五歳の誕生日、女神は約束を果たした
※勢いだけで書いている
※合わないと思ったら記憶から削除して素敵作品を見て脳内リフレッシュ推奨
五歳の誕生日を迎える夜、私は夢を見ていた。
夢に女神様が現れて「時が来た」と仰り、私は色々な記憶を取り戻した。
『ウィルシャナの稀花』『稀花の乙女は死を回避したい!』『地球』『端末』『鳥栖絵梨』『エリザベータ・トルシュカ』
私がこの世界に生まれてからの四年間はそのままに、溢れんばかりの記憶は『本』の形で私の中にすっぽりと収まった。年を取るごとに記憶は体に定着していくようになっているらしい。そうでなければ五歳児の脳みそではあっさりと限界を迎えるから、というのが女神様の御言葉。
とは言えども、それらを教えられた五歳を迎える私は既にそれまでの純真無垢な女の子とは違ってしまう。どうしたものかと目を開けると枕元にそれはあった。子供の手にはまだまだ大きいけれども『地球にある日本』で生きていた『鳥栖絵梨』が愛用していた端末が。
シーツの中に潜り込みそれを起動させると無事に電源が入る。魔力で動くようにカスタマイズされているので私の魔力が尽きない限り、この端末は動いてくれる。しかも破壊されないように丁寧に保護されているというフォロー付き。女神様よくわかっている。
まだまだ部屋は暗いので朝は来ていない。昨日までは子育て乳母が部屋にいたけれども、一人寝の練習と称して隣室で寝起きするようになったのも女神様の配慮なのだろうか。
ぺちぺちと小さな手で画面を弄り覚えのあるアイコンをタップする。それはソシャゲ版『ウィルシャナの稀花』。前世の絵梨が地球で死んでから五年経過してサービス終了したか、と思ったのだけれど、なんと、日付はその次の日になっている。時間の歪みがまた発生したのか。
そのおかげで継続ログインボーナスをゲット出来たのは大きいけれど。これまで入手してきたキャラクターの画面を見る。最推しは『エリザベータ・トルシュカ』。完凸、レベルマックス、スキルもマックス。装備品は最高レアのものをつけて、サポート関係も充実している。武器はガチャで手に入る最高レアのものと、敵からドロップする超レアなものの二種類を状況に応じて使い分けていた。エリザベータは魔法使いだったので武器は杖。豪華な装飾が施されていていっそ神々しい。魔法使いは帽子、ローブ、ブーツが基本装備で、女性なのでそこにドレスが追加される。これらも限定ガチャでゲットしたが、イベント限定装備もあってそちらはイベントだけあって可愛いものが多い。しかも復刻がないゲームだったのでイベントに参加できなかったら二度と手に入らない物ばかり。トレードシステムはないのだ。
廃課金やり込み勢だったので基本的に全イベントに参加して配布系は全て確保している。課金する事で広げられる倉庫だって上限まで開けているので取りこぼしはない。
アイテム一覧を見ると、ネックレスや指輪を始め様々な装飾品や食べ物、植物などの素材が並んでいる。装飾品の数は少ないけれど、食べ物や素材はカンストしている。デイリーミッションで製作が入っているが使用していないので、どんどんたまっていく一方だったのだ。
体力回復のレモネードを見ながら、いいなぁ、美味しそうだなぁ、この世界レモネードとかないよなぁと思いつつ、レモネードのイラストをタップすると『取り出しますか?』という文字が表示された。今までは『使用しますか?』だったのに、こんな表示初めてだ。そう思いながら『はい』を押すと、なんと私の手の中にいきなりレモネードのグラスが現れた。
意味が分からない。
どういうことだ、と思いながら混乱していると、ゲーム内のアシストキャラである『ピィくん』という名の白い鳥が画面に現れて吹き出しに文字が現れる。
【このアイテムを取り出すと現実世界に出す事が出来るよ!】
