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ASTRAEON VELORIA――銀河を旅する自由傭兵――  作者: Ren Hazumi


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【第113話】「自分で選ぶ医師」

【第113話】「自分で選ぶ医師」


ヴェルドラコン帝都――公爵家医療居住区 → アストレオン・ヴェロリア


セレネがユーフォリア医療研究所を出てから、そう時間は経っていなかった。


緊急呼び出しではない。


診察の依頼でもない。


オーレリアの容体に関する更新でもなかった。


ただ、彼女の個人端末に正式な通知が表示された。


セレネは廊下の途中で足を止めた。


送信者を一度読む。


そして、もう一度。


ヴェイリエン公爵家


その下には、短い一行が表示されていた。


正式な専門職任用提案


セレネは小さく息を吐いた。


「こんなに早く?」


彼女は文書を開いた。


乱暴な言葉はない。


露骨な圧力も見当たらない。


むしろ、その逆だった。


提示された条件は、非常に整然としていた。


オーレリア・ヴェイリエンの専属担当医としての常任職。


公爵家医療施設へのアクセス。


公爵家の影響下にある病院ネットワークへのアクセス。


研究資金。


医療助手。


専用研究室。


公爵家と提携している複数の医療機関へのコンサルティング権限。


そして当然――


一般的な独立医師より遥かに高い給与。


セレネは最後まで読み進めた。


しかし、すぐに喜びを感じることはなかった。


むしろ、それこそが最も気になった。


この提案は、あまりにも良すぎる。


金銭的な意味ではない。


提示されているものすべてが、理にかなっているからだ。


公爵家の政治的利益に従え、と露骨に書かれた一文はどこにもない。


それでもセレネは、医療の世界で十分長く働いてきたからこそ知っていることがあった。


支配は、必ずしも命令という形でやって来るわけではない。


時には――


断るにはあまりにも快適な環境という形でやって来る。


セレネは端末を閉じた。


そして、もう一度開いた。


再び読み直す。


文書の最下部に、一文があった。


役職:上級医療コンサルタント――ヴェイリエン公爵家


セレネは数秒間、画面を見つめた。


「上級医療コンサルタント……」


その言葉の重みを確かめるように呟く。


そして、口元がわずかに動いた。


「悪くない」


確かに、悪くない。


問題は、だからこそだった。


あまりにも合理的なのだ。


受け入れれば、生活はずっと楽になる。


患者を探す必要もない。


契約を一件ずつ処理する必要もない。


研究資金について悩む必要もない。


研究設備を利用するために、あちこちの医療機関を渡り歩く必要もない。


公爵家なら、そのすべてを用意できる。


そしてオーレリアには、自分の身体状態を理解している医師が必要だ。


専門職として考えれば――


すべて筋が通っている。


セレネは端末を消した。


だが、思考は止まらなかった。


少し前の会話を思い出す。


患者データについて。


自分の身体に対する権利について。


権力を持っているというだけの理由で、越えてはいけない境界線について。


そして、ツムギのことを思い出した。


顔ではない。


戦闘中にアストレオン・ヴェロリアを指揮していた姿でもない。


頭に浮かんだのは、ただの簡単な言葉だった。


「船のアクセス権を与えるんじゃない。患者に関係するものへのアクセス権を与える」


演説でもなかった。


自分を道徳的に見せようとする素振りもなかった。


ただ、境界線を決めただけだった。


セレネは端末をバッグへ入れた。


「だったら……」


彼女は振り返る。


「……私も、自分自身の境界線を決めないとね」


