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変身少女のタマゴ系ライブ  作者: 葉月 優奈
八話:『奥津 霞』のタマゴアイドル:後編
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あたしは壊れていた。

ミーコがなりたかった姿、『エンジェルガール』コーデ、ER(エッグレア)のコーデだ。

天使風の白いブラウスに、ミニの白いスカート。

天使の白い羽に、白いソックスと茶色いパンプス。

恐ろしく真っ白な衣装だ。


変身したまま、あたしはずっと街を歩いていた。

あたしは壊れていた。

(ミーコのなりたかった自分に、あたしはなれたよ)


エンジェルガールの衣装は、周りの視線を集めていた。

タマドルの衣装は全て神衣装だ。

きっとあたしのことを、周りが美少女として見ているのだろう。

夜中からフラフラになったあたしは、家にも帰らなかった。


(このまま、あたしは終わりでいい)

それはミーコがいなくなって、あたしの周りの風当たりが厳しくなったこと。

ミーコがいなくなって、一番苦しくなったのはあたしなのに。

なぜ、こんなに責められなければならないのだろうか。


寝不足の体を、疲れた体を引きずりながらあたしは歩いていた。

やがて街を抜けて、あたしは郊外の国道沿いの歩道を歩く。

夜通し歩き、朝になっていた。


(もう何もかも……)

あたしは、フラフラと歩いていた。

疲労と寝不足で、街を徘徊したあたしは異様だ。

それでも、あたしが望んだことだ。

何もかも忘れて、あたしは満たされない心をミーコの好きな格好で歩くしかできなかった。


あたしが歩道を歩くと、突然ひとりの少女が現れた。

それはあたしが、よく知っている少女だ。

緑色のポンチョを着た少女が、穏やかな笑顔を見せていた。

だけど、雰囲気が少し違う。


「ミーコっ!」

「やっと会えたわね、カスミン」

「やっぱり、そうなのね。ミーコ」

「あなた……そっくりだわ。ハコベに」

ミーコの言葉に、あたしは立ち止まった。


「一緒に帰ろう」

「そうね、あなたは今の世界に満足している?」

「え?」ミーコの言葉に、あたしは立ち止まった。


「あなたは、満足していないでしょ」

「ミーコが戻れば、あたしは満足よ。ミーコがいない世界が嫌なの!」

「それは間違っているわ、私はこの世界が嫌い」

「ミーコ……」

「変身したくもないのに、無理に自分でない自分を見せるために変身して、何が楽しいの?

私の本当の姿を、誰も知らないくせに。あなたもそう……カスミン」

「ちょっと、何を言っているの?」

あたしは、ミーコの言葉が理解できなかった。


「そこまでです!」

そう言いながら、あたしの背後から突然知らない声が聞こえた。

声の主に振り返ると、そこには黒いメイド服の女が立っていた。

黒いメイド服の女は、左目が水色で、右目が赤い。


「大丈夫、あなたひどくやつれているわ」

「あなたは何なの?」自分はいきなり現れたメイドを見上げた。


「ひどいわ、カスミン。ハコベとつながっていたなんて」

「えっ、何を?」

「そいつに近づくな、消されるぞ」

黒いメイド服の女は、あたしの方に走り出していた。

そのまま、あたしとミーコの間に割り込んできた。

メイド服の女を見て、ミーコが後ろに退く。


「そうね。だったら、消し去るしかないようね。あなたたちを」

「待ってミーコ、何を言っているの?」

だけど、ミーコがポンチョを外すとそこからカクイドリが出てきた。

戸惑うあたしをよそに、メイド服の女がカチューシャを開く。


「ライブを始める」

そう言いながら、あたしとメイド服の女はカクイドリと一緒にその場に消えたのだった。



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