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車を降りると、私は人の多さに驚いていた。
そういえば、ここで一週間ほど前に『トランス』のメグッポがライブをしていた場所。
日曜の朝ということで、人通りも多いようだ。
タマドルが身にまとう神衣装で私は、近くのベンチに座っていた。
時間は九時半、待合時間まで三十分ある。
私は、それでも恐ろしいほど落ち着いていた。
(私は、生まれて初めてのデート)
男性と二人きりになる経験は初めてだ。
そして、私はずっと一人で待っていた。
私は彼との初めて二人きりの時間を、楽しみで仕方がない。
(まだ、でしょうか?)
時計の針はほとんど進まない。
人は駅へと吸い込まれていく。
そんな時だった、私の前から嫌な予感がした。
(なんでしょう、今の)
私はわずかな体の震えを覚えて、周囲を見回した。
私の目の前には、駅。少し先には改札口があった。
だけど改札口の方に、小さな黒い塊が見えた。
(まさか、そんな)
私の不安はすぐに的中した。
そう、黒い塊はやがてコウモリの群れだと気づいた。
だけど街中に現れるコウモリは、普通ではない。
「カクイドリ!」
立ち上がった私は、唇を噛み締めた。
自然と、私は険しい表情になっていた。
「やるしかないのですね、リアルライブっ!」
私は両手を合わせて祈る。
そしてまもなくして、私は移動していた。




