1 開幕
「おいおい、マジかぁ」
アラシは組織『白夜』の本拠地に存在する訓練場で、ため息混じりに呟く。
片付け役はたったの一人。だというのに、氷、炎、岩、ありとあらゆる魔法を行使した痕跡が周囲に容赦なく残っていたのだ。
──ため息の一つも、吐きたくなるものだろう。
「じゃんけんで負けたからってさぁ……この訓練場一人で片付けろとか酷いぞ、ガチかよ」
アラシは風魔法を使って、魔法の痕跡の片付けをし始めた。氷魔法の痕跡を粉砕し、炎魔法の痕跡を相殺で打ち消し、岩魔法の痕跡を切り刻む。
破壊された魔法の痕跡が魔力として変換され、空気中に漂う自然な魔力と合流していく、魔力の結晶を見届けた。
「大体こんな感じかねぇ。流石に俺一人じゃあ、ここまでが限界だろ」
アラシは一度、訓練場を見渡した後肩をすくめる。退出しようと出口に足を向けた。
あしを。でぐちに、むけたのだ。たしか。
「……あれ」
じぶんのあしがみえた。
「え、あ?」
眼前で、大きな音と共に自身の胴体が倒れる姿を、首と頭だけのアラシは確認した。
同時に、その胴体と首と頭だけのアラシを見下ろす、何者かの足らしきものがあることも知った。
「あー、悪りぃ。即死させるつもりだったのニなぁ」
その声を、アラシはよく知っていた。が、頭が理解を拒む。
それもそのはず。自身の声だったのだ。
「今、楽にしテやっかラ」
「ぁ」
自身の声をしたナニカが、声を訓練場に響かせながらアラシに接近する。
アラシの頭上に足らしきものの影が覆い被さった。アラシの視界の範囲外で、強く強く、踏みつぶす力がアラシの頭に加えられた。
アラシの最期は、そんなものだった。
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討伐対象:アラシの『ツインレイ』
特徴:?
出没場所の事例:『白夜』本拠地の訓練場
討伐による代償:?




