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憧れのスカート  作者: 赤坂秀一
第五章 夏の終わりのハーモニー
20/52

20 部活と夏期講習と告白?

お待たせしました。第20話を投稿することが出来ました。日頃皆様にご愛読されていただくことで何とか続けられています。今後もよろしくお願いします。もしよろしければ感想も頂けると幸いです。


 バイオディーゼルのテストをする為に祖父の家に来ています。発電機のエンジンにバイオディーゼルを入れてエンジンをスタートさせエンジンは力強く回りテストは成功に見えましたが、排気ガスがいつもより黒ぽっく煤みたいなものが混ざっています。祖父は急いでエンジンを止めて、エンジンオイルを調べています。

「なんじゃこりゃ!」

 エンジンオイルが真っ黒に汚れています。

「お爺ちゃん、オイル交換してなかったの?」

「いや、そんなはずはなか! 二、三日前にオイルとエレメントは交換しておる」

 それにしてはオイルが真っ黒です。

「お爺ちゃん、オイルがこんなに真っ黒になることってあるの?」

「いや、ディーゼルエンジンのオイルはこんなもんじゃよ。一度エンジンを回せばエンジン内の汚れでそうなってしまうが、問題はオイルの粘度が悪くなっていることなんじゃ!」

 汚れ? 粘度? そう言えば、前に古澤先生(ふるさわせんせい)が何か言ってたような…… 何だったかな?

「班長! 古澤先生に連絡出来ますか?」

「番号は分かるけど、何か分かったのか?」

「バイオディーゼルを使用した時のことを先生が何か言っていたんだけど……」

「あ! 駄目だ。ここは圏外だ」

 それを聞いて落胆しているとき祖父が「電話ならそこに固定電話があるぞ!」ということで早速借りることに…… 班長が電話を掛けて話をしていますが、ちょっと苦戦していますね!

「今村さん、変わってもらっていいかな?」

「え! 私は今、両手がオイル塗れなんですけど……」

 すると班長は私の耳にコードレスフォンの受話器を押し付けました。これなら話せますね。

「もしもし、古澤先生、エンジンオイルの汚れが異常なんですけど……」

「今村、落ち着け! 最初から説明しろ」

 先生からそう言われて私は落ち着いてこの状況を説明しました。

「分かった! 普段軽油を燃料にしているエンジン内部はかなり汚れている。その証拠に新しいオイルを入れても一回エンジンを回せばオイルは黒くなるんだ」

「…… はい」

「バイオディーゼルはそんなエンジン内部をクリーニングする効果がある。だからエンジンオイルが異常に汚れたんだと思う。たぶんエレメントも交換しないといけないから確認してみてくれ、オイルもエレメントも交換すれば少しは違うかも知れないが、最初の内はこまめに交換する必要がある」

 古澤先生からそう説明があり、私は祖父にその事を説明しオイルとエレメントの交換をする事になりました。

瑞稀(みずき)、動画撮ってる?」

「うん、大丈夫だけど電池があと半分だよ」

「うん、分かった!」

「今村さん、俺たちも何か手伝おうか?」

 甲斐班長(かいはんちょう)玲華(れいか)が訊いています。二人だけ何もせずに見てるのが心苦しいんだと思います。

「それじゃ、そこに新しい軍手があるからそれをして待機していて、いざという時すぐに対応出来るように」

「うん、分かった!」

 その後、エンジンからオイルを抜き、洗浄したあと新しいオイルを入れ、エレメントの交換もしました。

「よし、それじゃもう一度エンジンを掛けてみるばい!」

 祖父がスイッチを入れセルを回します。

「ブルン、ブルン」

 エンジンが掛かり、今度は排気ガスも普通ですが、少し天ぷら油の匂いがします。

「成功だね!」

 私がそう言うとみんな笑顔で喜びました。

飛鳥(あすか)、これって発電機なんでしょう」

「そうだよ」

「これ、充電出来るかな!」

 どうやら瑞稀のスマホはずっと動画を撮っていたのでバッテリーの残量が少ないようです。

「充電コードはあるの?」

「うん」

「そんなら、発電機のコンセントに繋いだら良かよ、百ボルトにしとるけん」

 早速瑞稀は充電を始めました。

「でも、ここまでエコな電気は無いよね!」

 玲華がそう言うとみんながそうだねと笑顔で頷きました。


 この後私達は、祖父の家でお昼を頂きました。

「これでテストは完璧だね」

 班長がそう言うと今度は祖父が「あとは、来年の文化祭で披露すればよかね」と言いましたので「それじゃバイオディーゼルをまた、大量に作らないとね」と言うと皆んなに笑われてしまいました。


 この日私達は一度学校へ戻り古澤先生にテストの報告をしました。

「うん、トラブルはあったようだが取り敢えず成功だな」

「はい」

「あと動画のデータはこっちで保管するから」

 これで今日は解散となりました。祖父は、私達を学校へ送ったあと帰って行きました。

「これで来年の文化祭も盛大に出来るね」

「また、バイオディーゼル燃料を、沢山準備しないとね」

 私達が楽観的に話をしていると班長が言いました。

「そう言えば、君達は夏期講習はないの?」

 そうだ! 来週から夏期講習です。五日間の講習の後、確か試験もあります。うちの学校は進学校ということもあって講習は全員参加になっています。ここで勉強もしておかないとかなり差がついてしまいます。夏休みとはいえ、なかなか遊ばせてはもらえないようです。