それからしばらくして、セレネは再び公爵家の医療相談室へ向かった。


そこはユーフォリア医療研究所よりも、はるかに格式ばった空間だった。


壁には白灰色の素材が使われ、その角には細い金色のラインが走っている。


派手ではない。


だが、そこにいる誰もが、この場所が一般の診療所ではないと理解するには十分だった。


部屋の中央には長いテーブル。


その向かい側には、50代ほどの男性が座っていた。


公爵家の正式な服装。


派手な装飾を身につけた貴族ではない。


むしろ簡素だった。


暗色のスーツ。


胸元には小さな家紋章。


こめかみには、白髪が混じり始めている。


セレネが入室すると、男は立ち上がった。


「ドクター・アルカディア」


「こんにちは」


「お越しいただき、ありがとうございます」


セレネが座る。


男も腰を下ろした。


「私はマルセラス・ヴェイリエン。公爵家のいくつかの行政業務を担当しております」


セレネは頷いた。


「提案書は読みました」


「ぜひ、真剣にご検討いただきたいと思っています」


「検討しています」


マルセラスは微笑んだ。


「それだけでも十分です」


セレネは彼を見る。


「かなり充実した提案ですね」


「ええ」


「専用研究室、病院へのアクセス、研究資金、それに常任職」


「その通りです」


「そして、患者に対する専門的な判断権は、私が保持する?」


マルセラスは一瞬だけ言葉を止めた。


「その判断が、公爵家の安全保障上の利益と矛盾しない限りは」


セレネは黙った。


ついに、その言葉が出てきた。


もう隠されてはいない。


「安全保障上の利益」


「ドクター・アルカディア。オーレリア様は公爵令嬢です。この7か月間に起きたことを考えれば、安全保障上の要素を無視することはできません」


「理解しています」


「もちろんでしょう」


「ですが、この提案はオーレリアだけの問題ではありません」


マルセラスは答えなかった。


セレネは端末を再び開いた。


「この契約では、私は公爵家の医療体制の一部になります」


「はい」


「つまり、私の医療報告は公爵家のシステムへ入る」


「行政上および安全保障上の必要性のためです」


「その情報がオーレリアの生体状態に関するものであっても?」


「必要であれば」


セレネは端末を閉じた。


「では、その『必要』を誰が判断するんですか?」


マルセラスは彼女を見た。


「公爵家には内部規定があります」


「誰が判断するのかを聞いています」


部屋が少しだけ静かになった。


やがてマルセラスが答える。


「公爵家医療責任者です」


「ヴェイリエン公爵家の下にいる?」


「行政上は、そうなります」


セレネは頷いた。


怒りは表情にない。


傷ついた様子もない。


ただ、必要な答えを得た。


「分かりました」


マルセラスは少し身を乗り出した。


「ドクター・アルカディア。別の側面から見ていただきたい。我々は、あなたの医療行為を支配しようとしているわけではありません」


「ですが?」


「オーレリア様を担当する医師には、彼女が普通の患者ではないことを理解していただきたい」


セレネは小さく笑った。


「知っています」


「それで?」


「だからこそ、彼女を政治的な患者として扱うことはできません」


マルセラスは黙った。


セレネは続ける。


「オーレリア様に神経学的検査が必要なら、私は神経学的検査をします」


「代謝状態のモニタリングが必要なら、それを行います」


「治療が必要なら、治療をします」


彼女は両手をテーブルの上に置いた。


「でも、身体の状態によって医療上の判断を下さなければならない時、最初に考えるのが彼女の父親が誰なのか、ということにはしたくありません」


マルセラスは、しばらく彼女を見つめた。


「非常に理想主義的な立場ですね」


「いいえ」


セレネは首を横に振る。


「医師としての立場です」


