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魔の森でモフモフたちと暮らすことになりました  作者: 一色青


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第28話 湖でキャンプ②

 大漁!大漁!これだけの大物を釣ったのだから、夜ごはんにはもう十分だ。どう料理してやろうか。


「じゃあ、捌いてみようかな」

『おいしいのかな?たのしみだね?』


 食いしん坊のノルがワクワクしながら巨大魚を見つめている。


 とりあえず、小さい魚から捌いていく。アズールトラウト、これは串焼きにしよう。内臓をとって軽く塩を振り、串を刺す。あとは焚火の横でじっくり焼く。


 クリスタルパーチはミルクチャウダーにする。きれいな白い身をぶつ切りにして、大きな鍋に入れる。それから畑で採れたじゃがいもや玉ねぎ、湖で自生していたクレソンなども放り込み、ミルクとバターで仕上げる。


 そして最後に、伝説の巨大魚ミラージュサーモンだ。このでデカい魚はどうしようか考えたが、せっかくのキャンプだから豪快に丸ごと調理したい。そこで思いついたのが、泥で包む蒸し焼きだった。塩釜にしようかと思ったが、この巨大魚を包むだけの塩がない。なので、粘土質の泥で包むことにする。

 まずはミラージュサーモンの内臓を抜き、綺麗にしたお腹に森で見つけたハーブをたっぷり詰め込む。そうしたら全体を大きな葉っぱで何重にも包む。その上から湖畔の湿った泥を厚く塗り固める。それを焚火に入れて泥がカチカチに固まるまで焼く。

 

 作業のほとんどを魔法でやってしまうので、巨大魚だがそんなに大変ではない。魔法が使えてよかったと思うオーレリアだった。


 魚を調理している間、ノルとネロはオーレリアの背中に登ったり、肩からのぞき込んだりと落ち着かない。えっちゃんもうろうろとオーレリアと焚火の間を行ったり来たりで待ちきれない様子だった。

 辺りもしだいに薄暗くなってきた。泥包み焼きは時間がかかるから、まずはアズールトラウトの串焼きから食べ始める。


「はい、ノル。熱いから気を付けてね。ネロもね」

『ありがとー!』

『うん、いいにおい!』

「えっちゃんの分はこのお皿に入れるね」

『ありがとう!こんなにたくさんいいの?』

「いいよ、まだスープと包み焼きもあるからね。デザートもあるよ!いただきまーす」

『『『いただきまーす!』』』

「うん、美味しいね!皮がパリパリでいい感じ!」

『ぱくぱく……うまうま……ぱくぱく……うまうま』

『おいしー!ぼくこれすきー!』

『美味いな!白身がフワフワしてる!』


 次は、焚火の中央にあるどでかい鍋で作ったクリスタルパーチのミルクチャウダーだ。みんなの分は風魔法で少し冷ましてあげる。


「ノルとネロはミルクチャウダー好きでしょ?いっぱいあるよ!」

『わーい!だいすき!』

『だいすきー!』

「えっちゃんは初めてだよね。食べてみて!」

『いい匂いだね!ペロ……んーーー!美味ーい!』


 気に入ってくれたようだ。えっちゃんもミルク好きだからね。気に入ってくれると思ったよ。

 ミルクチャウダーはクリスタルパーチの出汁がよく出ていて濃厚で美味しかった。焚火で少し炙ったパンを添えてあげると、それも勢いよく平らげた。


「さて、そろそろいいかな?」


 オーレリアは焚火の中に入れていたミラージュサーモンを包んだ泥を魔法で取り出した。


「えっちゃん、カチカチになったその泥を割ってくれる?」

『うん、えい!』


 バコッ!パカッ!


