26.レベル が あがった !
数日忙しく更新ができませんでした…
これからまた毎日投稿できるよう頑張りますのでよろしくお願いします。
夕食は特に何事もなく終わった。普通にうまい飯をいただきました。
さすがに奴隷と同席はまずいんだろうなと思っていたがウェルズは意外にもその辺は気にしていないようでマオもタマキも一緒に食事をとっていた。
奴隷の扱いがいいのか悪いのかこの辺でも読めないやつだった。
食事を済ませた後はそれぞれが部屋に戻り俺たちは明日の依頼の準備をしていた。
「装備は買ったばかりだから点検は最低限でいいな。問題はアイテム類だなぁ…」
夜須たちに全て置いてきたので回復ポーションすらない。
「タマキの魔法を頼りにするのは危ないよなぁ。今日使えるようになったばっかりだし」
「ごめんなさい…」
「あ、いやこっちこそごめん。今日教えたのに使えてる方がすごいんだから。普通は使えないからな」
しゅんとしたタマキを慌ててフォローして頭を撫でてやる。タマキの機嫌が斜めった時は頭撫でときゃいい気がしてきた。
そんな雑に接するつもりはないが。
「明日行く前に少しだけ買っていくか。俺の分はいいけどマオの分は必須だな」
初戦闘で怪我しない方がありえないしな。当人はナタリアのしごきに疲れたのかすでに寝ていた。こいつ1人でベッド1つ占領して大の字で寝やがって。
一応主人だぞ俺。なんかなめられてる感が否めない。こいつを奴隷にしたときはなめられたら終わりとか思ってたのに。
「まぁこんなもんかな。タマキ、俺も寝るからお前もそろそろ寝なさい」
「キョウスケ様はどこで寝るの?」
ベッドに寝るようにタマキを促すと俺の寝場所を聞いてきた。もちろん床だ。昨日は不可抗力で一緒に寝たがさすがに今日は一緒に寝る理由はない。
「一緒に寝たい…昨日すごく安心して寝られたから」
この子ずるい。かわいいがすぎる。けどまたウェルズに見られたら今度こそ言い訳ができないような気がする。
「いや、疲れてるだろ?そこに遠慮すらしないで寝てるやつを見習ってゆっくり寝ていいぞ?」
「キョウスケ様と一緒がいいの」
上目使いはずるいですタマキさん。子供ってだけでかわいいのずるいよなぁ。
ねだられると勝てない俺だった。
「……わかった。じゃあそっちの奥に詰めてくれ」
間違ってもベッドから落ちないよう壁際にタマキを寝かせた。
「やった!キョウスケ様はやくはやく」
この子そのうち小悪魔というかそんな感じになるんじゃなかろうか。
適当に流しつつタマキを寝かしつける。マオよりも小さい子だ、疲れも大きいのか横になるとほどなくして眠りに落ちていた。
俺も昨日今日の激動で疲れていたのかすぐにまぶたが重くなってくる。抵抗する理由もないので眠気に身を任せた。
****
「さて前方に見えますのが討伐対照でございます」
俺たちは準備を整えて依頼に指定されている林近くまで来ていた。王都は割と整備されているのでここまでくるのにも結構な時間がかかるため朝は早かった。
目の前にいるのは数匹のスライム。弱い魔物だが地味に厄介な魔物だ。顔にまとわりつかれると窒息死する。どこぞの勇者のゲームみたいにたいあたりだけしてくる優しいやつではない。
「じゃあマオ、行ってこい」
昨日の宣言通りナタリアも俺のパーティについてきていた。この程度の依頼についてくるとは思わなかったので理由を聞いたところマオの指導をしたいんだとか。
随分と気に入られたなぁ。
マオはナタリアの1声でスライムに駆け出していた。昨日はタマキにつきっきりだったので槍捌きをしっかりと見るのは初めてだったが結構様になっている。
「どうだ、筋がいいと思わないか?」
「そうだな。棒術を持ってるからもしかしたらと思っていたがここまでだとは思ってなかった」
油断さえしなければ負けることはない魔物だが初陣のわりに的確に処理している。戦闘センスも悪くなさそうだった。
「終わったぞ」
感心して見ているとマオがスライムを無事倒し終わって戻ってきた。スライムは核を潰してしまうと水みたいになってしまうので素材とかを回収することはできないので基本放置なのだ。
「お疲れさん。よく動けてたな」
「スライムくらいなら余裕だっての」
そう言って得意げに胸をはる。