【飲み物は中身を飲み干すとグラスは消えちゃうよ!】
【ゲーム内で製作すればまた補充できるよ!】
【他にもいろいろなアイテムが取り出せるよ!】
【試してみてね!】
ピィくんがこんなセリフを言うなんて知らない。リリースされてからずっと欠かさずやってきたけれど、こんなことは初めてだ。そして私はこれもまた女神様からのちょっとしたサプライズなのだと理解した。
装備品一覧を表示して詳細画面を見ると、それまでは見た事のない【取り出す】というアイコンが出現している事に気付いた。やはりそうか。でもいきなりドレスを出すわけにはいかないので、装備品の一つである指輪を選ぶ。状態異常無効の効果がある指輪は、瘴気に侵された魔の森のクエストには必須だった。敵からの攻撃の半分が状態異常を掛けてくるもので、装飾品でこれがないと【状態異常解除】の魔法がない限り永続してHP減少、MP減少、麻痺、混乱などが発生するのだ。紫の石がついた指輪が私の手の中に現れる。とは言えどもずっとこれを持っているわけにはいかないと悩んでいると、先ほど【取り出す】だった文字が【しまう】に変化している事に気付いた。
その文字を押すと、私の手の中から指輪が消えて、再び【取り出す】の文字に変化。
私はまだ未熟なので空間魔法は少し使えてもその容量は少ない。精々この端末をしまう位の大きさしかない。でも、ゆくゆくは大容量になるので、その時はこの中にあるアイテムを取り出して私の魔法の魔法空間にしまえばいいのではないだろうか。毎回端末を取り出してぽちぽちと押すのは手間だし、何なら怪しさしかない。
空間魔法の良いところは、才能によっては空間内の時間が停止している事にある。魔法にもいわゆるランクがあって、現時点での私の空間魔法ランクはCだけど、訓練していけばSになる位の才能はある。
目標が定まった私は、エリザベータの画面から別のキャラの画面に移動する。エリザベータの次に推しである、剣士の『レオナルド=ルトストレーム』。赤髪赤目で体格のいい、まさに剣士。長い髪の毛を項辺りで括っているのがいい。剣士らしい装飾の少ない服装だけど、彼自身は侯爵家の次男。跡継ぎではない事をいい事に自分の好きなことをして生きている。とは言えども育ちは良いので語学は堪能で、他国にもよく足を運んでいるという経歴の持ち主。というのはプロフィール画面に書いている。彼も好きで、エリザベータの次にお金をかけて育てている。装備品だって当たり前の用意最上級を用意している。
年齢はエリザベータの二歳上。かっこいい。本当にかっこいい。
トルシュカ家も同じ侯爵家。だからこそエリザベータは王宮にある『稀花』の研究施設に立ち入りを許されていた。小説内ではこの『侯爵家の令嬢』がより一層『悪役令嬢』にしやすかったのだとは思うけど。はた迷惑。
小説のエリザベータは七歳の時に第二王子と婚約が結ばれる。第一王子は八歳上で既に国内最大派閥の公爵家令嬢と婚約を結び、作中では立太子の儀を行い結婚だってしている。だからだろう、年の近い第二王子とエリザベータの間に婚約が結ばれた。『乙女』になったのはエリザベータに魔法の才があったからだけど、当然この実家の力だってある。
だが、当然だけど私は婚約者になるつもりなどない。変更できる要素はとことん変えていくつもりだ。七歳に婚約が結ばれるのであれば、それまでの間に私が他の人と婚約を結べばいい。それなら、レオナルドが良い。
ちなみに、ちなみにだけど、『稀花の乙女は死を回避したい!』でエリザベータが最終的にくっつく男はレオナルドではない。
