森へ
リグリスで一泊した後、俺達は町を出て森へと入った。そしてできるだけ魔物を避けて目的地へと進んで行った。すると突然、マップ上に髭面の男が浮かんだ。こんな事は初めてだ。
「どうかした?」
突然動きを止めた俺にキースが声をかけてきた。俺はキースを振り返って、「なんか突然、マップに髭面の男が出てきたんだけど……」と戸惑いながら答えた。
「それって、この先にいるってこと?」
キースに言われるまで気づかなかった。そうか、そういうことか。マップ上に髭面の男は進路の障害物のようにたくさんいる。これはもしかして──
「盗賊……」
「盗賊!?」
キースが驚いて声を上げる。そして慌てて口を塞いだ。
「ち、近いの?」
「まだだいぶ先。今、避けて通る道を考えてるんだけど…………」
盗賊を避けて安全に行こうと考えると、マップが頭に浮かばない。ただ盗賊を避けて通るだけの道を考えると、今度は大きな虎のような魔物がマップ上に現れた。盗賊か虎か、どちらかとは闘わなくてはならないみたいだ。
「盗賊を避けると、虎の魔物がいるんだけど……」
困ってキースに言うと「トラって何?」という答えが返ってきた。……この世界には虎はいないみたいだ。
「とにかくデカくて黄色と黒の縞々の魔物」
「! それ、ラガーじゃないか!?」
何そのビールみたいな名前。
「ラガーはまずいよ、まだ盗賊のほうがマシ」
キースが言うには、ラガーというのはAランクの冒険者が討伐するような魔物だそうだ。
……俺たちまだEランクだもんな。いくらピーコが強くても無理だよな。でも盗賊は31人いるみたいなんだけど。
一番人数の少ない所を狙って通ればいけるかな……ナビさん、安全に通れる所を教えて下さい。




