sweet.2 ツンデレられない彼女
僕の彼女は、どうやらツンデレになりたいらしい。
なりたい、というだけで……今まで一度も、ツンデレになれたことはないけれど。
「ゆ、悠人ッ!」
朝のホームルームが始まる少し前。
教室へ入ってきた篠宮朱音は、真っ赤な顔で僕の席まで歩いてくると、勢いよく机の上へ何かを置いた。
薄桃色の布に包まれた、小さな弁当箱。
朱音は胸の前で腕を組み、どうにか僕を睨もうとしていた。
もっとも、目が合った瞬間に視線を逸らしてしまったので、まったく睨めてないけど。
「これは、別に……っ、……私の手作り……だし」
「うん、いつもありがとう」
「っ、たまたま朝早く目が覚めたから作っただけで、別にあんたのために…………」
そこまで言って、朱音の声が止まる。
眉間に皺を寄せ、唇をきゅっと噛み締めながら、心の中で何かと必死に戦ってるみたいだ。
「朱音?」
「あんたのために作ったの!!」
顔を上げた朱音が、教室中に響きそうな声で叫んだ。
……結局、堪えきれなかったらしい。
「あんたに食べてほしくて朝五時半に起きたし! 悠人の好きな唐揚げも入れたし、卵焼きは三回失敗したけど四回目はちゃんと綺麗にできたのっ!! ……だからお昼に全部食べて、何がおいしかったか教えなさいよ」
「う、うん。ありがとう、すごく嬉しいよ」
「ほんと!?」
さっきまでの強張った表情が嘘みたいに、朱音の顔がぱぁっと明るくなる。
……けれど、自分が何をしに来たのか思い出したのだろう。
すぐに両手で頬を押さえ、恥ずかしそうにその場でしゃがみ込む。
「ああ、また失敗したぁ……」
「失敗なの? 美味しそうだけどな」
「そうじゃないもん!! 本当は『勘違いしないでよね、たまたま自分用に作ったのが余っただけなんだから』って、冷たく渡す予定だったの!」
「余ったにしては僕の好きなものばかり入ってるし、量的にも無理があると思うけど……」
「そこは悠人が察して合わせなさいよ!」
床にしゃがんだまま、朱音が僕の膝をぺしぺしと叩く。
そう、これはいつも通りの日常風景なのである。
どうやら、朱音はツンデレになりたいが、根っからの素直な性格が邪魔して上手くできず、しかも僕には素直に喜んでもらいたいらしい。
かなり難しい注文というか、わがままなところだけはちょっとツンデレっぽいけど。
「まあ、途中まではツンデレっぽかったよ」
「……ほんと?」
「『別に私の手作りだし』って言った時点で、いつも通りだって察したけどね」
「もうっ! 思い出さないでよばかー!」
勢いよく立ち上がった朱音は、恥ずかしさを誤魔化すように僕の肩を叩いた。
世間一般のツンデレといえば、照れ隠しの暴力がつきものというイメージだけど……朱音の暴力は優しすぎて、もはやじゃれ合いでしかない。
「……」
朱音は席へ戻る前にもう一度振り返って、小さな声で付け加える。
「……でも、本当に頑張って作ったんだからね」
朱音の素直な言葉に、僕は自然と微笑む。
「うん、わかってる。大切に食べるよ」
「ん……」
朱音は満足そうに頬を緩めたあと、早足で自分の席へ戻っていった。
背中からでも、耳まで赤くなっているのがよく分かる。
――そういえば、僕と朱音が付き合い始めてもう三か月になる。
恋人になる前から素直ではあったけれど、付き合い始めてからは以前にも増して、僕への好意を隠さなくなった。
そのこと自体は、とても嬉しい。
……ただ、朱音は小さい頃に読んだラブコメに出てくる、ツンデレヒロインに憧れてしまったらしい。
だから、毎日のようにツンデレらしきものへ挑戦しているけど……それが成功したことは一度もない。
◇