女神というのは様々な時間に存在している。だから、今この時点に存在していると思えば、10年後にも存在している。女神に時間という概念は存在しないようだ。ただし、どこにでもいるという強い存在であるがゆえに、権能は極めて限定されている。こうやって私のような人間をちょっと移動させるとかそのくらいの力しかない。ただ、この世界に関与する神様は他にも多くいるので問題はないそうだ。その神様をして、転生ヒロインの強欲パワーは看過出来ないらしい。しかし神が自ら彼女を滅ぼそうとするのであれば世界の消滅に繋がる。何故ならば、『稀花の乙女は死を回避したい!』の世界に転生ヒロインは必須だからだ。
正直めんどくさいし、この世界滅んでもいいんじゃね、と思わないでもないけれども。それでも人が魂を持ってしまっている以上、簡単に滅ぼす事が出来なくなってしまっている。ややこしい。とてもややこしい。あまりにも複雑すぎて頭がパンクしそうだよ。
可愛らしい五歳児の脳みそでは限界なので、画面を見る。レオナルド=ルトストレーム。本当にかっこいい。実は子供の頃の話がイベントの中で少しだけ出た事がある。その時の立ち絵はもう可愛すぎてたまらなかった。あのショタレオナルドも実装して欲しかったけれど、生憎ただの立ち絵だけで終わった。
デイリーミッションをさくさくと終わらせてアプリを終了させると、SNSを立ち上げようとする。でもアカウントは無い、とされている。それもそうだ。だって私は存在していない事になっている。ゲームだと『鳥栖絵梨』という人間を誰も知らなかったしフレンドだっていなかった。一人でプレイ出来るから問題なくて。でも、SNSはそうじゃない。リアルな『鳥栖絵梨』と繋がってる人ばかりだったから、私という人間が消滅したら当たり前のようにアカウントも消える。それまでの私の呟きも何もかもが消えて、写真も消えて。辛いなとは思う。でも仕方ないんだよね。
メールアドレスが無ければ登録できないけれど、さてどうしようか。と思ったら、偶然作っていたリアルに関係のないアドレスが生きているようだった。ならこれで新しくアカウントを作ろう。そして私は沢山の情報を集めないといけない。こちらから発信は出来ないようだけど、情報収集の為に必要なだけ。非公開にしてしまえば誰も私だと分からない。
この世界からすれば日本語は理解出来ない言語。エリザベータの魂のお陰でこちらの世界の言葉は問題なく使える。そして鳥栖絵梨のお陰でこの小さな端末の中にある日本語も問題なく使える。切り替えに関しても不自由がない。どちらを見ても直ぐに理解が出来る。
朝が来るまでまだ時間がありそう。五歳児の私の体はまだまだ眠りが欲しい。なので、空間魔法を展開してそこに端末を入れる。現在そこにあるのはこの端末だけ。
誰にも見えないように隠してしまうと、私はシーツを抱え込むようにして目を閉じる。眠れないかな、と思ったけどそんなことは無く、それはもう気持ちよく爆睡した。
△▼△▼
「おはよう、エリィ。お誕生日おめでとう」
「エリィ、さあこちらにおいで。私の可愛いお姫様。五歳の誕生日おめでとう」
「お父様、お母様。おはようございます。ありがとうございます」
すっかり太陽が昇って部屋はとても明るい。子育て乳母のモリナが私を起こして服を着せてくれる。可愛らしいパステルグリーンのドレスはフリルがたっぷりとつけられていて可愛い。これから朝食なのでスカートのふくらみは抑えめにしてあるけれども、特別な日なのでおしゃれをしている。
誕生日だけは、朝食と夕食を両親と一緒に出来る。それ以外の日はある年齢まで自室で子育て乳母と一緒に食べるものだ。
お父様に招かれ近寄れば抱き上げられて思わずきゃあ、と叫ぶが、直ぐに笑いがこみ上げてくる。若くてかっこいいお父様と可愛らしいお母様。その間に生まれた私は本当に可愛がられて育っている。
エリザベータは一人っ子。だから小説の中で第二王子はこの侯爵家に婿入りして次期侯爵になり、当主になった暁には公爵家になる予定だったとかそういうのを読んだ気がする。時間がある時に小説を読み返しておこう。改めて思うけど、電子書籍の方を購入していて良かった。
