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しろのほう  作者: 焚(たき)
『好きだったはずの"ひとり"』
10/39

空っぽ

後の試合は記憶にない。

私は弱いから自分の試合も

直ぐに負けて終わったんだと思う。


頭の中がずっと騒がしかった。

疲れと、1人ぼっちの自分が惨めなのと、

先輩達にそんな私を知られたくないのと、

家に帰ったらどんな顔をしたらいいのかも。


私は無視をされてても大丈夫な風をしていた。

平然を装ってた。

それがまわりにバレてないのか分からないけど、

絶対知られたくなかった。

私を無視する人が部活外にも広がったら

どうしようとか、

夏休み明けてクラスでも居場所が無くなったら

どうしようとか。


そんな事を考えながら、

また30分かかる帰り道を歩いていた。

私の隣には行きと同じで誰も居ない空間が

できていたけど逆に誰とも話さずに

考え事が頭の中をぐるぐるしていた方が気楽なんだ。

そう思うことにした時だった。



「お疲れ様!」




珍しく前にいた2年生の2人組に話しかけられた。

私は先輩達には目をつけられていたが、

2人は私のことを嫌っているかは分からないが、

表立っては私に嫌味を言ったりしない先輩だった。


「お疲れ様です」


私は先輩達に話しかけられる事は

今まで1度も無かったので少し驚いたが、

微笑んで挨拶し返した。


「疲れたでしょ?」

「毎回大会の場所遠いもんね」


その後も先輩達は私に他愛ない話を

してくれた。

私も少し元気が出て、

一緒に話して途中まで帰った。

きっと私が1人浮いた存在な事を察しているような

そんな気がした。




駅の駐輪場に着いた時、

ふと話し声が聞こえてきた。




「絶対チクったよね」


「先輩に言うとか意味わからない」


「本当に被害妄想酷い」



晴れ間の見えた空に安堵していたのも束の間、

私は土砂降りの雨に打たれたような気持ちになった。


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