「悠人! これ食べてみて」
昼休み――朱音は当然のように僕の机の向かいへ椅子を持ってきて、腰を下ろしていた。
朝に渡された弁当箱を開けると、少し形の崩れた卵焼きと、唐揚げや色とりどりの野菜が綺麗に詰められている。
やっぱり、どれも僕の好きなものばかりだ。
朱音は箸で卵焼きを摘まむと、僕の口元へ差し出した。
「悠人、あ、あーん……」
「自分で作った弁当を、自分で食べさせてくれるんだ」
「だ、だって……どんな反応をするか、近くで見たいもん」
……いったい、ツンデレとは何だったのか。
「それじゃ、いただきます」
差し出された卵焼きを口に入れると、ふわっとした食感と、優しい甘さが口いっぱいに広がった。
「ど、どう……?」
「ん、すごくおいしいよ朱音」
「ほんとにっ!?」
「うん、今まで食べた卵焼きの中で一番好きかも」
「い、一番……」
朱音の口元が、みるみる緩んでいく。
机の下では足をぱたぱたさせながら、上半身だけは必死に平静を装っているものの、嬉しいのが丸分かりだった。
「良かった……朝から頑張った甲斐があったぁ……」
朱音が小声でそんなことを呟く。……が、距離が近すぎて全部聞こえてしまっている。
「ねえ、朱音」
「な、何よ……?」
「今日の昼は、ツンデレしなくていいの?」
「……っ、するわよ! ――そう、今のはあんたを油断させるための作戦ってやつよっ!!」
なるほど、忘れていたらしい。これも、僕たちにとってはいつものことだ。
そんな僕の内心には気付かずに――朱音は慌てて箸を置くと、ぴんと背筋を伸ばした。
一度目を閉じて、気合を入れるように深呼吸する。
「よ、よしっ……!」
「そんな無理しなくてもいいと思うけど……」
「うるさい! 今日は絶対成功させるのっ! なんたって、昨日寝る前にたくさん練習したんだから!!」
朱音はスマートフォンを取り出すと、何やら画面を確認した。
どうやら今日は、ツンデレらしい振る舞いや台詞を調べてきたらしい。
スマホをしまって僕へ向き直ると、照れ隠しのように腕を組む。
「あんたのことなんて別に……! す、す、……」
定番の台詞を言いたいらしいけど、早くも様子がおかしい。
朱音の頬が赤く染まり、組んでいた腕が落ち着きなく動き始める。
「す……」
「朱音?」
僕が沈黙に耐え切れず声を掛けると、朱音は真っ赤な顔のまま目をぎゅっとつむり、両拳を身体の横で握り締めると、
「すき!!!! 大好きっ!!!!!!」
朱音の告白が、教室中へ響き渡る。
かなりの大声だったので、近くにいたクラスメイトが一斉にこちらを見たけれど……僕たちの日常を知っているからか、すぐに何事もなかったように弁当へ戻っていった。
「う、うん……ありがとう。今日も相変わらず直球だね、朱音は」
「……~~っ、だってぇ!!」
朱音は僕の机へ両手をつき、泣きそうな顔で身を乗り出した。
「私、あんたのこと傷つけるようなことなんて嘘でも言えないしっ!! 好きなものは好きなんだもん!!」
「うーん、僕は別に傷つかないよ? 朱音の気持ちはよく知ってるし、言われてもツンデレの練習だって分かってるし」
「それでも嫌なの!」
朱音の目に、みるみる涙が溜まっていく。
「嘘でもあんたに嫌いなんて言えるわけないし、そんなの、言うって想像しただけで……ううぅ」
やっぱり朱音は優しい子だと、分かりきっていたはずのことを改めて思う。
「朱音、大丈夫だから。分かってるよ」
「うわあああん!!!」
朱音は席を立つと、そのまま僕の胸へ飛び込んできた。
制服を両手で掴み、顔を押しつけながら大粒の涙を流している。
「ごめんなさい悠人ぉ……大好きだからぁ……!」
