敗北!?厄災ブロストキング戦
一方、パランディ攻防戦を水晶越しに鑑賞していた者達がいた。
それは、バイラズ帝国軍最高幹部達だった。
~バイラズ帝国~
フローエル「パランディが陥落するのも時間の問題になってきたね。」
豪儼「例の冒険者も出てきてはいたが結局こんなものか・・・。」
フローエル「ま、戦力差が桁違いだもん。もう勝敗は付いたようなものだよ。」
ファルン「でも、一人そうは思ってないみたいだけど?」
ファルンが言う通り、戦いの様子を見ていた最高幹部の一人バレット・ハグラだけは
なぜか浮かない顔をしていた。
ハグラ「ふむ・・・。」
フローエル「何よハグラ。もしかしてブロストキングの大軍勢が負けると思ってるの?」
ハグラ「まぁな。」
豪儼「おいおい?一体なんの冗談だ?最高幹部で最強のお前が
そんな冗談言うなんて。」
フローエルと豪儼はハグラの言う事は真に受けていなかった。
しかしファルンはハグラがそう思った理由を問いただした。
ファルン「何か理由があるんでしょ?」
ハグラ「・・・。」
ハグラは少し沈黙した後、口を開き、理由を周りに話し始めた。」
ハグラ「そうだな。未だに例の異邦人の行方がわからないのが気になる。」
ハグラ「少なくとも、彼は冒険者に成り立ての頃、まだまともな戦闘経験もない時に、
A級最上位種の一体を倒した事がある。」
フローエル「それが今回も同じようなことが起きるんじゃないかって危惧してるの?」
ハグラ「まぁな。ブラッドも俺と同じような事を考えていたみたいだったしな。」
フローエル「そうなることが無いように、私達は今回の襲撃に対策をつけたんでしょ?」
フローエル「アンデット軍の再生能力や数を膨大に増やしたのも、核を2つに分けたのも。」
フローエル「それに、あの異邦人が例え生きていても、すでに陣形は崩壊。
もう勝敗は決まっているぐらいまでに戦況がわかるのに今更敗北なんて。」
ハグラ「そうだな。普通なら思いもつかないだろうな。」
ハグラ「だが、こうゆう時程、足元をすくわれるものだ。」
するとハグラは席を立ち上がり、部屋を出ていった。
フローエル「何よ、ハグラの奴・・・。」
豪儼「まぁハグラは俺らと違って生きている次元が違うから、
何かわかっているのかもしれないがな。」
ハグラ「異邦人の佐藤雅一に、猫族のエララフェスタか・・・。」
豪儼「おい、どこに行く気だ?」
ハグラ「彼らを近くでみたい。」
そう言うとハグラはそのまま部屋を後にした。
ファルン「はぁ、全くハグラは。」
ファルンもため息を付きながらもハグラの後を追いかけていった。
フローエル「ファルンまで・・・。まさか、本当に負けると思ってるの?」
一方部屋を後にしたハグラとファルンは現地に向かうために準備を進めていた。
ハグラ「ファルンお前まで来る必要はなかっただろ。」
ファルン「何いってんの。あんたがあんな事言う事なんてめったに無いんだから。」
ファルン「私だって気になるでしょ。どんな人なのかさ。」
ハグラ「ま、好きにすれば良いさ。」
ハグラ「少し遠目に転移するぞ。」
ファルン「りょーかい。」
そう言うと、二人はパランディの戦況を自分の目で確かめるべく、現地へと向かった。
その一方、パランディ攻防戦の最前線に出たラフェスタはドボルタイラントに
トドメを刺されそうになっていた。
~パランディ攻防戦 最前線~
ドボルタイラント「ふふふ、お前たちの旅はここで終わりだ。」
ラフェスタ「(く・・・っそ・・・。)」
ラフェスタの体は動くことができず、ドボルタイラントの攻撃を回避できそうもない。
万事休すとなったその時、誰かの声が聞こえ始めた。
???「一刀流、曝気接雁」
