聞いてみた
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「ゆー!カナ、リア、あれ食べたい!」
ゆーちゃんが指さしたのは、ホーンラビットと言われる魔物の肉を焼いたものだった。
「あれか?」
「ゆー!」
「ちょっと、待ってろ」
リアは、屋台まで行きホーンラビットの肉を買ってきた。
「ほれ、ゆー」
「リア、ありがとー」
ゆーちゃんは、リアから肉を受け取ると肉にかぶりついた。それも、縦に。串とか大丈夫なのかな?
ーーモキュモキュ
「っーーーー。おいしーーーー!」
ゆーちゃんは、両手を頬にあてて体をくねくねさせてる。その笑顔は、まるでお日様のように輝いてる。ここまで喜ばれたら、職人冥利につくんじゃないだろうか?
「じーーーーーー」
ゆーちゃんは、リアが持っている残り二本の串焼きを見つめている。
「なっ、駄目だからな。これは、俺とカナの分なんだから。ほら、カナ」
「ありがとう、リア」
私はリアから受け取り、かぶりつく。もちろん、横だよ?
「ーー、うん美味しい」
味気ないとか言わないでほしい。これは、結構好きなのでよく食べているから新鮮味に欠けるのだ。
「じーーーーーー」
ゆーちゃんは、リアが持っている串焼きをずっと見ている。
「なっ、だから駄目だって」
「ゆーー」
ゆーちゃんは、そんな〜と言う感じに答えた。その断られた時の顔は、ひどく落ち込んでいた。
「っ、あげるから。あげるってば」
「ゆーー!リア、大好きーー!」
ゆーちゃんは、リアに抱きつき顔をスリスリとしている。
「っ、や、安っぽいんだよ!」
リアは、そう言うが顔が喜んでいる。尻尾がブンブンと振られている。
「味わって食えよな」
「ゆー、あーん」
ゆーちゃんは、首を縦にコクコクと振り口を開けた。
「・・・あーん」
ゆーちゃんは、パクパクと食べて行く。食べるたびに笑顔になる。リアもゆーちゃんの笑顔を見るたび笑顔になっている。・・・リアには悪いけどあの称号は間違ってないと思う。
「ゆーー、カナーー」
「はい、どうぞゆーちゃん」
「カナ、ありがとーー」
リアの分を食べたゆーちゃんは、私の方へ来た。私の残っている串焼きが目当てだろう。私が串焼きをあげるとゆーちゃんは笑顔になる。それこそ、パァァァァと言う効果音がつきそうなくらいに。私もそれを見て嬉しくなる。
「次、次のやつ食べたい!」
私達は、ゆーちゃんが食べたいと言うものを買ってあげた。お金はかかったけど、いつものお礼とこの笑顔が見れれば安いものだなと思う。
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「ゆーーー、カナーーー」
「なーに、ゆーちゃん」
ゆーちゃんは、私に抱っこされている。何故かと言うと、ゆーちゃんが間違って酒を飲んでしまったから酔っているのだ。料亭でリアがエールを頼んでいて、私達が目を離したときにゆーちゃんがエールを飲んでしまった。
「すきーーー、ちゅ」
「ひゃぁ、こら、ゆーちゃん」
「ゆーーーー」
ゆーちゃんは、顔を赤くして目がまどろんでる。
「ーーーーー」
「どうしたの、リア?」
「な、なんでもない」
リアは、ゆーちゃんを見ている。うん、もうあの称号は確定じゃないかな?でも、仕方ないかもと思う自分もいる。だって、ゆーちゃんは可愛いしね。それも凄く!肌は白くて綺麗だし、髪も絹みたいなんだよねー。・・・はっ、ダメだダメだ。私にもあの称号がついてしまうかもしれない。
「・・・なぁ、カナ。ゆーに聞いてみないか?」
「何を?」
「なんで、カナの使い魔になったのか。なんで、俺たちに危害を加えないのかを」
「・・・うん」
ギルドを出る時に、リアと話していたのだ。なぜ、ゆーちゃんは私の使い魔になったのか。なぜ、私達に危害を与えないのかを。ゆーちゃんのステータスなら、本来私なんかが使い魔に出来ないのだ。それに、ゆーちゃんが持っている称号を使えば何時でも使役魔法が解除される事も分かっているのだ。だから、気になった。なんで、私の使い魔になったのかが。
答えてくれるかは分からない。けれど、酔っている今なら答えてくれそうな気がした。
「ねぇ、ゆーちゃん」
「ゆーーー、なにーー、カナー」
「なんで、私の使い魔なんかになったの?」
「ゆーーー、あんまり覚えてない。けど、カナが優しそうだった。カナだけだった。私を見て襲わなかったのは。だから、カナの使い魔になったんだと思う」
「そう、ありがとうゆーちゃん」
ゆーちゃんを優しく撫でる。
「ゆーーーー」
ゆーちゃんは気持ちよさそうに声を出す。可愛いなぁ。
「なぁ、ゆー」
「なにー?リアーー」
「なんで、俺たちを襲わないんだ?お前の称号なら、使役魔法は解除できるんだろ?」
「ゆーー、だって、襲ってこないから」
「へっ?じゃあ、俺がお前を襲ってたらどうなったんだ?」
「こうーーー」
ゆーちゃんは手を伸ばして、リアの耳や尻尾。それに胸などを触っている。
「やんっ、や、やめて、ひゃあん、だ、だめ、お願い」
「ゆーー」
ゆーちゃんは、手を元の大きさに戻す。
「・・・・・ハァハァ、(襲わなくて)良かったよ・・・」
うん、何かいけない言葉に聞こえる気がする。
「ゆーー・・・・」
ゆーちゃんは急に眠りに就いた。
「・・・よかったぁ。ゆーちゃんが使い魔になってくれて」
「あぁ、そうだな。こんな奴に会ったらかなわないしな」
「そうじゃなくて、ゆーちゃんが私の使い魔になってくれたのが嬉しいんだよ!」
「分かってるって」
私は、この子に愛想が尽かされないようにいいご主人でいようと心に固く誓った。




