めんどうな来客…
さっきから見つめられてる…
さすがに気になる。
「何かついてる?」
「えっ、いや、別に…」
「あっそ。君が向くべき方向はあっち。黒板だよ」
「わかってるわよ。」
わかってれば良い。こっちは周知出来ない。クラスの中にも薄々僕たちの事を気になってるやつも居るらしい…
特に特別な関係ではないが。
ただの友達?かな。だよね?
隣からキレイな手が僕のノートに伸びてきた。
そして「君って呼ぶのもなし。ユイって呼びなさい」って書いてきた。
無理だろ。学校で…
~昼休み~
あれから相談して、朝学校の外で待ち合わせしてお弁当を渡してもらう事にした。
これならまず、バレる事はないだろう。
「おい、田中ご飯食べようぜ」
「オッケー。あれ、佐々木さんは?」
あー、そう言われればさっきから見当たらないな。
「トイレじゃない?」
「そっか。けど、なんで最近手作り弁当なんだ?」
「えっ、それはアレだよアレ。
ごっほん…あのー 今、流行ってるんだよ。手作り弁当が。男の。」
「へぇ。そうなのか」
けど、どこ行ったんだろう?
何で気になってるんだろう…
~20分後~
気持ち良く寝ていたら起こされた…はあ。眠い。
佐々木さんが隣にいた。帰って来たんだ。何か嬉しそうだ…
僕に何か用か?
「何?」
「何って、私うれしそうでしょ?」
「あー、そうだね…」
「何があったか聞きたくない?」
聞きたくないと言ったらうそになるが、ここは…
「特に聞きたくない。」
「じゃあ、聞いて。わたし、告白されちゃった。高橋君に。」
ああ高橋が…特に疑問はない。
例の美女が転校して来た時、並々ならね視線を送っていたからだ。それにルックスも悪ない…
「へぇ。それで?」
「答え聞きたくないの?」
んー、聞きたいっていったら聞きたい。聞きたくないっていったらうそになる…
「うん」
「答えは…断ったわ。」
「えっ、何で?」
「私は軽い女じゃないの。この人って決めた人じゃないと付き合わないの」
「あー、そっか。」
何だかちょっぴり嬉しかった…
何でだろう?
案の定、昼休み後の高橋は放心状態だった。
お悔やみ申し上げます。(笑)
「ねぇ、今日遊びに行っていい?」
「ごめん、今日は無理。」
「えー、何でー?」
駄々を捏ねるなその歳で。
「無理なものは無理なの」
今日は無理。ただでさえめんどくさいのに…余計な事を増やしたくない。
~家~
今何時だろう?7時前か。そろそろだな…
ピンポーン。
来たか。
ガチャ 鍵を開け、ドアを開ける…
えっ、何で佐々木さんが?
「来ちゃった」
おい…ちょっと待て、今日は無理とはっきり言ったはずだ…
「お邪魔しまーす」
「いやいや、今日だけは勘弁して本当に無理だから…」
「えー、ひどーい。もしかして、女?」
間違ってはいない…だが彼女じゃない。
「そうなんだ!いたの?じゃあ、挨拶しなきゃ。たくみくんとものすごく仲良くさせていただいてますって。」
「もー、そんなんじゃ無いから…」
遅かった…
「誰?ここ、たくみの家でしょ?」
サングラスかけた女の人が佐々木さんの後ろに立っている…そう来客とはこの人。
「この女ね…私、佐々木結衣と言います。たくみくんとはとっても仲良くさせていただいています」
「あっ。そう。良かったわね、たくみ。」
もう、お手上げだ…
「もうそんなんじゃないって。姉貴」
「えっ、お、お姉さん⁈」
「そう。来客はお姉さんだよ。後ろにたっていて、佐々木さんが丁寧に自己紹介してくれた人は僕のお姉さん。まあ、2人とも中入ってよ」
テーブルを挟んで僕、姉貴、佐々木さんと座っている…
もちろん、佐々木さんは固まっている…何故なら僕のお姉さんは、テレビで有名な女優美希だからだ…
撮影などでこっちに来る時はめんどくさいので僕の所に泊まりにくる。
だから昨日大掃除したわけ。
「私、たくみの姉の美希よろしくね。」
「私は…」
「さっき、自己紹介してくれたじゃない。結衣ちゃんね」
「はい。私…大ファンなんです。美希さんの!」
「あら、ありがとう ウフ」
「それにしてもあんたにしてはもったいない子ね。事務所とか入ってる?」
「そんな関係じゃない。」
ここは否定させていただく。
「いえ、入ってないです…」
「あら、本当?じゃあ、今度うちに来てよ、結衣ちゃんの顔なら即採用よ」
「えっ…」
佐々木さんの顔が赤くなった。照れてる…もちろん、姉貴は冗談で言ったわけではないが…
ブーブー
メールだ。姉貴から⁈
「私、この子気に入った。
別れちゃダメよ。将来の義理の妹さんなんだから。」
寝言は寝て言え。
しかも、付き合ってない。
「姉貴、疲れてんだろ、早く寝た方がいいよ?そこに布団おいといたから。佐々木さんも遅くならないうちに帰った方がいいよ。ね?」
「いいじゃない。私もっと話したいの結衣ちゃんと。そうだ、今日泊まりなさい。うちに」
はあ、泊まるわけないだろ、てか、止めてくれ。勝手な事は…
「いいんですか⁈」
「当たり前じゃない。私が許可してるのよ。今夜は語り明かすわよ」
もうだめだ…もう僕達の兄弟関係にお気づきの方もいると思うが、僕は姉には逆らえない。
「もう、寝る…」
「はっ?何でベッド入ってるの?」
「だって、寝るから…」
「私は誰?」
「はあ、お姉さんです」
「お姉さんと言えば?」
「はい。ベッドを使います…」
「じゃあ、何でベッドに入ってるの?」
「暖めときました…」
「わかれば良い。じゃあ、あっち」




