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種族の壁を超えた命の血

一方本部近くには数多くのテントが貼られており、そこには戦いで負傷した兵士や冒険者で

医療現場はごった返しており、別テントには戦いの最中命を落とした遺体袋が大量に運ばれていた。


~医療現場~

医師「こっちに消毒液を!」

医師「出血量がひどい!急いで輸血を!」

ヒーラー「大丈夫だから!必ず直してあげるから!」

ライド司令官「医療状況は?」

兵士「はい、大方負傷者を運び終わりました。遺体回収も順調です。」

兵士「ですが、想像以上の被害により、医療状況はかなり危機的な状況下にあります。」

ライド司令官「ふむ、支給、国王様に連絡を、隣国への救援要請を支給出すように!」

兵士「了解です!」

するとそこへ雅一達を連れてきたビクト氏とアランがやってくる。


ビクト「ライド!」

ライド司令官「おぉ、ビクト氏!良いところへ!」

ライド司令官「それにS級のアランさんまで!」

アラン「すまない。災害対応が出来なくて。」

ライド司令官「いや、大丈夫だ。それより二人共手伝ってくれ、人手が足りないんだ。」

ビクト「そうじゃな。じゃが、この男にまず輸血をしてくれるか?」

ライド司令官「その男は・・・雅一か!」

ラフェスタ「雅一は大量の血を流して倒れてて、傷や毒はビクトさんがやってくれたんだけど、

血が足りなくて!」

ライド司令官「ふむ、他のものの容態はどうなんだ?」

アラン「全員ブロストキングの毒ガスを食らってたけど浄化したから問題ないはず。


このエルフ少女に関しては毒ガスだけじゃなく、体液も大量に付いていたからかなり衰弱している。」

アラン「治癒魔法である程度は浄化は出来てはいるが、飲み薬の解毒剤が必要だ。」

ライド司令官「わかった。おい、雅一に輸血を!レイラには解毒剤を大至急だ!」

兵士「りょ、了解!」

その後5人全員を個別のベットに寝かせて残りの治療の様子を眺めるラフェスタ。


ラフェスタ「(神様・・・どうか・・・。)」

ビクト「ではワシは他の所に行く。アランここは任せたぞ。」

アラン「あぁ、わかった。」

そういうとビクト氏は別の所へそそくさと向かっていき、その後、

治療の様子を眺めているラフェスタにアランが話し始める。


アラン「なぁ、猫娘。あの男、雅一とは、一体どんな人なんだ?」

ラフェスタ「雅一は・・・私が最初に出会った最初の仲間です。

この世界とは違う別の世界からやってきた異邦人みたいで、この世界のことを全く知らない。」

ラフェスタ「それどころか、剣すらろくに持ったこともない人でした。」

ラフェスタ「まぁ、かくいう私も戦闘経験ゼロだったんですけど・・・。」

アラン「異邦人か。久しぶりに見た気がするな。」

アラン「だが、わからないな。戦闘経験ゼロなのはわかるとしても、

剣すら持ったことが無い男が、なぜ災害との戦いに?」

ラフェスタ「彼、言ってくれたんです。私と始めてであった日に協力してくれるって。」

アラン「協力か。それは例のバイラズ帝国とも関係があるのかな。」

ラフェスタ「はい、私の故郷は、バイラズ帝国の手によって奪われました。

故郷だけじゃない、家も、家族も、何もかも・・・。」

ラフェスタ「だから私は強くなってバイラズ帝国から奪われたものを取り戻すために冒険者に

なりました。雅一は一緒に戦ってくれると約束してくれたんです。」

アラン「そうか、彼はすごい男だ。次の日死ぬかもしれない道を選択するのは

とても簡単な事ではない。君が彼を救いたい気持ちがよくわかったよ。」

ラフェスタ「でも・・・。」

ラフェスタは声を震え上げ、少し涙を流し自分の弱さを嘆く。


ラフェスタ「結局、私は・・・何もできなかった・・・。」

ラフェスタ「このままじゃ・・・私は・・・何も・・・救えないっ!」

すると、アランはラフェスタの頭を優しく撫でる。


アラン「いや、君は弱くない。あのバイラズ帝国に挑もうとするその心はとても立派だ。」

アラン「その心をもてるという事は君は強い。大丈夫だ。」

ラフェスタは少し落ち着きを見せる。


ラフェスタ「す、すみません。」