「わ、分かった分かった! 分かってるから!! ――というかそもそも何も言われてないし!!」
周囲の視線を感じつつ、僕は慌てて朱音の背中を撫でた。
「いつも伝えてくれてありがとう。僕も大好きだよ、朱音」
「う、うぅ……私はツンデレがしたいのにぃ……」
そう言いながらも、朱音の口元はだらしなく緩んでいる。
涙を流したまま、嬉しさを隠しきれずに、にやにやしていた。
「好きって言われたの、そんなに嬉しい?」
「うれしくな……う、うれしいけど……ものすごく嬉しいけどぉ……」
「朱音がツンデレになるには、まだまだ道のりは遠そうだね」
「うぅ、明日こそは絶対に成功させるもん……」
朱音はぐすぐすと鼻を鳴らしながら、僕の胸へ頬を擦り寄せる。
おそらく、明日も同じように失敗するだろう。
僕としては、今の朱音のままでいてほしいのだけれど。
◇
「ねえ、悠人」
放課後、僕たちは並んで学校から駅へ向かっていた。
昼休みの失敗をまだ諦めていないらしく、朱音はスマートフォンに保存してきた台詞を見ながら、一人でぶつぶつと練習している。
「今度こそちゃんとできるから、聞いてて」
「まだやるんだ……?」
「当たり前でしょっ! 失敗したまま終われないわよ!」
朱音はそう言って立ち止まると、さっと僕の前へ回り込んだ。
スマートフォンを制服のポケットへしまい、腰へ手を当てる。
「わ、私は別にあんたなんていなくたって……」
(……おぉ?)
そこまではかなりツンデレらしかった。
声も表情も、これまでで一番上手くできている。
ただ、次の言葉を探すように少し黙ったあと――朱音は勢いよくこう続けた。
「私の生きる意味がなくなって、一時間もしないうちに病んで、そのまま死んであんたのところに行くだけなんだからねっ!!」
……、……?
「……う、うん。ありがとう……?」
「どう? 今のはかなりツンデレっぽかったでしょ?」
朱音は今ので上手くできたと思っているのか、ふふんと鼻を鳴らし、得意げに胸を張っている。
「あーうん、最初だけはね」
「最初だけ!? 最後もちゃんと『なんだからね』って言ったじゃない!」
「口調の問題じゃないし、その前の内容が重すぎるんだよ……」
僕の言葉に、朱音は「むぅ」と頬を膨らませて抗議してくる。
「そんなこと言ったって、悠人がいなくなったらそれくらいなるわよ」
「一時間で?」
「一時間経たずに、よ。一時間も耐えられたら褒めてほしいくらい。むりだけど」
「僕も、できる限り長生きするね……」
「そうして。私より先に死んだら絶対に許さないから」
真顔でそう言ったあと、朱音は気を取り直すように咳払いをした。
「次いくわよ」
「えぇ、まだあるの?」
「なによ、バカにして! これは自信あるんだからね!!」
朱音は再び僕を睨むような顔を作って向き直ると、口を開く。
「別に私はあんた……あんた……以外なんてどうでもいいし、一切興味ないし、絶対にありえないんだから!!!!」
…………。
「あ、ありがとう……。けど今、最初は何て言おうとしたの? 『あんたじゃなくたって』とか?」
「っ!? そんなこと言うわけないでしょ、ばかっ!!」
朱音は一瞬驚いたような顔をしたあと、本気で怒ったように僕の腕を両手で掴んだ。
「私が悠人じゃなくてもいいなんて、一瞬でも言うわけないじゃない! そんなの嘘でも嫌だし、もし言ったら絶対後悔して三日くらい泣き続けるから!」
「……じゃあ、何て言おうとしたの?」
「……知らない」
「ええー、朱音が知らないの?」
「だって私、ツンデレっぽいセリフ言おうとして適当に喋り出してるだけで、大体何も思いついてないもん……」
朱音は恥ずかしそうに目を伏せた。