答えは簡潔だった。


声を荒らげたわけでもない。


挑発したわけでもない。


だからこそ、反論しにくかった。


マルセラスは息を吐いた。


「もし断られた場合でも、オーレリア様の診療を続ける意思はありますか?」


「オーレリア様が私を必要とし、そしてご本人が私を主治医として望むのであれば、もちろんです」


「独立した医師として?」


「はい」


「公爵家の医療設備なしで?」


「利用できる設備で仕事はできます」


「研究資金なしで?」


「別の資金源を探します」


「公爵家の庇護なしで?」


セレネは薄く笑った。


「公爵家が私の名前を知る前から、私は医師として働いていました」


マルセラスはすぐには答えなかった。


やがて背もたれに身を預ける。


「このような立場が、二度も提示されることは滅多にありませんよ」


「分かっています」


「それでも断るのですか?」


セレネは彼を見る。


「はい」


答えに迷いはなかった。


劇的でもない。


その必要もない。


マルセラスは息を吐いた。


「では、あなたの決定を報告します」


「ありがとうございます」


セレネが立ち上がる。


しかし、扉へ向かう前にマルセラスが呼び止めた。


「ドクター・アルカディア」


セレネが振り返る。


「はい?」


「私は個人的には、あなたの決定には賛成できません」


「分かります」


「ですが、尊重します」


セレネは微笑んだ。


「それなら、問題はありませんね」


扉が、彼女の背後で閉じた。


セレネは、そのまま自分の住居へ戻ることはなかった。


代わりに、1通のメッセージを送った。


公爵家ではない。


病院でもない。


医療関係の同僚でもない。


数時間前に、非常に簡単な答えをくれた相手へ。


ツムギ。


メッセージは短かった。


«公爵家からの提案について、決めました。»


数秒後、返信が来る。


早かった。


«常任職か?»


セレネは微笑んだ。


«はい。»


しばらく返信はなかった。


そして――


«受けた?»


セレネは入力する。


«いいえ。»


返信は、ほとんど間を置かずに届いた。


«了解。»


セレネは画面を見つめた。


「短すぎない?」


もう一度入力する。


«理由を知りたくないんですか?»


次の返信。


«それは君の決定だ。»


セレネは黙った。


そして、小さく笑う。


「確かにね」


端末をバッグへ入れる。


だが、数歩進んだところで新しいメッセージが表示された。


«君の仕事に関する決定なら、俺が決める必要はない。»


セレネはその一文を二度読んだ。


助言はない。


説得もない。


彼女が何を得るはずだったのかについての質問もない。


ツムギは、ただその決定を本来の持ち主へ返した。


セレネは足を止めた。


そして入力する。


«だからこそ、落ち着いて決めることができました。»


三つの点が表示される。


消える。


また表示される。


そして、メッセージが届いた。


«それなら、よかった。»


セレネは微笑んだ。


«これからもアストレオン・ヴェロリアとは協力していきたいと思っています。»


«分かってる。»


«そして、あくまで専門職同士の関係であることも、明確にしておきたいです。»


«どういう意味だ?»


セレネは答えた。


«私は乗員ではありません。

私はあなたの専属医でもありません。

あなたの組織の一員でもありません。

私は、これからも独立した医師です。


ただし、正当な研究、医療相談、あるいは本当に協力が必要な症例があれば、あなたに連絡できる関係でいたいと思っています。»


数秒。


そして――


«できる。»


セレネは画面を見つめた。


«それだけ?»


«他に何かあるか?»


彼女は笑った。


「本当に、この人は……」


最後のメッセージが表示される。


«俺たちの航行を邪魔しない限り。»


