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『6月22日』
翌日、私はすべてを覚悟していたはずだった。
学校に向かった私は、いつもどおりのセーラー服だ。
私は一時間目の休み時間、思わぬ来客があった。
そして、意外にも突然それはやってきたのだ。
席で休み時間にはいって、授業の片付けをしていた。
「あの、撫子ですか?」
そう言いながら、オランダ人生徒会長が私の席に来ていた。
私のことを名前で呼ぶのは、外人らしい。
「生徒会長?」
私のクラスには、外国人で生徒会長の『シエル カーネーション』がいた。
向こうから訪ねてくるのは、珍しい。
「撫子、あなたにお話したい人がいるのです」
「お話したい人?」
「廊下で待たせています」
シエルが一言言って指さした先には、奥津先輩がいた。
彼がこちらを見ていて、私の胸がドキドキしていた。
「ああっ、はい」
私は会長を無視して、一気に廊下へと走り出した。
明らかに、私は取り乱していたのだ。
そんな私が廊下に来ると、奥津先輩がこちらを見ていた。
「宇野中さん、話があって」
「お、奥津先輩。なんですか、急に?」
「いえ、昨日お礼していなくて……でもまさかC組だったとは」
「えっ、あっ」私は奥津先輩に嘘をついたのがバレた。
バレて、顔を一気に赤くした。
「ごめん……なさい」
「それなのに、頼んじゃってこちらこそごめん」
「いえ……私が嘘をついたのがいけないのです」
私は顔を真っ赤にして、うつむいていた。
「それでも、助けてくれたから」
「はい」
「本当に、ありがとう。ちゃんとお礼が言いたくて」
奥津先輩は、はにかんでいた。
昨日、私は手提げかばんを渡してその場を立ち去っていた。
先輩と一緒にいると、自分がどうかしそうだったからだ。
だけど、やっぱり先輩のことが好きだ。
先輩が好きでたまらない自分が、そこに入るのだ。
「あの……先輩」
「どうしたんだ?宇野中さん」
「今日……一緒に」
「一緒に?」
「私と一緒に来ていただけませんか?」
私はとうとう言った。
はっきりと、彼の前で。
「えっ、いきなり言われても……」
「そうですよね、でも……話さないといけないことがあるのです
それは、とても大切なお話です」
「宇野中さん……」
私は深々と頭を下げた、奥津先輩はじっと見ていた。
少し、先輩は考えていた。
その時間が長く感じた。
いきなりの誘い、奥津先輩は首をひねっていた。
私のために考えてくれるのだ、だけど待つのはドキドキする。
「いいよ、少しだけなら」
「ああっ、ありがとうございます!」
私は顔を上げて、また再び頭を下げていた。




