28 対峙
冷たい空気が牢屋に漂う中、あみは壁際に座っていた
エリナは彼女の隣で静かに眠っている
そんな時、鉄格子の外から足音が響き
無機質な扉がゆっくりと開いた
現れたのは、市長のハンツだった
彼の姿は堂々としており、その顔には薄笑いが浮かんでいる
視線があみに向けられると
その目には冷たく鋭い光が宿っていた
「人間のくせに、獣人たちの味方をするとは……愚かしいことだ」
市長が口を開くと、その声には嘲りが滲んでいた
「お前があの“親玉”の番だって?まったく、笑わせてくれるな」
あみはその言葉に反応しようと立ち上がるが
市長の鋭い目つきに一瞬圧倒される
しかし、胸の奥で湧き上がる怒りが彼女に力を与えた
「獣人だって人間と同じです!意思も感情もあって、言葉で伝え合うことだってできる!」
あみは市長の目を真っ直ぐに見据えながら言葉を放った
その声には恐れを感じさせない強い意志が込められていた
市長はあみの主張を聞くと、鼻で笑うように声を上げた
「同じだと?馬鹿なことを言うな。獣人はただの下等生物だ。そんなものが私たちと同じだと言えるのか?」
その冷酷な言葉に、あみの拳が強く握り締められた
しかし、彼女は感情に流されることなく
毅然とした態度で答えた
「彼らがどれだけ傷つきながら生きているか、あなたにはわからない!」
市長は少しの間沈黙した後、皮肉たっぷりの笑みを浮かべながら言った
「滑稽だな。お前のような人間が獣人たちに肩入れしているとは」
そして、彼は後ろを振り返り
「さあ、こいつを連れて行け」と護衛に指示を出した
護衛が鉄格子を開け、あみの腕をつかむ
エリナはその様子に目を覚まし、驚いたように叫んだ
「あみちゃん!」
振り返ったあみは、エリナに向かって力強い声で言った
「大丈夫、待ってて!必ず助けに来るから!」
その言葉に、エリナは涙を浮かべながらも小さく頷いた。護衛に連れられて歩き出すあみの背中を見送りながら、エリナの小さな声が部屋に響いていた。