誰かがドボルタイラントに勢いよく切りかかった。ドボルタイラントは
突然の攻撃に思わず後退りしてしまう。
ドボルタイラント「っち。誰だ!?」
ドボルタイラントに切りかかった者が誰なのか突き止めようとした次の瞬間、
渓谷の上の方から再びドボルタイラントにめがけて攻撃が放たれた。
???「覇神!」
その攻撃はドボルタイラントの大部分の体をえぐり、ドボルタイラントに
大ダメージを与えることに成功した。
ドボルタイラント「ぐっ・・・。」
ドボルタイラント「(な、なんだ、今の攻撃はっ・・・。)」
そして、攻撃をした二人はラフェスタの眼の前に立ち、ラフェスタを守ったのだ。
ラフェスタ「(だ・・・誰・・・。)」
???「ごめんねラフェスタ。遅くなって。」
聞き覚えのある声を聞いたラフェスタはすぐにその二人が誰なのかがわかった。
ラフェスタ「れ・・・レイラ・・・。雅一・・・。」
殺される寸前に現れたのはレイラと雅一だったのだ。
その二人の姿を見たラフェスタとドボルタイラントは驚きを隠せなかった。
ドボルタイラント「あの二人はっ・・・。」
ドボルタイラント「あの小娘の仲間かっ!」
ラフェスタ「い、今まで、一体どこに・・・。」
雅一「悪い。あの後、すぐに合流しようと思ったんだけど、俺達の周囲にも
アンデットが攻めてきたもんだから・・・。」
レイラ「なんとか、対処して、ここまで来ることができたの。」
レイラ「でも、ちょっと時間かかりすぎちゃったわね。」
ラフェスタ「ほ・・・本当に・・・。心配・・・したんだか・・・・ら。」
二人の無事を見て安心したのか、ラフェスタはその場で気を失ってしまった。
レイラ「ラフェスタ!」
雅一「大丈夫。気を失っただけだ。」
ドボルタイラント「ふん、まさかお前達が今まで生き残っていたとはな。」
ドボルタイラント「だが、今更来て何ができるというのだ?」
ドボルタイラント「お前達の部隊はほぼ壊滅。お前の仲間もこの通り、
俺達の足元にも及ばなかった。」
ドボルタイラント「すでにお前達は負けたんだ。」
ドボルタイラントがそういうと、二人は口を開いた。
雅一「そうだな。確かに、今のこの状況じゃ、誰がどう見ても勝ち目はない。」
雅一「でもさ、俺は諦めきれないんだよ。」
雅一「俺はラフェスタに言ったからさ。力を貸すって。」
レイラ「えぇ、そうね。私もここで終わる気なんて毛頭ないわ。」
レイラ「あなた達バイラズ帝国に奪われた故郷を取り戻す為、日常を取り返すために。」
レイラ「私達は、」
雅一「俺達は、」
雅一&レイラ「この戦いに絶対に勝つ!」
雅一とレイラは覚悟を決める。そんな二人を見ていたドボルタイラントは
不審に笑った。
ドボルタイラント「フッフッフ。絶対に勝つだって?」
ドボルタイラント「だったら、やってみせろよ。この大厄災を相手に!」
雅一とレイラはどう戦うかその場で作戦を考え始めた。
レイラ「雅一。どうする?二人で同時に叩く?」
雅一「いや、片方だけ倒してもすぐに元通りになる。しかも敵は2体だ。」
雅一「レイラ。お前はブロストキングの方を頼む。」
雅一「俺はやつを・・・。」
雅一の作戦にレイラは何も言わずに頷いた。
レイラ「雅一、そっちは頼んだよ。」
雅一「あぁ、レイラ。お前もな。」
レイラと雅一は武器を構え、臨戦態勢を取る。
ドボルタイラント「ふん、タイマンで勝負ってか。面白い。」
ドボルタイラント「すぐにお前達も地獄に送ってやるよ。」
雅一「地獄に落ちるのは・・・。」
レイラ&雅一「お前らだ!」
こうして、ドボルタイラントVS佐藤雅一の戦いとブロストキングVSアルメスレイラの
戦いが幕を開けた。




