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~~野外ステージ『バロット・アレナ』:ソロ『ナデシコ』~~
そこは無人の野外ステージ。
昼間の野外ステージは、太陽の明かりでとても明るい。
このステージの中央は、もちろん私だ。
タマドル『ナデシコ』が、立っていた。観客席にはカクイドリ。
(このライブは、絶対に成功させないと)
私の口が動く。そしてこのステージに、曲が流れてきた。
この曲は私も知っているバラードだ。
(知っている曲なら、いけるかもしれない)
曲が流れると、私の周りには音符玉が発生した。
それに触れるような、ダンスで玉をはじく。
(絶対に成功させるっ)
私はノーミスで、順調に曲が進む。
カクイドリはミスがなければ、私に襲ってくることはない。
(丁寧にいこう、ライブと同じだ)
曲をやっているのなら、落ち着けば問題はない。
だけど、当然リアルライブと通常のライブは勝手が違う。
それが、徐々に表れてきた。玉の配置パターンが変わった。
(パターンが変わった!)
私は一瞬にして、同時に二つの玉が湧いた。それは通常のライブと違う。
慌てて私が手を出すが、間に合わなかった。
すると、一匹のコウモリが私の方に飛びかかってくる。
私の足元のブーツを噛み切った。
(いった~い)
ブーツを噛み切られただけなのに、足に痛みがあった。私は苦い顔を見せた。
それでも、曲は止まらない。次々と音符玉が出てくる。
(こんなに……間に合わないっ)
だけど一つのミスをした私は、立て直せない。
ミスがミスを呼び、私の衣装を容赦なくカクイドリが噛みちぎってきた。
(そんなっ、なんで)
曲のサビに入る前に、私の衣装がボロボロになった。
ドレスが引きちぎられて、スカートのフリルも破けていた。
それでも、観客席にはまだたくさんのカクイドリが見ていた。
「私はやっぱりだめなのだろうか」
ライブの時も、ハコベよりもグッドを稼げない。
もともと、ハコベはライブが得意で私は苦手だ。
苦手だから一生懸命練習したけど、私には一人で克服できない。
いつもリアルライブは、私一人ではクリアできなかった。
私は顔を歪めながら、カクイドリの攻撃を耐えていた。
「そうだ、『タマゴアピール』」
私は、車の中でハコベに前に言われた言葉を思い出した。
ERは、タマゴアピールがサビの時にできる」
つまり、『イチゴプリンセス』なら使うことができる。
「確か発動条件は、私が祈るポーズをする」
そう言いながら、私はサビの曲に入った瞬間に両手を合わせた。
私の周りには、玉が発生したがすべてが消滅した。
すると、次の瞬間私の体が急に光りだした。
「えっ?まさか」
まるで、それは魔法少女が変身するかのような光景だ。
光った体は、ゆっくりと足から現れた。
足元のぼろぼろのブーツが、光りだした赤いブーツに変わった。
破けた手のドレスグローブも、光りだしてピンク色のグローブになった。
あちこちカクイドリの爪で裂けたドレスも、一瞬にして元に戻った。
いや、赤い光を帯びて進化していた。
スカートのフリルも緑色に光って、まるで私自身が光るイチゴのようだ。
「これが『イチゴプリンセス』コーデの真の姿」
私は、全く違うコーデに変身をしていたのだ。




