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第二十話:『俺とオイラ』

オイラには双子の兄がいた


俺たちは家もなく仕事もなく、ゴミ箱を漁ったり、たまには盗みだってやってた


「みてみてにいちゃん、生ゴミ漁ってたらこんなのあったよ」


「リンゴの皮に、手羽先の骨、他にもいろいろ、これはご馳走だな」


生活は苦しかったが兄がいればそれだけで幸せだった


しかし、そんな苦しく楽しい日常は崩壊した


村の人たちの声が聞こえる


「いたぞ、あっちだ」


兄が村人達に見つかり囲まれた


おいらは見てることしかできなかった


「ぐはっ、、、」


大人が兄を囲んで蹴ったり殴ったりしていた


「や、やめろぉぉぉ」


「何だこのガキ、俺たちはな害虫駆除をしてるんだよ、村にいる害虫は殺さねーとな」


オイラは村の人たちにしがみついたがパッと突き放され気絶してしまった


ただ、兄の苦しそうな声だけが聞こえていた


目が覚めたとき、すでに村人はいなかった、そこにいたのは無惨な兄の遺体だけだった


…今まで忘れていた記憶だった


「あぁぁぁぁぁぁぁぁ、あぁ、あぁぁ」


「兄の遺体がない分身とかか」


「いえ、おそらく彼が作ったのでしょう、能力で」


ラドンが立ってこちらを向く


「ぐちゃぐちゃに、ぐちゃぐちゃにしてやる」


ラドンが走ってきた


「きますよ、トリアス」


ラドンの足が止まる、ラドンの目に涙が流れる


「な、止まった」


ラドンは笑顔で独り言を喋り、ナイフを首に刺した


トリアスろ圭は驚いた


「自害だと、なぜ急に」


「彼、自害する前に、何か喋っていた、まるで幻覚を見たかのように」


ラドン&ドンパ死亡、しかしそこに死体は一つしかなかった

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