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変身少女のタマゴ系ライブ  作者: 葉月 優奈
二話:『詰草 恵』のタマゴアイドル:後編
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030

~~カフェ『MENEMEN』~~


場所はすぐに、カフェに変わっていく。

小さなカフェは、やはりボクとイースターしかいない。

イースターが、そばに来ていた。


「さて、ライブのあとはどうする?」

「じゃあ、ガチャを引く」

「クール系の『ブルーストリート』か?」

「うん、『パンクガール』コーデを取りたいな」

ボクが狙うのは『パンクガール』の、C(コモン)

パンクガールのモチーフはバンド少女。今のボクにぴったりだ。


「百円な」

「わかっているって」

ボクはすかさず、百円玉をカフェのそばにあるカプセル入りのガチャガチャに入れた。

ゲームの世界で、なぜガチャガチャがあるのか謎が多いが。


「さて、なにがでるかな?」

「また、ハズレ」

結局五百円を使って、『ブルーストリート』のアイテムで欲しいのは出なかった。


「ねえ、パンクガール出ないんだけど。本当にレア度最低のC(コモン)なの?」

「ああ、だがSR(スーパーレア)のポリスガールは、トップスもシューズも出たしな」

「ガチャ、おかしいよ」

ボクはガチャの不満を筐体にぶつけていた。

足元ではイースターが、うろついていた。


「まあ、仕方ないのじゃ」

「しかたなくないよぉ。それじゃああとは変身して行くのか?」

「ううん、今日はこのままいくよ」

「そうか」

イースターがちょっと寂しそうだ。


「今日はね、ありのままのボクらでライブがしたいんだ」

「そうか、わかったのじゃ。じゃあ、ログアウトでいいのじゃな」

「うん。ごめんね」ボクはなぜかイースターに謝った。

それでも、イースターはつぶらな目でボクを見ていた。


「確かに、今のライブはお主の変身はいらぬかも知れぬな。

今は、お主よりも彼らの方が変わる時期じゃからな」

そう言いながら、ボクは頷いていた。

でも、そんな時だった。

突然、ボクらの背後のエリアが開く。


「あれ、あなたは新しいタマドル?」

「えっ」

背後に出てきたのは、見慣れないひとりの少女だった。

その少女は、白いブラウスに、透明な羽。

黄緑色のミニスカートに、茶色のブーツ。

頭にはシロツメクサの花冠までつけていて、まるで花の妖精みたい。

なにより、黒髪の大きなツインテールが目立つタマゴアイドルだった。



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