「『別に』って言ってから、続きはその場で考えてるの。けど悠人のことを考えると、好き以外に何も出てこないし……」
「……なるほどね、そうだったんだ」
「笑わないでよぉ!」
「えー? 笑ってないよ」
「うそ、ちょっと口元緩んでる!」
「それは、朱音が可愛いなと思って」
「ッ……!」
朱音は言葉を失い、顔を真っ赤にして俯いた。
けれど、すぐに僕の制服の袖を摘まむ。
「……じゃ、じゃあ、最後にもう一個だけ」
「うん」
「これは、絶対言えるから」
朱音は小さく息を吸い、僕を見上げた。
「あっ、あんたなんて……」
出だしは、なかなか強気な声だった。
「あんたなんて……」
けど、二度目は少し弱くなる。
「あんたなんて?」
「あ……あ…………」
その声は、風船から空気が抜けるように、しゅうっと小さくなっていった。
それでも朱音は逃げず、僕の目を見たまま、最後の言葉だけははっきりと口にする。
「……あ、愛してる」
夕方の道を、人が何人も通り過ぎていく。
けれど、その一言だけは不思議なくらい鮮明に聞こえた。
朱音の頬も、耳も、夕焼けに負けないほど赤い。
「うん。僕も愛してるよ」
「…………」
朱音はしばらく固まったあと、僕の腕へ勢いよく顔を押しつけた。
「それは聞いてないぃ……!」
「えー、言われたから返したのに」
「心の準備ができてないもん!」
そう言いつつも朱音は僕の腕から離れず、隠しきれない笑みを浮かべている。
「……もう一回言って」
「愛してるよ、朱音」
「ん、んぅ……」
嬉しさと恥ずかしさに耐えられなくなったらしく、朱音は僕の腕を抱いたまま頭を振って、その場で小さく身悶えた。
「やっぱり、私にはツンデレなんて無理かも……」
「無理にしなくていいんじゃない?」
「……だって、可愛いじゃない。ツンツンしてるのに、本当は好きっていうの」
「僕は、素直に好きって言ってくれる朱音のほうが可愛いと思うよ」
「っ! そ、そういうことを真顔で言わないでよね……」
朱音は僕の肩へ額を預け、小さく呟いた。
「……じゃあ、少しだけ考えておく」
……既に十分すぎるほどに素直だけれど。
それでも完全に諦めるとは言わないあたり、明日も〝ツンデレ〟は続けるつもりらしい。
◇
その日の夜――寝支度を終えてベッドへ入った直後、朱音から電話があった。
朱音から突然電話が来ること自体は珍しくない。けれど、こんな遅い時間にかかってくるのは初めてだった。
「もしもし、朱音?」
『……もしもし、悠人』
聞こえてきた声は、いつもより少し低い。
「どうしたの?」
『……悠人、今日。女の子と喋ってたでしょ』
「女の子?」
『教室の前で、髪の長い子と』
「ああ。別のクラスで同じ委員会の子から、貸してたノートを返してもらっただけだよ」
『……知ってる』
「見てたんだ」
『たまたまよ。……別に気にしてないし』
…………どう考えても、気にしている。
しばらく沈黙したあと、朱音が勢いよく言葉を続ける。
『別に、あんたが他の子と仲良くしたって……不安と嫉妬で一睡もできなくなって病んで壊れちゃうだけだし、私がその子に何をするか分からないだけなんだからっ!!!!』
「うん、それは全然『別に』じゃないよ朱音」
『だって嫌なんだもん! 悠人が私以外の女の子を見てるのも、その子と喋ってるのも、楽しそうにしてるのもぜんぶ嫌!』
「今日のは楽しそうにはしてないと思うけど」
『でもちょっと笑ってた!』
「ノートを返してもらったから、お礼を言っただけだよ」
『うぅ……分かってるけどぉ……』
電話の向こうから、布団が擦れるような音が聞こえる。
おそらく枕を抱き締めながら、ベッドの上で丸くなっているのだろう。
