いざアクアペルムへ
雅一は元正の話を聞いて言葉を詰まらせる。
元正「君が言っている事はとても大事な事だし、大切なことなのはわかる。」
すると元正は頭を下げて頼み込む。
元正「頼む・・・もうこれ以上同じ故郷の人間が死ぬのを見たくないんだ・・・。」
元正「だから・・・。」
雅一「元正さん・・・。」
雅一「元正さんの気持ちはよくわかった。」
雅一「確かに、元正さんや最高幹部の言う通り、正直俺達に勝ち目なんて無いのかもしれない。」
元正「で、では・・・。」
雅一「でも、やっぱり諦めきれないんだよ。」
元正「な、なぜ・・・。どうして戦う道を選ぶんだ?」
雅一「うーん・・・俺にもよくわからないけど・・・、
ただ単純に「助けたいって思った。」じゃあ駄目かな?」
その言葉を聞いて元正は言葉を失う。
雅一「いやね、俺も20数年間しか生きていないんだけどさ、
「目の前で助けてほしい」「力を貸してほしい」って言われて見て見ぬ振りをする事だけは、
どうしてもしたくないんだよね。」
元正「たとえ・・・相手が絶対に勝ち目のない相手であってもか?」
雅一「うーん、そうなのかもしれない。とにかく、あいつとの約束は守りたいんだよ。」
その答えを聞いた元正は安心した顔をして、雅一の顔を見て話す。
元正「そうか・・・君は私よりも若いのに立派だな。」
雅一は少し照れる。
元正「そうだ、君達の武器を見せてくれないか?近くに知り合いの鍛冶職人がいる。」
元正「そこで君達の武器を見てもらえるか頼んでみよう。」
雅一「元正さん・・・。」
元正「ハハハ、正直私に出来るのはこれぐらいだからな。」
元正「君達の事を私は尊重するよ。引き止めて悪かった。」
雅一「いいえ、色々離せて良かった。ありがとう。」
雅一「では、おやすみなさい。」
雅一は部屋を後にし自室へ戻っていく。
元正「あぁ、おやすみ。」
こうして雅一達は温泉街での1日を過ごした。その後雅一達は温泉街にある鍛冶職人の所で、
武器と装備のメンテナンスを行ってもらい、次の旅の準備を整えた。
そして温泉街での宿泊最終日。雅一達は次の目的地、アクアペルムへと旅立つ準備を整え、
駅まで来ていた。
~温泉街:最寄り駅~
雅一「それじゃあ、お世話になりました。」
元正「あぁ、気を付けて行ってきなさい。」
メル「また寂しくなるわね。」
ラフェスタ「大丈夫です。また何か進展があったら報告しますから。」
レッド「よしそろそろ列車が来るぞ。」
雅一達は駅の中へと向かい、列車に乗り込む。
元正「さて、メルさんはこの後どうする気なんだ?」
メル「リフレッシュも出来たし、仕事に戻るわ。世話になったわね。」
元正「じゃあ、私も次の仕込みでもするかな。」
~列車内~
雅一「おぉ、全車両ボックス席なのか。」
ラフェスタ「列車乗るの始めて。」
レッド「さて、席番号はどこだっけ。」
レッドは席番号を確認する。
レッド「えっと、3号車の・・・G,Hの11と12か。」
雅一達は3号車のG.H列へと進んでいく。
~3号車~
雅一「あ、ここだ。」
雅一達は切符の指定された席を見つけて荷物を置いて座る。」
雅一「よいしょっと。」
レッド「どうだい?この世界の列車は。」
雅一「うん座り心地も良いし、快適だよ。でもさっきから思ってたけど、社内は木造なんだね。」
雷閑「この列車は比較的古い車体だからね。都市部に行くとより頑丈な素材で作られた
車両になってるよ。」
そしてペイセルはアクアペルムまでの到着時間を確認する。
ペイセル「アクアペルムまではおおよそ3時間だって。長旅になるね。」
雅一「3時間か、まぁゆっくり列車の旅でも満喫しますかね。」
すると列車は発車時刻になりいよいよアクアペルムへと一行は向かった。
列車に揺られること約30分が経過。順調にアクアペルムへ向けて列車は進む。
ラフェスタ「雅一、お菓子食べる?」
雅一「ん?あぁ、もらおうかな。」
