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『6月10日』
あたしは、ここのところずっと同じだ。
夜の九時過ぎに、近所の東友に行っていた。
もしかしたら、ミーコに会えるかも知れない。
ミーコを助け出せるかもしれない、そう思いながら一ヶ月が過ぎた。
そして、この日も夜にスーパーに行く。タマドルカードを持ちながら。
ゲームを終えたあたしは、食事がわりの惣菜を買っていた。
両親は、いつも外で仕事をしていた。
会社に泊まるぐらい忙しい、だからあたしにあまり構わないのだけど。
そのため、食事は惣菜が多い。
あたしは料理があまり得意ではないし、兄はもっと苦手だ。
夜のスーパーを歩いていると、レジで会計をしていた。
会計をしていた先に、やはりタマゴが見えた。
(もしかして……)
あたしはそう言いながら、惣菜のビニールを片手に走った。
走ったが、出てきた青と黄色の卵だ。
イースターは、いろんな種類の色があった。その中の一つだろう。
(このゲーム筺体は、イースターが現れるのか?)
あたしは、そう言いながらゲーム画面を見ていた。
その画面は、電気がついていた。
だけど、ミーコが出てくる様子はない。
「どういうこと?」すぐにタマドルカードを、取り出した。
「ふむ、知らん」
「知らないって、ミーコは出てこないの?」
「あの時は、朕は襲われたのじゃ」
「襲われた?」
「そうじゃよ、我々は彼女を『緑魔女』と呼んでおるが」
「なんでミーコが魔女なのよ?」あたしは不機嫌そうに、カードを睨む。
「さあ、わからぬ。ハコベ様なら……」
「またそれ?そういえば……あのイースターは?」
「戻ってくるようじゃ」
そんな時、ゲームから出て行った青いイースターがこっちに戻ってくるのが見えた。
だけど、そのイースターの奥からあたしは意外な人物が後ろにいた。
「なぜ、恵が……ここに」
あたしはそう言いながら、スーパーの奥に入っていった。
それは、あの日も知っていた『詰草 恵』がいたからだ。




