらえそうだし」
いや、いや、そこまでの余裕は無いけど…… でもまあ、ひとりで勉強するよりは良いかも知れません。解らないところは玲華に訊くことも出来ますので。
「そろそろ閉館時間かしら」
玲華は周りの人達が帰って行くのに気付きました。
「そうね、そろそろ帰ろうか明日もまた講習あるしね」
そうして私達は朝からお昼までは夏期講習を受け、お昼からは図書館で勉強するという事を続けます。そして、夏期講習の木曜日と金曜日は模擬試験です。
「あーっ、終わった!」
夏期講習と模擬試験終了です。結果は…… なんとかなるでしょう。それより来週からは合宿です。別に班を決めるつもりは無いけど部屋が四人部屋なので男子は三人一部屋ですが、女子は十一人なので一部屋四人と三人で全部で四部屋です。部屋割りと責任者を決めないといけません。
「飛鳥どうしようか?」
「うーん、取り敢えず責任者を決めて振り分けようか」
「まあ、私と飛鳥は責任者に決まりだよね」
「うん、あと一人は……」
「史華にお願いしてみるわ」
玲華がそう言います。
「そうだね、北野さんが無理な時は瑞稀にしよう」
そんな話をしている時でした。
「ねえ、二人してなんの話?」
瑞稀が話に加わって来ました。
「合宿のときの部屋割りで各部屋の責任者を決めないといけなくて」
「えっ、部屋割り? 私は飛鳥と玲華と一緒なの?」
瑞稀、遊びに行くんじゃ無いから……
「私達も責任者にならないといけないから私も、飛鳥も一緒じゃ無いのよ」
まあ、私達としては一年生から三年生まで均等にした方が良いんだけど……
「でも、飛鳥は恵美子ちゃんと一緒なんでしょう?」
「うーん、でも、私だけそんな訳いかないし」
「それじゃ、取り敢えず決めていこう私の部屋に、悠香ちゃんと香織ちゃん、鈴夏ちゃん」
確かに、仲の良い人と一緒が良いよね。
「史華の部屋に徳永さんと珠里ちゃん」
「北野さんの部屋は三人なんだ」
瑞稀が言います。
「飛鳥の部屋に、瑞稀と恵美子ちゃん、雛乃ちゃん」
「なんの話?」
あっ、ちょうど良いとこに北野さんが来ました。
「合宿の部屋割りなんだけど史華に責任者をお願いしたいんだけど」
北野さんは仮の部屋割り表を見て……
「瑞稀と珠里ちゃんを変えた方が良いかな」
それじゃ、北野さんの部屋は三年生ばかりになるけど……
「このままだと珠里ちゃんが孤立するかも知れないから、飛鳥の部屋なら恵美子ちゃんもいるし雛乃ちゃんともよく話をしてるでしょう」
「うん、そうだけど…… 瑞稀はそれでも良い?」
「うん、私は良いよ彩乃とは同じクラスだしね」
私としては珠里ちゃんはバブル班だからと思いましたが、まあ、これで部屋割りも出来ました。
さて、合宿です! 二泊三日でユースピア城北へ行きますが、今からプラネタリウムへ行きます。今夜実際に夜空を見上げる前に説明付きで疑似体験していた方が良いだろうという古澤先生からの提案でした。
「私、プラネタリウムって初めてです」
そう言うのは悠香ちゃんです。
「悠香は初めてなんだ」
「ねえ恵美子、どんな感じ?」
「そうね、ちょっと背もたれ気味の映画館にあるような椅子が沢山あって球状になっている天井に夏の夜空が映し出されるんだけどね」
「ふーん」
悠香ちゃんがある程度納得したところで私達はプラネタリウムの中へ入りました。上映が始まり夏の夜空が映し出され落ち着いた音楽をBGMにナレーションも始まります。夏の星座で代表的なのが、さそり座、はくちょう座、てんびん座というのが私の中では定番なのですが夏の大三角形を作り出しているのが、こと座のベガ、わし座のアルタイル、はくちょう座のデネブです。この内のベガとアルタイルは七夕伝説の織姫と彦星で天の川を挟んでお互い光り輝いています。デネブは天の川の中で二つの星を見守っているようです。ちょっとロマンティックですよね! 南の空にはさそり座やいて座があります。さそり座ってギリシャ神話でオリオンを毒殺とか何とかあった様な? なんだっけ? あとで恵美子ちゃんに訊いてみようかな!