私は第二王子と婚約そのものをしたくないので、全力で回避しつつ大好きな人と結ばれたい。
朝食を食べ終わると部屋を移動する。日差しの心地良いサロンで両親から誕生日プレゼントを受け取った。お父様からはとてもカラフルな絵本。お母様からは最近王都で評判のクマのぬいぐるみだ。カラフルな絵本はかなり高価だ。紙自体は普及しているけれども、印刷技術はまだまだ発展途上。一冊一冊が手作りで、ここまで色鮮やかなものだととんでもない金額になる。だけどお父様はお金など気にしないと言わんばかりに私にそれを与えてくれた。嬉しくて大事にしよう、と私がぎゅっと本を抱きしめる。そしてお母様からもらったクマのぬいぐるみ、テディベア。ふわふわとした触り心地。私の髪の毛や目とお揃いの黄色のリボンが首に付けられていて、黄色い石がついている。待って、これ、魔石じゃないの。
「わぁ!とってもかわいい!お母様、ありがとございます!この首の石、とても綺麗!」
「それは守りの魔法が込められた魔石なのよ。エリィ。お出かけする時はちゃんとそのテディベアを連れて行くのよ?」
「はい!」
親の愛情たっぷりだ。守りの魔法の込められた魔石は私の身を守るための物。お友達のぬいぐるみであれば一緒に連れて歩くだろうという事だろうから、私はちゃんと頷く。テディベアの名前もちゃんと後でつけなきゃ。
夜は誕生日パーティーをしてくれるらしい。その為に使用人は最低限を残して準備に奔走している。男の人のお父様と子供の私のパーティー準備に対する時間はそこまでかからないけれども、お母様はこれから準備に取り掛かるらしい。お母様のお部屋に遊びに行くのは大丈夫なようだ。なので私はお父様の膝の上でもらった絵本を一緒に見たりしていた。今日はお父様も仕事を抑えているらしい。私の為にそこまでしてくれるなんて、私は愛されている。
「今日は、エリィと歳の近い子も招待しているんだよ」
「本当?お友達出来るかしら」
「こんなに可愛いエリィだから、お友達もたくさんできるさ」
「それならいいなぁ。ねえ、お父様。誰が来るの?」
「そうだね。お父様の一番のお友達のルトストレーム侯爵とその家族だろう。学友だったドラリアド伯爵とその家族だろう。まだまだ招待しているけれど、お父様の仲良しのお友達はこの二人かな」
「楽しみだわ、お父様」
最高だわ、お父様。まさかルトストレーム侯爵家を招待してくれているなんて。レオナルドが来るということ。これをきっかけとして仲良くなれれば、婚約者になってくれないかなぁ。だってすごく好きなんだもの。
それはそれとして、ドラリアド伯爵家の方も私は覚えがある。年が近いなら女の子だ。紫色の髪の毛に綺麗な空色の目をした立て巻きロールが似合う子。実は槍を得意武器としている。生まれた時からの婚約者がいて、その婚約者のことが大好きな強い女の子。ちなみに婚約者は肉体派ではなく頭脳派。ゲームでは戦闘キャラとしては出てこないけれど、サポートキャラで出てくる。
夜のパーティーを楽しみに、私はメイドが用意してくれた果実水を飲んだ。うーん、レモネードの方が美味しいなぁ。もうちょっと大きくなったら食の改革でもしようかなぁ。その時は全力で使うつもりのレシピ検索。この世界の料理は悪くないけど飽食の国を知っていると追求したくなる。マヨネーズやドレッシングがあるだけでもサラダを食べるのが苦痛じゃなくなると思う。ケーキだって、パウンドケーキは美味しいけれどそれだけだと物足りない。華やかな見た目の物もあればふんわりとした物だってあるのだもの。きっと、砂糖や牛乳、卵なんてものは贅沢品なのだろう。だけど、それを簡単に手に入れられる環境があればかなり変わるはず。