セレネは、とうとう本当に笑った。


「ちゃんと覚えてたんだ」


アストレオン・ヴェロリア――グランドサロン


ツムギは端末を下ろした。


グランドサロンのソファの一つに座っている。


会議はない。


ブリーフィングもない。


戦闘画面もない。


目の前にあるのは小さなテーブルと、冷めかけた一杯のコーヒーだけだった。


数メートル離れた場所にはレアが座っている。


ツムギの表情を見た瞬間、狐耳がぴくりと動いた。


「船長」


「ん?」


「どうして笑ってるの?」


「笑ってない」


「笑ってる」


「気のせいだ」


レアは目を細めた。


「セレネさん?」


ツムギが彼女を見る。


「気になりすぎだろ」


「じゃあ、やっぱりそうなんだ」


テーブルの上で小さなモジュールを点検していたカリスタは、顔を上げない。


「人の会話を盗み聞きしたいなら、せめてもう少し分かりにくくやりなさい」


「盗み聞きじゃない」


「質問してるでしょう」


「それは盗み聞きじゃない」


端末で費用報告を確認していたランも口を挟む。


「定義上、それは確かに盗み聞きではありません」


レアが満足そうに笑った。


「ほら」


ランは続ける。


「ただし、社会的には十分迷惑です」


レアがランを見る。


「どっちの味方なの?」


「私は、夕食を食べる時くらいあなたたちの言い争いを聞かずに済ませたいだけです」


窓の近くに座っていたヴェスペラは、ただ微笑んでいた。


ツムギはため息をつく。


「セレネが公爵家の提案を断った」


レアの耳が立つ。


「常任医師の話?」


「ああ」


「それでも私たちとは協力してくれる?」


「そうだ」


カリスタがようやく顔を上げた。


「乗員として?」


「違う」


「それならいい」


レアが眉を寄せる。


「どうして?」


カリスタは小型診断装置でツムギを指した。


「乗員になったら、あなたが食事を用意しなきゃならない人数が増えるでしょう」


ツムギは彼女を見る。


「理由、それ?」


「十分な理由よ」


ランが頷く。


「財務的には、彼女が正しいですね」


レアが振り返る。


「どうしてみんな、すぐ食事の話になるの?」


ヴェスペラが静かに答えた。


「アストレオン・ヴェロリアの有機食は、とても美味しくて贅沢だからです」


レアが笑った。


ツムギはコーヒーを手に取る。


もう冷めていた。


彼はしばらくカップを見つめる。


そして口を開いた。


「セラフィエル」


「はい、ツムギ」


「出航許可まで、あとどれくらい?」


テーブル脇の小型端末にセラフィエルが表示される。


「事後審査はまだ継続中です。ただし、許可が拒否される兆候はありません」


「つまり?」


「まだ待つ必要があります」


ツムギはため息をついた。


「いつも通りか」


レアが身を乗り出す。


「船長」


「何?」


「ここを出たら、本当にもう戻ってこない?」


ツムギは彼女を見る。


「契約がなければな」


レアは笑った。


「よかった」


カリスタは再びモジュールに視線を戻す。


「それと、ヴァルキリーの点検を忘れないで」


レアは即座に呻いた。


「分かってる」


「設計限界を超える負荷を、アクチュエーターの一基にかけかけたでしょう」


「かけかけてない」


カリスタがレアを見る。


「レア」


「……ちょっとだけ」


ツムギは、その会話をそのまま見守っていた。


数日ぶりだった。


グランドサロンに、再び家のような空気が戻ってきたのは。


指揮所ではない。


避難場所でもない。


帝都への襲撃を、たった今のように止めたばかりの船でもない。


ただ、一緒に暮らす者たちが食事をし、話し、言い争い、互いに干渉する。


そんな場所だった。


だが、セラフィエルの個人端末の一つには――


新しいステータスが追加されていた。


専門医療協力


外部医療専門家: セレネ・アルカディア

関係: 独立医療連絡先

研究アクセス: 個別審査

患者データ: 同意必須

緊急医療通信: 利用可能

契約雇用: なし

恒久乗員資格: なし


セラフィエルは、そのステータスを確認した。


そして、わずかに微笑んだ。


システムが変わったからではない。


むしろ――


合意された境界線に従って、システムがそのまま維持されているからだった。


公爵家医療居住区


セレネは執務室へ戻った。


医療端末が起動する。


彼女は、夜になる前に処理しなければならない報告書を一つずつ開いていく。


