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夏祭りの胸騒ぎ(7)

SFカテゴリーで『光と陰-織りなす夢に形』に、双子の美人をヒロインにして毎日投稿しています。

純文学のエッセイでも思ったことを随時投稿していますが、短編集も書いてみることにしました。

反応が強かった短編を長編にしていこうかなと思っています。これもまた宜しくお願い致します!


金曜日にオープンしたので、土日も109に見に行っていた。

やはり土日は初日より高校生でごった返している。

売れ筋もワンピースよりも棚物が伸びているようだ。

『これで一応順調な走りだしだな。

平日の夕方は大学生とOLを拾い、土日は地方からと高校生だな。』

土曜日は終日いたのだが、日曜も最後までいると休みがなくなるため

僕は昼で終わりにして、遅番で入ってくれたジュンにレジ閉めまでお願いすることにした。


レジに立って、店長の隣でショッパーに商品入れをしていると、

店の入り口に、なんと一ノ瀬さんの姿があった。

僕と目が合い、こっちにきてくださる?と言っているような目線であった。

「悪い、店長、そろそろ帰るね。午後はジュンが入るから何かあったら頼っていいからね。」

と言いその場を離れてそれとなく店の外に出て行った。


「やあ、久しぶりだね!あれから元気だった?」と様子を聞いてみた。

「あの時はすいませんでした。私恥ずかしくって・・・」

いつもより大人しく見えた。

「無事にタクシーで辿りつけたのかな?」

「はい、ありがとうございます。ご迷惑かけてしまって。なんか疲れていたからか

珍しく二日酔いになってしまいました。」

「一ノ瀬さんでもそんなことあるんだね?」と笑った。

「月曜日も調子が悪くて、社長にも言われたので、金曜日に飲みすぎたことを言ったのです。

そしたら誰と?とか、どこで?とか根掘り葉掘り聞かれてしまい・・・まさか石塚さんととは言えなかったので・・・

適当に答えたんです。そしたら、何故か怒り出してしまいまして・・・

それで、社長秘書なんだから自重しろって言われてしまったのです・・・」


「そうか。とりあえず僕とと言わなくてよかったよ。じゃ暫く大人しくしてないとね。」

「いやです!もうすでにストレスは溜まってしまいました・・・」

「今日は石塚さんのブランドが絶好調ってお聞きして、もしかしたら行けば会えるかもしれないと思い来てみたのです。」

「そうなんだ、わざわざありがとう!」

「あのー お昼はまだですか?」

「12時すぎてるから、そろそろ空いてきただろうから今から食べて帰ろうと思っていたんだ。」

「よかった!!ベストタイミングですね。じゃ、一緒にランチしましょう!」

と、いつもの一ノ瀬さんに戻っていた。


「いいねー!わかった。じゃどこがいい?」

「今日は会社の人がここを見に来るでしょうから・・・では明治通りを原宿方面に歩いて

とんかつ屋さんっていかがですか?」

「あっ、あそこね!いいねー じゃ行こうか?」


僕らはそのとんかつ屋に入った。

12時半を回っていたので、店内は空きがあったのだが、

辺りを見回し同じ会社の社員はいないかを確認した後に座った。

「あの日は無事家に着いた?」

「はい、運転士さんに住所を伝えたらちゃんと行ってくれました。ありがとう御座います。」

「代々木上原に住んでるんだね?」

「はい、社長のお付き合いで遅くなる時もあるので一人暮らししています。」

「じゃ自炊してるんだだね?料理はできるの?」

「もちろんですよ! 私料理得意なんです!」

といきなりテンションが上がった。


「へえー一ノ瀬さんって料理上手なんだね?何が得意なの?」

「そうですね、和食というよりはイタリアンとかの洋食系ですかね」

「まじ!僕はパスタ大好物なんだけど、そういったものも?」

「えっ、石塚さんパスタお好きなんですか? じゃ今度作ってあげますよ!」

「はいー?? それは君の家に行かないとご馳走にはなれないな〜」と言って無理無理的に笑った。


すると、数秒の沈黙があり、

「じゃ、週末にでもうちに来てください。男性はあげことがないんですが石塚さんならいいですよ・・・」

僕はそのお誘いに驚いてしまった。この子はいったい・・・

「なんで僕ならいいのかな〜?あまり男性ぽくない?実はゲイだったりして」とまた笑ってみせると、

「私、石塚さんの彼女はイギリス人って知ってますよ〜 社内では有名な話ですから。」

『そうなんだ!? 本社には滅多に行かないからそんなに広まっていたとは・・・しかし噂好きな会社だな。』

「わかった! 彼女がいるから安心ってことだね。じゃ今度お願いするよ。」と話題を変えようとした途端、

「では、来週末ちょうど空いているので来てください!いかがですか?」と間髪を入れず言ってきた。


その言葉に驚いて彼女の顔を見てみると今までにない真剣な面持ちであった。

『来週末ってバレンタインデーじゃないの!?なんか意味があるのか??』

「ねえ、一ノ瀬さん!それって本気で言ってる??」と問いただすと

「もちろんですよ!」と少しプンとした表情になっていた。

「君って面白い子だね。わかったよ。そんなに言ってくれるんだったら是非ご馳走になりましょう!」

「でも、土曜日がいいな。」と言って、都合が合わなければ『じゃ今度ね!』というつもりであった。


「土曜じゃダメです!」

『やっぱり、よかった〜』と一安心した。

「金曜の夜にお願いします!!」

「えっ金曜??だって帰って料理して、それを頂くとなると・・・僕、帰れなくなるよ!」

「では、お泊まりいただいても大丈夫ですよ。」と笑顔になって瞳がキラキラしていた。


『はあ??この子はいったい何者??』






小説のほうも是非トライしてみて下さい!

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