アラン「別にいいさ。それに、君達の事は少し知りたいと思っていたからね。エラ・ラフェスタ。」

ラフェスタ「ど、どうして私の名を?」

アラン「S級にもなれば新人冒険者の名前ぐらい把握しておくさ。」

そんな話をしていると、医師が二人にあることを伝える。


アラン「なんだって?血が足りない?」

医師「はい、彼に輸血するために血液検査を行った結果、かなり希少性の高いOB-12型で

あることが判明しまして・・・。」

アラン「OB-12型、随分と珍しい血液型だな。」

医師「は、はいですので、予め用意していた血液パックでは足りなくて・・・。」

ラフェスタ「OB-12型・・・。」

その血液型を聞いたラフェスタは自分の血を使えないかを伝える。


ラフェスタ「あ、あの・・・私の血を・・・使うことは出来ますか?」

医師「き、君の血をかい?」

アラン「ラフェスタ。お前も決して万全じゃないんだ。無理をすれば君が今度は倒れるかも

しれないんだぞ。」

医師「それに、君はまだ幼いし、ましてや女性だ。輸血するのにはかなりリスクが・・・。」

その言葉を聞いたラフェスタは声を大きくし、一言放った。


ラフェスタ「リスクがどうとか、幼いからとか、女性だからとか関係ない!」

ラフェスタ「大切な人の命を救うのに、年齢も性別も関係ない!」

医師「し・・・しかし・・・。」

ラフェスタの強い意思にアランもラフェスタ側へ回る。


アラン「ラフェスタの意思を尊重してくれ。」

医師「アランさんまで!?」

アラン「彼女の言う通りだ。性別や年齢で隔てては助けられる命も助からない。」

医師「で、ですが、彼女の血液が同じでなければ・・・それに獣人族の血液を人間に分けた

ケースは過去に例がありません。」

ラフェスタ「お願いです!」

ラフェスタの懇願する思いに医師が答える。


医師「わかりました。ではまずは血液検査を、その後輸血しますが、

もし体に不調を感じたらすぐに言ってください。」

ラフェスタ「わかりました。」

ラフェスタは治療室に入り、検査を受ける。

検査はすぐにおわり、同じ型であることが判明しすぐに輸血の準備が始まった。


~治療室~

医師A「では、初めさせていただきます。」

ラフェスタ「はい。」

医師はラフェスタに管を差し込み、輸血を開始する。


医師A「大丈夫ですか?」

ラフェスタ「はい、問題ありません。」

ラフェスタから血が流れていき、雅一の体内へと流れ込んでいく。

ラフェスタ「(雅一、私が・・・助けてあげるから・・・だから死なないでっ!)」

輸血から数分が経過し、雅一の容態に変化が訪れる。


医師B「バイタルが安定してきました!」

医師A「よし、この調子なら。」

しかしラフェスタの容態が少し悪くなっていた。


医師A「お、おい、大丈夫か?顔色が悪いぞ。」

ラフェスタ「こ・・・これぐらい・・・大したこと・・・ないです。」

医師B「まずいですよ。このまま輸血するとラフェスタ自身が・・・。」

医師Aはこのままだと危険だと判断し、輸血を止めようとする。


ラフェスタ「後・・・あと少しなら・・・。」

ラフェスタは雅一を助けるべく自ら無理をして少しでも多くの血を提供しようとする。


医師A「おい、もっと食べ物を用意しろ!急げ!」

医師はすぐにラフェスタに食料の提供を急がせ、ラフェスタが倒れないように

体制をすぐに整え、輸血量は必要分を確保することに成功する。


医師B「輸血量、必要分まで達しました!」

医師A「よし!」

輸血が完了し、器具を取り外した。


医師A「よく頑張ってくれた・・・。後は任せなさい。」

ラフェスタ「あ、ありがとうございました・・・。」

ラフェスタは立とうとするが、輸血量が多かったからか体に力が入らなく、

アランがラフェスタの肩を支えた。


アラン「大丈夫か?」

ラフェスタ「あ、ありがとう・・・ございます。」

アラン「ちょっと俺はこの子を休ませてくる。後は任せたよ。」

医師達「はい。」

ラフェスタとアランはその場を後にし、場所を移動し始めた。

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