「飛鳥さん、ボーッとしてどうしたんですか?」
恵美子ちゃんが私の隣で小首を傾げながら訊いていますが、私はプラネタリウムの星に魅了されています。
プラネタリウムが終わり私達は北山町のユースピア城北へバスで向かいます。北山町は山間の町で街の気温よりも二度くらい低く、少し過ごしやすいです。冬は大変そうだけど…… ユースピア城北に到着した私達は入所式で各部屋での注意事項や朝の集いと夕べの集いの参加について説明があり入所式は終了しました。私達は遅めの昼食を食べたあとプラネタリウムで学んだ事を整理し夜の星座の観測に望みます。
「恵美子ちゃん、神話でオリオンがサソリの毒で殺された話があったと思うんだけど……」
「あっ、あれはオリオンがいい気になって自分のことを自慢していたんです。狩人としての腕も良いし熊やライオンだって狩る事が出来るって、それを聞いた大地の女神ガイアがオリオンの思い上がりに怒り、この大地の恵みは私がもたらしたものだっと言ってガイアは一匹のサソリをオリオンの元へ送り込みサソリの毒でオリオンは生き絶えてしまったというお話ですね」
「なんか壮絶だね」
「それにオリオンは未だにサソリを恐れて冬の明け方東の空にサソリの頭が見えた時、オリオンは西の空からそそくさと去って行くんですよね、一説には色々ありますけどね」
恵美子ちゃんはやっぱり詳しいけど、笑顔で話す様な内容じゃ無いかな……
その後、初日の夕べの集いが始まります。ここを利用している沢山の人達が広場に集まって来ました。高校の部活や大学のサークルの人達や会社の新人研修なのか社会人と思われる人もいます。そこで今日入所した私達が紹介されました。なんとなく恥ずかしいかな…… でも、皆さんから「よろしく」と声を掛けてもらいました。その後、連絡事項などがあった後、夕食と入浴です。今日の夕食はアジフライです。
「みんなで食事って良いですね!」
雛乃ちゃんが何だか嬉しそうです。女子組はおしゃべりしながら楽しい食事、男子は食欲旺盛でお代わりをしています。
「飛鳥先輩、お風呂に行きましょうよ」
雛乃ちゃんに誘われましたが、私は特別措置なのでと丁重にお断りしました。
「特別措置ってなんですか?」
「あとで話すね」
そう言って私はひとり星座の観測へ向かいます。
「一年生にはきちんと話した方が良いかな……」
なんだか改まると余計に話しずらいな……
「飛鳥、どんな感じ?」
夜の七時を過ぎた頃、瑞稀と玲華が来ました。
「ようやく薄暗くなって来て、星が少しずつ見えて来たよ! この辺は街灯がないから結構綺麗に見えるかもね」
私がそう言うと……
「今日は十時半くらいまでは許可をもらってるからね!」
「えっ、九時消灯でしょう! 良いの?」
瑞稀は忘れてしまったのかな? 本当の目的を……
「今日はISSが十時過ぎに見えるでしょう」
玲華が溜息を吐きながら瑞稀に言います。そして、みんなも集まって来ました。
「飛鳥先輩、あれが織姫ですか?」
雛乃ちゃん、あんまりくっつかないで……
「あれはアルタイルじゃ無いかな……」
「雛乃ちゃん、織姫はベガだよ」
そう言って私と雛乃ちゃんの間に恵美子ちゃんが割り込んで来ました。これは、どう言う事なの?
「玲華、そろそろ時間だから入浴に行って来るね」
そう言って私は、お風呂へ行きます。もちろん女湯ですよ。支度をして中へ入ると、とても広いです。それこそ私ひとりなので泳ぐ事も出来そうです。もちろんやりませんけどね!
「ガチャ」
えっ! 何だか脱衣所の方から音がしました。誰かいるのかな? ちょっと不安で湯船に浸かっていると……
「飛鳥さん、湯加減どうですか?」
恵美子ちゃんが入って来ました。
「えっ! 恵美子ちゃんどうしたの?」
私は急いでタオルで身体を隠しながら訊きます。
「飛鳥さんと一緒にお風呂に入りたかったから来ました」
「ちょっと、バレたらどうするの?」
私は慌ててしまいました。顔もちょっと赤いかも……
「大丈夫ですよ、飛鳥さんだけが特別に入っている時間ですから誰も来ませんよ!」
そう言いながら恵美子ちゃんも湯船に浸かり、私の側へ来ました。もう、何だか嬉しいような恥ずかしいようなです。
「飛鳥さんのおっぱい意外と大きい」
「いゃん! ちょっと恵美子ちゃん!」
いきなり触って来る恵美子ちゃん……
「駄目だって! って恵美子ちゃんの方が私より大きいじゃん」
湯船に半分浸かっている彼女の胸を見ながら、ちょっと羨ましいかな…… そして、私達は入浴を終え玲華達の所へ戻り星の観察をします。その横には何も無かったかの様に恵美子ちゃんがいます。
化学部始まって以来の合宿です。しかし、恵美子ちゃんはまた、とんでもない事を…… まあ、飛鳥と常に一緒にいたいんだろうけどね……