 茹だる様な暑さの中、今週は夏期講習です。夏休みじゃないの? と愚痴りたくなりますが、そう言いながらもいざ学校へ行くためにバスに乗ります。バスの中は他の高校生もかなり乗っています。やっぱり部活とか講習とかよその高校もやっているんだよね! と自分に言い聞かせました。

「おはよう! 飛鳥」

 バスターミナルから玲華が乗って来ました。

「おはよう」

「なんか元気ないね」

「うん…… この暑い中、夏期講習かと思うとなんとなくね……」

「まあ、分からなくも無いけど、夏休みが勝負どころじゃない」

 ひとりでグダグダ考えていると頭がどうにかなりそうで、二人で話しながらの方が幾分か気が楽です。教室に着くと暑さから解放され「あー涼しい」と声が漏れてしまいます。

「あはよう」

「瑞稀、おはよう、早いのね」

「うん! 関先輩(せきせんぱい)と朝一緒だったの」

 なるほど、それで早かったのね! 瑞稀はとっても嬉しそうです。その後、講習が始まりました。


 講習は、お昼前に終了しました。今日は部活もないので、もう少し教室にいたかったのですがエアコンのスイッチをすぐに切られたので仕方なく退散する事にしました。

「ねえ、どっかで何か食べる?」

 玲華はこれから一條市(いちじょうし)まで帰る訳だからこっちでお昼なのですが、私と瑞稀はバスで十五分くらいなので別に家でもいいけど折角だから駅で途中下車です。

「ねえ市役所の地下食堂に行かない?」

「何、それ!」

「安くて美味しいのよ」

 瑞稀はちょっと得意気です。

「瑞稀は行ったことあるんだ」

「うん、関先輩と!」

 私と玲華は納得しました。

「聞いた事はあるんだよね! 男子がよく行ってるんだって安いから」

 私と瑞稀は良いけどお嬢様の玲華はちょっと微妙かも知れません。

南風(なんぷう)は?」

 玲華はカレーの美味しい店を提案しました。

「カレーか! 良いね」

 私達は、ほぼ意見が一致したので南風へ行きました。

「いらっしゃいませ!」

 店内へ入ると私達を見て手を振っている人が……

恵美子(えみこ)ちゃん!」

 彼女も私達と出逢ってちょっと驚いている様子です。

「今日は部活ですか?」

「ううん、夏期講習」

「そんなのがあるんですね」

「恵美子ちゃんは?」

「私は、図書館にちょっと」

「あなたが飛鳥の彼女さん」

 ちょっと、それは可笑しいでしょう。

「はい、今井恵美子(いまいえみこ)です」

 ちょっと恵美子ちゃんまで何故否定しないのよ。

「瑞稀、それって可笑しいでしょう」

「良いじゃないの、似た様なもんでしょう! それにしても可愛らしいのね」

「そんな事無いですよ」

 そこは否定する彼女ですが「飛鳥さんにはかなわないです」と謙遜です。恵美子ちゃんあなたは私のことをどう思っているのかな?

「皆さんはこれからどうされるんですか?」

「私達はカレーを食べたら帰ろうと思っているけど」

「飛鳥さん、よかったら図書館に付き合ってもらえますか?」

「うん、良いけど……」

 図書館で何するんだろう? まあ、図書館だから勉強なんだろうけど受験生だし…… どこか分からないとことかあるのかな?

「ねえ、私達も一緒に良いかしら」

「はい、良いですよ」

 玲華と瑞稀も一緒について来ることになりました。この二人は何を企んでいるのやら……

 図書館に移動した私達でしたが彼女が持って来た本を見て、私達はびっくりしました。医学書を四、五冊テーブルの上に置いています。

「恵美子ちゃん、これは……」

「私、医学に興味があって偶にここで見ているんです」

「ひょっとして北山大学の医学部とか目指しているの?」

 彼女はにこやかに微笑んで「別に北山じゃ無くても良いんですけど医学部だったら何処でも」

 そう言って彼女は心臓疾患の章を見ています。

「恵美子ちゃん、高校入試の勉強は?」

「あ! 今日の分は午前中に済ませましたよ」

 恵美子ちゃんはきちんと減り張りを持って勉強してるんですね。それから一時間くらい私も医学書を見ていました。私も北山大学医学部を目指して今の高校に来たはずなのに…… 彼女に思い出させてもらった気がしました。


 図書館を出た私達でしたが玲華と瑞稀は用事を思い出したとかで先に行ってしまいました。気を遣ってくれたのかな……

「あの、飛鳥さんは…… やっぱり良いです」

「なに? 気になるじゃない」

 恵美子ちゃんは私のこと気付いたのかな? あの医学書の中に精神科の書物もあったみたいだから……

「私ね、本当は男なんだよ……」

 私はちょっと俯きながら言いました。

「はい…… 何となく分かっていました。でも、他の人達もいたので聞けませんでした」

 彼女はやっぱり女性としての私のことが好きだったんだよね……

「でも、これで安心してお付き合い出来ます。飛鳥さんのこと好きです」

 そう言って彼女は私のことを抱き締めて来ました。恵美子ちゃんはとても笑顔で嬉しそうです。私もこの感触が…… 今度という今度は彼女に落とされてしまいました……

とうと飛鳥は恵美子ちゃんとお付き合いをすることになりました。大丈夫なんでしょうか? 次回をお楽しみに!

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― 新着の感想 ―
[良い点] あらあら、なかなか言えていませんでしたけれど、恵美子ちゃん感付いていたのですね。 それでなお好きとは、勇気があるというか何と申しますか…。 難しいことだらけの道のりですけれども、うまく歩い…
2020/08/30 16:25 退会済み
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