「たしかに動けていたがそれだけだぞ。動きに無駄が多いし昨日教えた基本が疎かになっている。今日は帰ったら復習だからな」
ナタリアは納得できなかったようで帰ってからの特訓を決意したようだ。それを聞いたマオは若干顔がひきつっている。
「どんどんしごいてもらえ。強くなるといいことあるかもしれんぞ」
なにがあるかは知らんけどな。だがウェルズからまともな仕事を回されるようにはなるだろう。
「さて次はキラーラビットだな。ここから少し行ったところに出るらしいから移動するぞ」
「はいっ!次は私も頑張ります!」
タマキは気合を入れて俺についてきた。
「はりきるのはいいけど転んだりしないようにな」
「転ばないもん!そんなに子供じゃないです!」
いや、子供じゃん。けど背伸びしてる子供ってかわいいよね。
ほどなくして何体かのスライムに遭遇したのではりきっているタマキに魔法で攻撃させてみた。
万が一にも怪我をさせるわけにはいかないので俺が前衛にいたが所詮スライムなのでノーダメージである。
「えいやっ!ふぁいあぼーる!」
魔法の名前を言う必要はないが慣れるまではイメージを明確化するために口に出すことは大事だったりする。慣れてくると無言でぽんぽん打てるようになるらしい。
神城は簡単にやっていたが俺は相当苦労した。それもできるのは火属性だけだというのに。
タマキの魔法は精度はまだまだだがしっかりと発動できている。昨日の今日でちゃんと発動できているのだ。それだけで十分だろう。
『レベルアップしました』
道中に出た3体目のスライムを倒した時点でレベルアップアナウンスが流れた。
基本的にアナウンスは対象となる人間にしか聞こえないので本人が申告しないとわからないのだ。しかし、俺が聞こえたアナウンスは3重になって聞こえてきた。
「キョウスケ様!私レベルが上がったみたい!」
「俺も上がったぞ」
「俺もだな」
つまりは俺の他にマオとタマキのレベルアップアナウンスが俺にも聞こえていたらしい。これは奴隷契約しているからだろうな。
それにしてもスライム10体いかないくらいしか倒していないのにレベルアップって早すぎないか。タマキは戦闘経験がないだろうから上がりやすいのはわかるけどマオはある程度成長しているし俺に関しては勇者として魔物と戦っていたのだ。スライム程度でレベルアップするわけがない。
しかしステータスを確認すると確かにレベルが上がっている。
「ん?」
スキル欄に目を通すと違和感に気付いた。
スキル
剣術Lv1 弓術Lv2 索敵Lv3
火属性魔法Lv1 風属性魔法Lv1 支援魔法Lv2
言語理解Lv5 鑑定Lv3
ユニークスキル
隷属化
隷属支援
これが俺のもともとのスキル構成だ。しかし今確認したスキルは
保有スキル
剣術Lv2 弓術Lv3 索敵Lv3 棒術Lv1 槍術Lv1
火属性魔法Lv2 風属性魔法Lv1 支援魔法Lv3 光属性魔法Lv1
言語理解Lv5 鑑定Lv4
ユニークスキル
隷属化
隷属支援
スキルレベルが上がっていた。まぁ熟練度が一定に達していた可能性があるのでそれはまだいい。
気になるのは棒術スキル、槍術スキル、光属性魔法を獲得していることだ。
スキルは基本的に槍術であれば槍を本人が扱わない限り手に入らない。俺は一度も槍毛も棒も扱っていない。
それなのにスキルを獲得している。さらには光属性魔法まで獲得しているのだ。
俺には魔法センスはまったくない。適正属性に光もなかった。にもかかわらず獲得できている。
「なんだこれ……」
「キョウスケ!すごいぞ!レベルが1上がっただけなのにすごく強くなった気がする!」
「私も!魔力がさっきまでよりすごく扱いやすくなった気がするよ!」
2人のステータスを確認する。ただ1レベル上がっただけではありえない数値の上がり方をしていた。
「どうなってんだ…?」
俺がこの世界に来た時からさっきまでで得た常識というか知識の前提が崩れていた。
「どうしたキョウスケ?レベルがあがったのはいいことだろう。なぜそんな険しい顔をしている?」
「あ、いや、なんでもない。2人ともレベルアップおめでとう。ただ気を抜かずに探索を続けるぞ」
「おー!」「おう!」
2人はいい返事で先を進むナタリアについて行った。俺は今起きたレベルアップによる現象で頭がいっぱいだった。