「朱音。僕が好きなのは朱音だけだよ」
『……ほんと?』
「うん、本当」
『他の子より?』
「誰とも比べる必要がないくらい、朱音が好き」
『…………もう一回』
「朱音だけが好きだよ」
『……。……うん』
ようやく、少し安心したような声が返ってきた。
『あとね』
「うん」
『別にあんたから少しくらい返信が来なくたって、寂しくなんか……い、一時間くらい、なら……』
言ってる途中で朱音の声が震え始める。
『う、うううぅ……む、無理だもん……毎秒返しなさいよ、ばかぁ……』
「う、うん……だから見た瞬間に返してるじゃん」
『うぅ、だから寝る時間も合わせてくれてるけど……私がたまたま起きちゃったときとかは、すぐ返ってこないもん……』
「そりゃ、寝てるからね」
『私のために二十四時間起きててよ……そのうえで健康に長生きしてよ、私のために……』
「無茶言うなあ……。できるものならそうしたいけど、できるかなあ……」
『…………』
電話の向こうが静かになる。
今の要求が無茶だということは、朱音自身もよく分かっているのだろう。
少し間を置いてから、今度は小さな声が聞こえた。
『しなくていいわよ』
「いいんだ」
『……だってどうせ、ずっと一緒なんだから……』
さっきまでの騒がしさが嘘のような、穏やかな声だった。
『悠人が眠ってるなら、隣で一緒に寝ればいいだけだし』
「今は別々の家だけどね」
『ふん、分かってるもん。将来の話よ』
「あはは……もう一緒に住むつもりなんだ」
『当たり前でしょ。……私たちは結婚するんだから』
照れているのか、声が少し上ずっている。
『朝も一緒に起きて、ご飯も一緒に食べて、学校……じゃなくて、仕事にも一緒に行って……寝るときもずっと隣にいるの』
「仕事は別かもしれないよ」
『ぜったい同じところで働くもん。それか、二人とも家で働く』
「そこまで合わせるんだ」
『悠人がいない時間なんて、できるだけ少ないほうがいいもん』
僕は思わず笑ってしまった。
朱音は、ツンデレになりたいと言う。
なのに、考えていることも、望む未来も、全部隠さず僕へ教えてくれる。
……だけど僕には、それが何より嬉しかった。
『……あと』
「うん?」
『いつも私に寝る時間も起きる時間も合わせてくれて……朝はすぐにおはようって、寝る前もちゃんとおやすみって返してくれて、ありがとう』
朱音が電話の向こうで、小さく息を吸うのが聞こえる。
『だいすき……』
「……ん。僕も大好きだよ」
『……んふふ……』
電話越しに、嬉しそうな笑い声が聞こえてくる。
『悠人、おやすみなさい』
「おやすみ、朱音」
『……明日は絶対ツンデレ成功させるからね』
「まだ諦めてなかったんだ」
『当たり前でしょ? 明日は今日よりもっとツンツンするんだから』
「そっか」
『……でも、嘘は言わないからね』
「うん」
『傷つくことは絶対言わないし、お弁当も作るし、気持ちも沢山伝える』
「……それ、今日とほとんど同じじゃない?」
『うるさいっ! 明日の作戦は明日考えるの!』
そう言うと、朱音は一方的に通話を切った。
……その数秒後、メッセージが届く。
『急に切ってごめんね』
さらに続けて、もう一件。
『いつもありがとう、愛してます』
僕も同じ言葉を返すと、すぐにハートの絵文字が大量に送られてきた。
――きっと僕の彼女は、明日もツンデレにはなれない。
冷たくしようとして途中で耐えられなくなり、最後には今日以上の愛情をぶつけてくるのだろう。
けど、それでいい。
僕はツンデレの朱音よりも、僕を好きすぎて「ツンデレられない」朱音のほうが、ずっと好きなのだから。