それに、スイーツだけじゃない。普通の食生活も改善が見込めるのであれば改善していく。それだけで平民たちは生きやすくなる。お金を生み出す土台が出来て雇用が生み出されれば経済は上手い具合に回っていく。平民が教育を受けられる環境が出来れば選択肢が増える。国を直ぐに変化させる事なんて出来なくても領内がまず豊かになれば影響される人は増えていくだろう。だけど、これはリスクが高いのも分かる。
あまりにも優秀すぎると危険視されるか利用しようとする人間が溢れ返ることになる。お父様はきっと私を守ってくれるはず。だけど、周りの大人がそれを許さない可能性だってある。だから少しずつ、少しずつ染み込ませていかなければならない。
それにしても、レオナルドに会えるなんて嬉しい。早く会いたい。ああ、でも駄目だ。落ち着かなきゃ駄目よ、私。
彼はゲームのキャラクターじゃない。一人の人間なんだから、思い込みで行動したら駄目。ゲームでの彼は大人だったけど今の彼は私と同じくらいの子供でしかない。理想を抱くのはいいけれどもそれを押し付けたら駄目。それは相手の個性を否定する事と同じ意味を持つから。
夕方になり、私は素敵なドレスを着せてもらった。お母様は髪の毛はつやつや、お肌はぷるぷるでとても綺麗。お父様はかっこいい。親しい人だけを招いているという事で気楽な空気が流れている中、私は沢山の人にお祝いされていた。プレゼントは前もって贈られてきているのでお礼を告げていく。
子供はそれなりにいるけれども、お父様が真っ先に紹介してくれたのがレオナルドとドラリアド伯爵家のイリーナ様。イリーナ様は目の色と同じ空色の綺麗なドレスを着ていた。とても素敵で可愛くてお友達になって下さいって思わずその場で言ったら、目を大きく開いた後に顔をほんの少し赤くして頷いてくれた。
レオナルドは私よりも料理の方が気になるらしくてそちらを気にしていたけれど、それでもお祝いを言ってくれたので私は笑顔でお礼を言った。うん、可愛い。
他にも色んな子と会話したけれど、私が一番いいなと思ったのはレオナルドでその次がイリーナ様。レオナルドはキャラクターとしてじゃなくて本人を見て好きだなって思えた。喜怒哀楽がはっきりしていて好きなものに対しては目をキラキラさせて、好物を食べた時の笑顔が本当に素敵だと思った。それに、ちゃんと教育を受けているので所作は大振りだけど無礼という感じではない。このまま成長すれば卒のないエスコートが出来るだろう片鱗が垣間見える。
貴族的な視点はエリザベータの意識が強く出るけれど、食べ物に関しての視点は絵梨の意識が強く出る。そのどちらもがレオナルドを好意的に思っている。エリザベータで絵梨である『私』の感覚は不思議で、でも嫌じゃない。
私の誕生日は丁度社交シーズンでもあるので王都のタウンハウスで迎えた。だからこうして人がお祝いに来て下った。大半はタウンハウスが王都にあるので遅くなっても帰っていくのだけれど、ルトストレーム侯爵家とドラリアド伯爵家の皆さんはお泊りして下さる。大人同士がまだまだ語り足りないから。子供たちは既に眠気で一杯だったので私は自室に、イリーナ様とレオナルドは子供用の客室に案内される。三人とも眠気で目がとろんとしていたので部屋に戻ってお風呂に入ったら爆睡だろう。
この世界で最高だと思うのはお風呂があることだ。魔石には色々な種類があって、水を生み出す魔石というのがある。これが意外と手に入りやすいもので、これと火の魔石の組み合わせをした魔道具のお陰でお湯が何時でも用意出来るようになっている。バスタブにそれを使ってお湯をためればあっという間にお風呂の準備が出来るので何時でも入れるようになっているのはありがたい。
半分寝ている状態だけれど、メイドに体や髪の毛を洗ってもらい、お風呂から上がって髪の毛を乾かしている途中でもう意識は完全に夢の世界に飛んでいた。