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悪役姫は怒られた。

 熾烈な特訓を経て一皮むけたミリアリアは、心の中に誇りと言う名の勲章を下げて凱旋した。


 ところがどっこい帰ってきて、見た目わかるミリアリアの現実は行き先を告げずに行方不明だった三日間という時間と、ボロボロのドレスである。


 そりゃあ怒られた。


 特にメアリーは半泣きでちょっとダンジョンに籠っただけなのにメタメタ怒られた。


「もう! どこに行っていたんですかお嬢様!」


「どこって……修行の旅ですわよ」


「なんでそんな流浪の戦士みたいな返しなんですか!?」


「ちゃんといつ帰って来るかは前もって書置きしていましたわよ? 部屋の机に置いてなかった?」


「そう言う問題ではありません! 三日も行方不明で、お城は大騒ぎでしたよ!」


 そんなこと言われても、なんだか予想外のミリアリアだった。


 しかし今回のダンジョン攻略は実に実りの多いものだったから、仕方がないと受け入れようと思ったけど―――やめた。


「何言っているのですかメアリー。行方不明はテレポートがレベルアップした証じゃないですか。むしろ大いに祝いなさい。行方不明はテレポーターの宿命ですので。まぁ……アレですわ、能力が暴走して云々とかそんな感じですわ。なるべく予告して飛びますからあんまり気にしないでいいですわよ?」


「なんで肝心なところがすさまじく曖昧なんですか! そんなの気にするに決まっているでしょう!」


 そりゃそうなんだけど、まぁこれからはちょいちょいやるので許してほしい。


 勉強とかは頑張るので。


 そもそも自分がいなくなって大騒ぎになるなんて言うのはミリアリアには驚きなのだ。


 ミリアリアは評判が悪く、第一王女であるものの、今一城全体から疎ましがられている空気があったはずなのだが?


 変な噂に、誇張や尾ひれは当たり前。


 昔は、ちょっとした嫌がらせだってなくもない。


 現状肩書きばかりの第一王女なのだけど、そう言うこともあるか?


 なんだかほっこりしたミリアリアはその日、いつもより多めに夕食を平らげた。


 今夜の夢はプリンのプールで溺れる夢だったけど、案外それはそれで寝起きはよかった。


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