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異世界における他殺死ガイド82

 

「はあ……」


 ヌベトシュ城の王の部屋で一人、ため息をつくのは俺である。


 ついにこの時が、来るべき時が来てしまった。


 何があったのかと言えば、コブラを攻撃する者達が現れてしまったのだ。


 いつものように自衛力強化のための訓練を村人たちに施していた俺であったが、森で魔物を追い立てている時にそれは起こった。


 訓練参加者の一部が突然俺に襲い掛かってきた。その者達は恐らくヌベトシュ城に仕えていた兵士達である。


 訓練された兵とはいえ、魔王である俺に彼らは傷一つつけられなかった。襲い掛かってきた者達は魔力糸で拘束して無力化したので彼らに怪我はないはずだ。


 だが俺の心にはほんの少し、小さな傷がついてしまったようである。


 彼らは俺を殺すことを諦めないだろう。必ずまた俺を襲ってくるはずである。


 俺はどうするべきだろうか。




 ***




「ジャブア様、愚かな私を罰してください」


 コブラとしてグロツ国民達とどう接していくか悩んでいる俺に、ダフがまた謝りに来た。


 ダフに謝る理由を聞いたところ、生きていたことが判明した勇者を殺すため、独自の伝手を使って暗殺者ギルドに暗殺依頼を出していたらしい。


 俺から勇者に手を出すなと言われるより前に依頼を出してしまっていたため、急いで依頼の取り消しを行ったが間に合わず、暗殺は実行されてしまった。


 だが暗殺は失敗し、勇者は生きていた。


 やれやれ一安心というところだが、今回はダフにしっかりとした罰を与える必要がある。


 勇者の暗殺依頼を出していたことをダフが俺にすぐに伝えれば、暗殺が実行される前に何とかできたかもしれないのだ。


 だが俺の手を煩わせるのを嫌ってか、ダフは自分で何とかしようとしてしまった。もしかしたらその裏には、また俺から罰を与えて欲しいという隠れた欲望があったかもしれない。


 今後のためにも、ダフに対してしっかりとした罰を与えるのはとても重要である。




 だがどんな罰が良いだろうか。ムチでしばいたりしてもダフは喜びそうだし、あまり強くして体に傷が残ったりしたら大変だ。


 精神的な罰はどうだろうか。俺が「使えないやつめ」などと罵ったらダフはショックを受けるだろう。それだけで十分な罰となるのではないか。だがそれでダフが立ち直れないほどのショックを受けてしまったりしたら可哀想ではないか。


 ううむ……。


 そういえば蛇は変温動物である。寒さが苦手のはずだ。


 ダフに対する罰の内容が決まった。




 ポト


「あ、ああっ!」


「ほうらどうだ」


 ポトポト


「う、ううっ!ああっ!」


「体がどんどん冷えていくぞ」


 ポト


「ジャ、ジャブア様お許しを……!」


「駄目だ、これは罰なのだ。このまま動けなくなってしまうが良い!」


 ポト


「あああっ!」


 床に寝かせたダフの体の上に、魔法で生成した小さな氷塊を落とす。


 やはりダフは寒さに弱いらしく、氷塊が落ちるたびに身をよじって逃げようとする。少し溶けた氷塊の水によりダフの青い肌が濡れ、光沢が非常に色っぽい。


 くっくっく、良い眺めだ。


 ちなみに落とした氷塊はすぐ消えるように制御している。ダフが凍傷になったりしたら大変だからである。


「ジャブア様、これ以上は……もう……」


 ダフの懇願するような目が俺の嗜虐心を強く刺激した。


「ふははははーっ!」


 ポトポトポトッ!


「ああーっ!」


 一際大きく鳴いた後、ダフは動かなくなった。


「……ダフ?」


 ダフの返事は無い。


 心配になった俺は屈んでダフの様子を見る。


「……」


 ダフは気を失っているようである。体を冷やしすぎてしまったのだろうか?


 ボウッ!


 これはいかんと魔法の火の玉を作り出し、ダフを温めようとする俺である。


「……」


 だがダフは目覚めようとしない。焦った俺はダフの身体を揺すりだす。


 ユサユサ


 ダフの着ている服の中、双丘が揺れる。


 脱皮したばかりのダフの肌はツルツルしていて触り心地が良く、いつまでも触れていたくなる。


 ナデ


 俺はもはや紳士では無い。だから女性の肌に触れることに躊躇など無いのだ。


 ナデリ


 俺の手はダフの腕から肩、肩から鎖骨へと移動し、やがて鎖骨から服の中の双丘へと……。 ※クズ



 ハッ!



 視線を感じて振り返った先には、透き通った目で俺をジッと見つめるシープラたんがいた。


 シープラたんは部屋の扉に手をかけて立っている。


 ……つかまり立ちである!


 なんということか、今すぐ抱き上げて頬ずりしたい!


 だがそのシープラたんの上には、レッドセルの冷めた目があった。



 また俺何かやっちゃいました?


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