オーレリア。


低温睡眠後のモニタリング。


神経学的観察。


代謝反応。


睡眠サイクルデータ。


すべて、いつもの仕事へ戻っていく。


新しい役職はない。


新しい執務室もない。


公爵家との契約に署名したわけでもない。


昨日までと同じ医師だった。


ただ、一つだけ小さな変化がある。


彼女の専門連絡先一覧に、新しい項目が追加されていた。


アストレオン・ヴェロリア


セレネは詳細を開く。


医療協力――有効


数秒間、画面を見つめる。


そして端末を保存した。


「このほうがいい」


アストレオンが、遥かに高度な医療技術を持っているからではない。


ツムギが、これまで見た中で最大の宇宙船の船長だからでもない。


帝都の外で生きることに興味があるからでもない。


理由は、もっと単純だった。


セレネは、医師であることと、誰かの政治に組み込まれることのどちらかを選びたくなかった。


医師であり続けたい。


そして今――


それができる。


その時だった。


執務室の扉が開く。


公爵家の職員が入ってきた。


「ドクター・アルカディア」


「はい?」


「別の報告をお持ちしました」


セレネは端末を受け取る。


「これは?」


「オーレリア様の警護任務に関する配置要請です」


セレネは開く。


視線が、いくつかの行政項目を順に追っていく。


警護専門員――カイラ・ドレイヴェン


セレネの手が止まった。


「カイラさん?」


「はい」


「常任配置?」


「まだ決定ではありません」


セレネは文書をさらに読み進める。


カイラには、オーレリアの警護部隊への常任配置を検討するよう求められていた。


理由は明確だった。


戦闘経験。


忠誠心。


規律。


状況判断能力。


そして――


輸送船団の防衛に関与した際の報告。


セレネは文書を閉じた。


「今度は彼女の番なのね」


職員が頷く。


「この提案を伝えるための指示はありますか?」


「すでに伝達済みです」


セレネは、先ほど閉じられた扉を見つめる。


そして再び医療端末へ視線を戻した。


しかし、ほんの一瞬だけ思考がアストレオンへ戻る。


あの船には、ただ一人の船長がいるだけではない。


民間施設とは比較にならないほど高度な、どこか異常なほど進んだ医療システムがあるだけでもない。


あの船には、別の生き方がある。


誰も、無理やり船の一員にされない。


与えられた機会だからという理由だけで、何かを受け入れる必要もない。


セレネは薄く笑った。


「だから、戻りたくなる人がいるのかもしれない」


帝都の別の場所では――


一通の正式なメッセージが、カイラ・ドレイヴェンの端末へ向かっていた。


そこに記されているのは、単なる警備報告ではない。


一つの提案だった。


公爵家保安局・常任配置提案


候補者として、カイラの名が筆頭に記されている。


しかし、文書の最下部には追加の注記があった。


追加専門協力審査:アストレオン・ヴェロリア


カイラは、その一行を読む。


視線が止まった。


そして――


戦闘が終わって以来、初めて。


彼女は、数日前まで単なる傭兵の移動手段だと思っていた巨大な船について、もう一度考え始めた。


アストレオン・ヴェロリア。


そして、その船長。


星崎紬。


カイラは文書をさらに開く。


「興味深い」


窓の外では、帝都の軌道光が絶え間なく流れていた。


外交船。


貨物船。


シャトル。


保安巡回艇。


民間船。


すべてが、それぞれの目的地へ向かっている。


その中にいる人々もまた、同じだった。


それぞれの道へ進んでいる。


セレネは、自分自身の道を選んだ。


そして今――


カイラもまた、同じことをするのか決めなければならない。


【NEXT BAB 114――「Security Specialist」】


カイラには、公爵家の警護部隊に留まるための常任配置が提示される。


しかし、ツムギがアストレオン・ヴェロリアを指揮し、レア、セラフィエル、そして他の乗員たちと共に行動する姿を見たことで、彼女はアストレオンとの専門的な関係を検討し始める。


従属するためではない。


公爵家の一員になるためでもない。


一人の警護専門員として、あの船をもっと近くで理解したい。


そのために――


カイラが求めるのは、もっと単純なものだった。


模擬警備訓練。


【第114話へ続く……】

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