 泥が割れ、包んでいた葉っぱをはがすと、鱗も一緒にペロッとはがれて、ミラージュサーモンのジューシーなピンクの身が現れた。ハーブのいい香りがする。


「おお!きれーい!」

『うわぁ!いいにおいがするー!』

『きれいないろー!』

『リア!はやくはやく!』


 三匹にせかされ、お皿に取り分ける。肉厚の身に何かソースをかけようと思い、小さな鍋でバターを溶かし、それをたっぷり回しかけた。


「わたしはレモンも絞るけど、みんなはどうする?」

『おれは、れもんいらない』

『ぼくも、いらない』

『俺はレモンかけてほしい!』

「おっけー!じゃあこれね!」


 オーレリアは、自分の分とえっちゃんの分にだけレモンをギュッと絞った。


 ミラージュサーモンは驚くほど美味しかった。やはり伝説級の魚だけある。そのピンクの身は驚くほどしっとりと、上品に仕上がっていた。口に入れるとふっくらとほぐれ、濃厚なバターの風味もよく合う。そしてレモンの酸味が脂っぽさを消し去っていく。


「う~ん、おいしー!今度から、お肉ばっかりじゃなくて、たまにはお魚も食べよう!」

『ばたー、うまい!』

『うん!ばたー、あう!』

『美味い!レモンをかけるとサッパリとしていくらでも食べられちゃうな!』


 あー、満足。いつもお家で食べるごはんも美味しいけど。こうして外で食べるとなぜかいつもより美味しく感じる。不思議だ。

 これでお酒が飲めたらもっと楽しいのだろうけど、オーレリアは一人でお酒を飲むことを師匠から固く禁じられていた。成人したお祝いの席で初めてお酒を飲み、ニコニコしたと思ったらパタンと眠ってしまったのだ。本人は眠かっただけだと主張したがダメだった。でもオーレリアは成長が遅い方だし、もう少し大きくなればいけると思っている。


 ほどなく、オーレリアとノルとネロはお腹がいっぱいになり、残りはすべてえっちゃんが食べることになった。えっちゃんは余すことなく、骨までバリバリと全て食べ切った。


『あー美味しかった!満足だ!』

「それはよかった」


 スープの残りは空間収納にしまい、使ったお皿もクリーン魔法でサクッと綺麗にして、片づけはあっという間に終わる。


 焚火を囲んで食休みだ。ノルとネロとえっちゃんは食後の毛づくろいに余念がない。オーレリアは光の魔法で小さな光を出し、本を読む。焚火のパチパチとした音だけがあたりに響く。


 しばらくのんびりと、静かな時間を過ごした。だが、その静寂はノルによって唐突に破られた。


『りあ!でざーとは?』

『でざーと!』

『そろそろデザートの時間だ!』

「そうだね。デザートは、焼きりんごにしようかと思ったんだけどさ、今日はちょっと暑いからフローズンヨーグルトにしようか?」

『ふろーずんよーぐると!いいね!』

『ふろーずん?どんなのだっけ?』

『暑いから冷たいのがいいな!』

「ノルとネロ、お手伝いしてくれる?」

『うん!』

『やる!』


 オーレリアはボウルにヨーグルトと蜂蜜、ナッツを入れる。それをノルとネロに混ぜてもらう。頑張って混ぜているヨーグルトに魔法で冷気を送ると、次第にシャリシャリになってきた。


『あーこおってきた!』

『しゃりしゃりっておとがするよ!』

『おお!すごいな!面白い!』

「よし、こんなもんでいいかな」


 みんなの分をお皿に取り分けて一口食べる。アイスよりも甘さが控えめで、ヨーグルト特有の爽やかな酸味で口の中がさっぱりする。


『うーん!おいしー!』

『つめたくて、あまいね!』

『おぉ!冷たいな!食後にちょうどいい!』


 デザートも食べ終わり、空を見上げると、満天の星空だった。じっと見つめているといくつもの星が流れていく。みんなで寄り添って、いつまででも眺めていたい美しい夜空だった。


 夜も大分更けてきたので、テントに入って眠ることにする。


 ふわふわのラグの上に横になるえっちゃん。そして、えっちゃんのお腹に寄り添い、毛布をかけるオーレリア。ノルとネロはえっちゃんとオーレリアに挟まれてムニャムニャと幸せそうだ。


「キャンプ、楽しかったでしょ?」

『うん、すごく楽しかった!』

『またしようね!』

『またしようね!』

「そうだね、またみんなでキャンプしようね!おやすみ!」

『『『おやすみ!』』』


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