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18話 もちろん

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「アルダーさん、エルファルドさんはいますか?」

 俺は、1年生の教室に行き、そう聞く。

 2年生の時と違い、俺を見たことない1年生は、ひそひそと話し始める。

 聞こえるのは、ダンジョンに行くという噂や、魔術師であるルトの話だ。

「自分ならいますが。アルダーはもう帰りました」

「エルファルドさんであってるよね?少し生徒指導室へ来てもらっていいかい?」

 美しく金色に光る、宝石のような目。

 まるで純金。そう思わせるような瞳を持つ、エルファルド・カイル。

 彼は、俺からそう聞くと、やっぱり顔を青くする。だが、今回はしっかりとフォローを入れる。

「ダンジョンについて、相談があるんだ。君の力が必要なんだ。来てくれるね?」

「……そういうことだったんですね。よかった」

 ほっと手を撫で落とした。



 これで2人。除いて集まることになった。

 綾人は、事前に生徒指導室に来てもらうことになっている。これで、声を掛けた人、全員が集まることになる。

 それは、前日声を掛けた先生も例外ではない。

「みなさん。お集まりいただき、ありがとうございます。今回は、大切な相談がありまして、招集させてもらいました」

 全員が唾を飲み込む。

 ゆっくりと息を吸う。

 だが、大体何を言いたいかは分かっているはずだ。

 俺は指を使って、音を鳴らす。

 「パチンッ」と言う指の音。それを合図に俺の隣に魔法陣が現れる。

 現れたのは、誇り高きエルフ。大魔術師アルスラール・フェルトガードである。

「皆様。本日はお集まりいただき、ありがとうございます」

 綾人を除いて、全員が驚いて声が出ない。

 それはなぜか。

 生まれて初めて、魔法というものを体験したからだ。

 魔法、魔術を体験したものは、必ず、皆が驚く。これは人類の技術では証明できないものだから。

 人類ではそこに辿り着くことができない存在だから。



「さて、前置きはここまでにして、本題に移らせてもらいます」

 彼女は、戦闘時のような凛々しい表情を、作り出す。

「私と、死と隣り合わせの魔の地。ダンジョンを攻略してもらえませんか?」

 全員が、やっぱりか。と言う顔をする。予想はしていたんだろう。

 場が硬直する。時が止まったかのような空間。誰1人として動くことはない。

 だが、この雰囲気でも、動ける者はいた。それは、2年生のカシナス・ドトールだ。

 後衛の成績優秀者だが、遠距離の攻撃が得意という訳ではない。

 後衛は、後ろからの援護をするだけの役職ではない。

 よく見える、後ろからの状況把握、それを伝える指揮能力も大事なのだ。

 カシナスさんは、後者が全生徒の中で最もうまい。

「…色々と聞きたいことがあるんですけど、まずは攻略する理由が聞きたいです」

 メガネをクイっと上げるカシナス。

「…の世界を……」

「ん?もう一度」

「この世界を、元に戻すためです」

「元に戻す、ですか。300年前の姿に戻すと言う事で合っていますか?」

「そうです。この世界からダンジョンをなくします」

「300年続く問題を解決する。素晴らしい事だと思いますが、可能なのですか?」

「それを説明するには、ダンジョンについて知ってもらう必要があります」

 彼女はそう言って、前に言ってくれたような説明をする。

 ダンジョンには魔力を増やすアイテムがある事。自分のミスでダンジョンが転移してきた事。そしてダンジョンの大まかな内部構造。

 ミスを説明している時は、なんか。うん。気まずそうにしててやばかった。

「大体分かりました。300年前に起きた事。それを戻す"責任"を」

「あはは……」

 


 質問も終わり、もう一度、全員に問う。

「ダンジョンを、攻略してもらえませんか?」と。

 みんなは、口を揃えて言う。

「もちろん」と。

 その言葉は、全員覚悟を持ち、言い放った言葉だ。嘘偽りなどない。心の奥底から言っている。

 彼女はそのことが分かっているのだろう。

 少し、目に涙を浮かべる。



「一度、ルトに変わって話させていただく。一応自己紹介しておく。剣堂響つるぎどうひびくだ。目標階層は15層、第2のセーフポイントを目標とする。何か質問はあるか?」

 シーンとした空気の中、手を挙げたのは、前回とは違う人だ。カシナスさんではなく、ナイトユアン先生だ。

「1回目の挑戦でそこまで進んでいいですか?300年で到達できたのは3層までです。10層にはさらに強いモンスターがいるのでしょう?魔術師様がいるとしても難しいのでは?」

 確かにそうだ。人類の叡智を駆使して、部隊を派遣。それによりなんとか3層まで攻略することができたのだ。

 問題の核心を突いた質問に、心が震える。

 だが、ここは自信を持って答える。

「ええ。ルトでも厳しいでしょう。ですが、俺たちがいます!ここはなんの学校ですか?!戦いの専門学校です!そこにいる俺たちが、ダンジョンで戦えなければ意味がありません。難しいとしても、それを越えなければならないんです」

「……確かにそうですね。余計な事を言ってすみません。次に行きましょう」

 先生は、頭を下げて謝罪をする。

 なんだろう。すごい悪い事した気分だ。



 話終わった時、ルトが泣き止み話を続ける。

「私も自己紹介がまだでした。アルスラール・フェルトガードです。アルスラールとお呼びください」

 (ルト呼びはダメなんかい!)

 俺がそう心の中で叫ぶ。

「私はエルフ、魔術師としての誇り。そしてこの世界の最高戦略として、ここに命を賭け、ここに集う仲間を生きて返すと誓います。みなさん、私を…信用してください」

 こんなルトの姿は見た事ない。

 綺麗だ。

 引き込まれる。

 魔術や魔法ではない。彼女のカリスマ性によるものだろう。

 太陽に反射する長い髪の毛。

 全てを虜にするような手や指の流れるような動きに俺らは目が釣られる。

 そして、彼女の誓いに、俺らは全信頼を彼女に託す。そう思うほどだった。

 誓いを立てたルトの体から、彼女の青い瞳と同じ色をしている魔力が彼女が首にかけていた、赤い宝石から出てくる。

 なんか不思議な感じだ。赤い宝石から青い魔力。

 これは祝福と言うものらしい。

 傷を治す魔法。疲労を少なくする要素もあるらしい。

 



   ダンジョンまで残り1ヶ月

 ちなみに、推薦しようと思っていた2人。マジラさん、アルダーさんは作戦には参加しない事になった。

 俺らは残り1ヶ月、戦略を練る。

 ルトと、指揮官であるカシナスさんを中心に、話が進んでいく。

 ここで一度、メンバーの役職を確認しておこう。

 

 前衛

 響 ナイトユアン 回蘭


 全体サポート

 ルト


 後衛

 綾人 カシナス エルファルド



 という感じだ。

 正直、ここまで人が集まるとは思っていなかった。

 本当に感謝する。

人物紹介2

・アルスラール・フェルトガード 女 

元の世界では、大魔術師として尊敬されていた。だが、自分のミスにより、今の世界へダンジョンと共に転移してきてしまった。様々な魔法、魔術を使えるが、得意としているのは爆破魔術。その気になれば、日本を破壊できる。最近、目をミスで色が違くなった。右目が青、左目が水色になり、左目では、色の違いが分からなくなった。



趣味は魔法、魔術の開発。

最近魔剣を作る魔法を作り出した。

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