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変身少女のタマゴ系ライブ  作者: 葉月 優奈
五話:『宇野中 撫子』のタマゴアイドル:前編
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家に帰ってきた私は、早速蔵に向かっていた。

蔵にはタマドルの筐体がある。これがあれば、私はいつでも変身ができた。

学校が終わって、私は蔵に戻っていた


もしかしたら変身すれば、彼に間に合うことらしい。

車でもしかしたら会えるかも知れない。

それが筐体はあることでできたのだから。

そして、私は変身(トランス)した。


桃色のポニーテールに大きな橙のリボン。

オレンジと白の長袖ブラウスと、短めの青いデニムズボン。

そして、白いソックスにダイダイ色のシューズ。

カジュアルブランド『グミキャンディ』の『|オレンジプリンセス』コーデだ。

もちろんER(エッグレア)


可愛らしい女の子に変身した私は、学校に戻っていた。

『タマゴアイドル』のアバターは、小学生向けということでちょっと背が低い。

年齢的には中学生にも見える、この姿を私は気に入っていた。

なんといっても、活発で可愛らしいからだ。


学校に着いた私は、あの掲示板の通り中庭に来ていた。

それは写真のモデル募集する広告だ、出しているのは奥津先輩。

私は奥津先輩のことは全部知っていた。

知っていたからこそ、ラストチャンスと思って動く。


中庭には、十数名の女子生徒がいた。全員、奥津先輩のモデル希望みたいだ。

みんなセーラー服を着て、待っていた。

やがて、中庭にひとりの男性がやって来た。


「ああ、よく来てくれたね。わざわざ時間を割いてくれてありがとう」

まもなくして、制服姿の奥津先輩が現れた。

「奥津先輩、よろしくお願いします」

女子の一人が、軽快に挨拶をした。


だけど、奥津先輩は挨拶を無視して私を見ていた。

「はい、見ました。掲示板」

「ふーん、見ない顔だな。でも……」

急に先輩の顔が赤くなった。

なんだか、照れているようにも見えた。


「ど、どうしたんですか?」

「うん、君がいい」

「そうでしょうか?」

「ああ今、電流が俺の体の中を流れた。君に決めたよ」

「えっ、私」

いきなり告白めいたことを言われて、私も顔を赤くした。

それと同時に、さっきまで待っていた女子生徒は一斉にざわめく。


「ああ、自己紹介がまだだな。俺は奥津 麦。

生徒会副会長……いや写真部部長兼務をしている。よろしく」

「はい、存じ上げています」

「君は?学校では見ない顔だけど」

「あっ……」そう言いながら私は、モジモジしていた。

声は唯一同じだけど、やはり私のことがわからないみたいだ。

先輩が私の肩に、手をかけていた。


「ごめんね、今回はこの子にするから」

「えーっ、なにそれ」

「せっかくモデルになれると、思っていたのに……」

などと言いながら、女子たちが全員中庭から退場していた。


私はずっと落ち着かない。

肩を掴んでいる、憧れの先輩がこんなにも近くだ。

私の胸は、今にも張り裂けそうだ。


「とりあえず……はじめようか」

「え、はい」

「そこの街路樹に立ってくれるかな」私は近くに立っていた街路樹に、誘導された。

「そうそう、いいね」奥津先輩がなぜかカメラを持っていた。


「君、何部?あまり見ない顔だけど」

「はい、部活には入っておりません」

「君は一年生、かな?」

「いいえ、二年です」

「うん、そのままその木にもたれかかって、背中つけて、そうっ!」

「はいっ」私は写真を撮られていた。

私は、少し前のことを思い出した。


三回目の出会いだ、振袖姿の私が初詣に行った。

そこの神社には、洋服姿の人が多くて振袖姿の私は目立っていた。

そんな時、偶然初詣に来ていたのが奥津先輩。

そして私を見つけては、いきなり写真を頼まれたのだ。だから私は聞いた。


「写真を撮るのが、好きなのですか?」

「趣味だよ。可愛いものを撮るのが好きなんだ。

ああ、これは違うよ。写真部としての一環で、ちゃんと作品として出すから」

「そうですか」

この情報は、知らなかった。

というより、掲示板で初めてモデルを募集しているのを知った。

私は、彼の意外な側面を知ることができた。

もっと知りたい、そんな欲求が私を揺り動かす。


「あ、あの……」私は細かいポーズを取りながら、話をしていた。

「ん?」

「好きな……人とか」

「ああ、いないよ」

「そうですか」私は、表情が明るくなった。


「おおっ、いいね、すごくいい表情だよ」

「ありがとうございます」

私は、ずっと大好きな先輩に写真を撮られていた。

その時間が、とても幸せだった。


「そういえば、まだ君の名前を聞いていないな。君の名前は?」

「私ですか?私は『ナデシコ』です」

「そうか、あの……」

「どうしました?」

「明日も時間空いていたら、ここで写真を撮らしてもらえないかな?」

「はい」私は奥津先輩の申し出を、快諾していた。



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