雅一達はお菓子を食べたり、カードゲームをしたり、仮眠を取ったりとのんびりとしながら
目的地へと向かう。雅一とレイラ、ペイセルはぐっすりと寝てしまった。
ラフェスタ「寝ちゃった。」
レッド「ま、良いんじゃないか。せっかくのんびり移動できるんだし。」
そんな話をしていると、ラフェスタが立ち上がる。
ラフェスタ「むっ!」
レッド「ん?どうかしたのか?」
ラフェスタ「あ、いや、ちょっとお手洗いに・・・。飲みすぎたかも・・・。」
レッド「いってらっしゃーい。」
ラフェスタはお手洗いの為に5号車へと向かう。
ラフェスタ「うー、漏れる漏れる・・・。やっぱり飲み物飲みすぎたぁ・・・。」
そしてそして4号車と5号車に渡る踊り場でフードを被った男性にぶつかってしまう。
ラフェスタ「わわっ!」
フードの男「いってぇ・・・。」
ラフェスタ「あ、ご、ごめんなさい!怪我はありませんか?」
ラフェスタはフードの男に手を差し伸べる。
フードの男「いや、大丈夫。全く車内では走り回るなよ。危ないから。」
ラフェスタ「あ、はいすいませんでした。」
ラフェスタ「うっ!まずい。早くお手洗いに!」
ラフェスタ「えっと、本当にすみませんでしたぁー!!」
ラフェスタは結局急いでお手洗いに向かう。
フードの男「忙しない奴だな・・・。」
するとフードの男はラフェスタを見てあることをボソっと言う。
フードの男「見つけたぞ・・・。例の小娘・・・。」
フードの男「だったらあの男も一緒にいるはず・・・。」
フードの男はその場を離れて運転席方面へと進んでいく。
~お手洗い~
ラフェスタ「ふい~、ま、間に合ったぁ・・・。」
ラフェスタは無事に間に合い用を済ます。するとさっきぶつかった男性について少し
引っかかっていた。
ラフェスタ「そういえば、あのフードの男・・・どこかで合った気がするなぁ・・・。」
ラフェスタ「うーん、でも顔はよく見えなかったし・・・。気の所為かな?」
その後ラフェスタは雅一達のいる所へと戻ってきた。
~3号車:G,Hの11と12~
レッド「お、おかえり。」
ラフェスタ「ふぅ、なんとか間に合ったよ。」
雷閑「一気に飲み物がぶ飲みするからだぞ。」
ラフェスタ「し、仕方ないでしょ・・・。このペペルの実のジュース美味しいんだもん!」
レッド「あ、そうだ、さっきすごい人横切ったよな。」
雷閑「あぁ、全身を大きいコートとフードで体を隠してた人な。」
ラフェスタ「あ、その人見たんだ。」
レッド「あれ?ラフェスタも?」
ラフェスタ「うん、お手洗いに行く最中にぶつかって。」
ラフェスタ「でもどうも少し引っかかるんだよね。」
雷閑「引っかかるとは?」
ラフェスタ「実は、あのフードの人、なんか初対面じゃない気がしてさ。」
レッド「初対面じゃない?過去に会ったことあるのか?」
ラフェスタ「いやぁ、顔もよく見えてなかったから・・・。多分気の所為だとは思うけど。」
雷閑「まぁ、気の所為なら良いだろう。さてと、俺も仮眠を取るかな。」
レッド「そうだな。到着までにまだ時間かかるしな。」
そうして雅一達は全員で仮眠を取り始めた。
~一方運転室~
フードの男は運転車両の扉の前まで来ていた。
フードの男「やはり・・・予想通り・・・。あいつも居た・・・憎きあの冒険者が・・・。」
フードの男は運転室の扉を開ける。
運転士A「ん?ちょっとあんたここは関係者以外立入禁止だぞ。」
フードの男「あぁ・・・わかってる。」
するとフードの男は運転士Aを突然暗殺する。その変な音を聞いた運転士Bは
とっさに後ろを振り向く。
運転士B「おい!なんだ?今の音!」
するとフードの男は立て続けに運転士Bも遅い運転室を占拠する。
フードの男は制御を失った運転台に魔法をかけ始め、
あたかもちゃんと運転できているかのように細工を始める。
フードの男「フッフッフッ、この方法なら・・・確実にアイツラを・・・。」




