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『精霊の舎(いえ)』  作者: 弘せりえ
39/55

精霊の舎-39

 ガイヤはマギの書いた、

いくつかの物に目を通した。

明らかに、過去生での自分が

モデルになっているものもあれば、

想像で書かれているものも

かなりある。

が、その想像の世界の心地よさに

驚いた。

自分が味わえなかった様々な

思いや感覚を、ガイヤはマギの

書き物の中で味わった。

そしてマギの、自分に対する愛情や

ある意味での執着に驚愕すると

同時に、決してそれが不愉快な

ものではないことに気付いた。

 そこには大きな何かがある。

運命の恋人と行違うことの醍醐味と

いったものを楽しむ感さえあるのだ。

 マギの創作者としての可能性が

カイというミューズを見つめながらも、

彼本人を手に入れないジレンマの

中で、大きく花開いているのだ。


―これは、驚きだ・・・-


ガイヤは、ホンナの思い入れも

多少理解できるような気がした。

そしてマギの心に念じてみた。

まだ、自分の姿が彼女の中に

存在しているかどうかを。


               続

   


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