ep:14
「ぜぇ…ぜぇ…!」
北斎とゲルドはグリフィンからの狂爪を逃れながらひたすら走る!
「もぅ…限界…」
ガァアン!
グリフィンの爪と槍が激突する。
「師匠!」
「助かった!」
体制を整えエレンに加勢するゲルド。
刃と槍と爪が激しくぶつかり合い火花を散らす。
大きく息を整え叫ぶ北斎。
「暫し、刻が欲しい!いいか!殺すなよ!」
「んな、無茶な!」
目を閉じ、大きく深呼吸を繰り返し呼吸を整える。
カッと目を開き地面に大きな絵を描き始めた。
墨の着いていない大きな筆で力強く描く。
次第に周囲の色が、音が、そして刻までも止まっているかの様に。
「何?あの雲…」
グェンが呟き、皆が空を見上げる。
村全体を覆う不気味な暗雲が立ち込める。
「獣がダメなら神ならどうじゃ?」
北斎がニヤリと笑う。
その笑顔の裏にただならぬ予感を感じグリフィンは斬撃を放ち北斎を襲う。
「師匠!」
蹌踉めきながらも地面を強く踏み締め、ニッと笑って見せる北斎。
「さぁ!とくと御覧じろ!」
北斎の血が滴り、絵をなぞって広がって行く。
一筋の雷が北斎に落ちる。
「師匠!」
「北斎!」
土煙が舞い異様な影が薄っすらと浮かび上がる。
周囲に雷を纏わせ。
雷鳴が轟く。
そして、影が天高く舞い上がり、暗雲の中へ。
暗雲も次第に雷を纏っていく。
ゴォオン!
複数の雷が北斎達の周囲に落ちる。
エレンとゲルドはグリフィンから目を離さないまま北斎に近寄り周囲を警戒する。
グリフィンも異常な現象に戸惑い空へ舞うため翼を広げる。
その時。
大きな雷がグリフィンを貫く。
怯みはしたが敵意を暗雲へと切り替える。
暗雲の中から雷神がゆっくりとグリフィンを見下ろす。
「空はもうお前ぇさんの独壇場じゃ無くなったな!」
北斎の満足そうな笑顔が嫌に不気味だ。
すかさずエレンが切り込み、ゲルドも応戦する。
空へ逃げようものなら雷がグリフィンを襲う。
しかし、どの攻撃も決定打にかける。
「殺すな!」北斎のこの一言が判断を鈍らせる。
グリフィンがしびれを切らした。
後ろ脚で立ち。
翼で巨大な竜巻を二本創り上げる。
そして、右の翼で竜巻を暗雲目掛けて放つ。
続けて左の翼の竜巻を放ち、すかさず斬撃を加える。
「器用だな…。」
とこぼす北斎。
「させるか!」
エレンが空高く飛び1つ目の竜巻を切る。
しかし、2つ目に放たれた竜巻がエレンを襲い、そのまま暗雲を撃ち抜く。
「きゃあ!」
「えれん!」
「任せて!」
ゲルドが飛び出し、エレンを空中で救出した。
その隙をグリフィンは逃さない。
嘴を大きく広げ二人を捕食しようとしたその時。
消えかかる雷神が最後の雷を投擲、命中した。
慌てて北斎が走り出し二人を地上で受け止めきれず、転んだ。
グリフィンは撃ち落とされ地面に付す。
「痛てて、大丈夫か?二人とも?」
「ありがとうございます…師匠。」
「北斎、格好悪い。」
尚も立ち上がろうとするグリフィンを見てエレンが構える。
「師匠…今なら討てます!」
「…。」
「師匠!?」
ドォン!
雷よりも軽い音が響いた。
「なんだ?」
「師匠!あれを!」
グリフィンに絡まる鉄の網。
そして、揺れる地面に覚えがある。
「あれか!」
鉄の箱、帝国軍のゲブィッターが北斎達の後方に迫っていた。
「動くな!」
一発の銃声と怒号が響く。
振り向くと、縄で縛られているフレイマン達。
「旦那、すまねぇ。」
「まさに、形勢逆転だな。」
不敵に笑うフォルク。




