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『6月23日』
翌日の私は、学校で二人の動きをじっと見いていた。
一人は、『シエル カーネーション』生徒会長。
彼女とはクラスメイトだ、昼間は生徒会室にいるらしい。
そんな彼女が行く昼間には、奥津先輩とあの恵がいた。
そう、もう一人は『詰草 恵』。A組の生徒だ。
彼女は生徒会でないのにも関わらず、生徒会室に昼休み入っていた。
中では、おそらく勉強をしているのだろう。
二人共同じように教科書を持っているのがわかったし、期末試験も近い。
そういえば、恵は一年の時学年二番になった優秀な生徒だ。
そんな二人は、放課後また生徒会室に入る。
私はそれを見て、学校に残ることにした。
(今日は彼女たちと話さなければならない)
昼間には、会長のバイト先『ケサト』をハコベに調べさせた。
恵のことも、ハコベが調べていた。
情報を、スマホのメールで確認した私は廊下に潜んでいた。
そして、二人が生徒会室から出てくる夕方五時過ぎ。
私は玄関で、恵と会長の二人を待ち伏せしていた。
玄関では、恵と会長が帰ろうとしていた。
いきなりの私の登場で、二人はもちろん驚いたリアクションを見せていた。
「では、お話しましょう。私のこれまでを。
ですが場所は移しましょうか、ここでは目につきます。私の家に来てください」
そう言いながら私は、恵と会長の前に手を差し出していた。
驚きがあって、警戒している様子だ。
「宇野中さんの家ですか?」
「はい、私の家で説明を受けてください。
あなたたちの『タマドル』としての力が、私たちに必要なのです」
「『タマドル』の力ですか?」
会長が、きょとんとした顔を見せていた。
「家には私より詳しい方がいます。
その方に、会わせないといけませんから」
「どういうことですか?」
やはり会長は、私の言葉に納得がいっていない。
「では話を変えます。あなたたちは、自分のタマドルに関してどれぐらいご存知ですか?」
「それは……」
「あなたたちは、カクイドリに襲われたことはないのですか?」
「ううっ」私の言葉に、恵も会長も反応した。
「あなたたちは、このままでいいのですか?」
私は会長の前で、仁王立ち。
二人のことはよくわかる。よくわかるからこそ、私は言わなければいけない。
「私たちで、カクイドリを倒しに行きませんか?」
「うん……」返事をしたのは恵だ。
「ですね、シエルもできるのですか?」
「あなたたちの力が必要です。私の家にいきましょうか」
最後に私は、笑顔を見せていた。




