決闘ってさぁ。定番だよねー。
戦闘シーンは自信ないんですよね〜…。
赤…それはロボット界においてとても重要かつ特別なカラーリングである。私たちはその色に対して、オタクなら当然だが敬意を払っていなければならないのだ。そして今、私の前にはその色が立ちはだかっているのだ。
(赤い…奴は、紛れもなく赤だ。という事は、強いという事だ!)
赤い奴と闘えるという事自体、ロボオタにとってはご褒美…いや、神からの賜り物と言えるだろう。が、それと同時にある不安が浮かび上がってくるのだ。それは…。
「…この決闘、勝ってんの?私…」
『何言っているんですの!わたくしは神によって創造された神器なのですわよ?そんなわたくしが、あんな派手な配色のオモチャに負けるわけにはいかないのですわ!』
ルテナのこの性格が一番の不安点なのだが、私は事態がより悪化するので本人に発言することを辞めた。
そしてその時がやって来た。
「さぁ!皆様、只今より-挑戦者-ナトハ・ヒテールさんと!クルセイダー7位アイリス・ベクト・マイナーク様の決闘を開始します!!司会はこの私、プラスイ・シコーラが担当しますよぉ!以後よろしくです!」
やたらとウルサイ司会の声さえも、周りの観客たちの声援で普通に聞こえてしまうこの状況はどう考えても異常だ。だが、これでハッキリした。この学園では‘クルセイダー’ということがどれだけ重要であり、憧れの的であるという事が。
「あれ…これ私、公開処刑じゃない?」
『ナトハ…今更気づいたのかい?クルセイダーと決闘するってことは、生徒全員の前で見せしめにされるって事なんだよ。』
アルリードのコックピットに私に向かって呆れる、アルクの表情が映し出された。
「見せしめにされるのは、ヤバイなぁ…この学園で行動するのが難しくなるし、何より他のロボットと闘えなくなる!!それは困るよ!?アルク!」
『他とも決闘するつもりなのかい?…はぁ〜それが嫌なら、アイリスさんに勝つしか無いね』
『当たり前ですわ!奈兎羽、準備はいいですの?そろそろ行くのですわ!』
私は考えるのを辞めて、ただ勝つことだけを考えることにした。
「やるしか無いか!勝つよルテナ!赤いことが勝敗を決定付けるものではない事を、あの姫に教えてあげる!」
「両者準備が整った様です!では皆さんお待ちかねぇ!ナイツファイトォ〜レディ、ゴー!!!」
そのどっかで聞いた事のある合図で、二つの巨人はお互いめがけて突撃した。
「速い!?」
どうやらスピード勝負は、ロゼット・ルージュの勝ちの様だ。ルージュのスピードはその‘赤’に相応しく、こちらのスピードを凌駕していた。
「わたくしの攻撃は、頭に良いですわよっ!!」
[ガツーーーン]
ルージュの右ストレートがアルリードの胸の装甲に響き、その衝撃はコックピットに届いた。
「ルテナ…これパイロットも結構痛いのね…」
『そんな事言ってる場合じゃ無いですわ!!次が来るのですわ!」
私が体制を直して前を見ると、ルージュの左の拳が目の前に迫って来ていた。
「うっそ!?…でも二度は喰らわないいいいい!」
アルリードはとっさにしゃがみ込み、ルージュの攻撃を交わすことに成功した。
「頭を下げれば大丈夫ってね!」
しかし、
「あまいっ!」
避けたのも束の間、ルージュの右足の蹴りがアルリードに飛んで来る。
「この機体の反射速度、ナメんなぁぁぁぁ!!!!!」
アルリードはルージュの蹴たぐりを喰らう前に、背後にバク転しながら後退した。
「ッチ!外しましたわ…」
(あの反応速度…やはり普通のナイツ・ギアではありませんわね)
「ふぅ〜、危なかった!でも良かったぁ、ちゃんと反応速度も設定どうりで」
『ま!当然ですわね!』
会場に一旦の静寂が走った、恐らく生徒はすぐに終わる簡単な決闘だと思っていたのであろう。だが実際は、圧倒的なスピードと想像以上の反応速度の高レベルな立ち回りに、圧倒されたであろう。正直、私が一番ビックリしている。
「ま、まさかの展開だーーーーーー!!いつも瞬殺しているロゼット・ルージュが攻撃を交わされたーーーーーー!!」
司会の声が会場に響き渡ったが、観客達の止まった時間は動き出さない。それどころか、こちらのルージュとアルリードの時も止まってしまった。
「おっと!両者、動きを止めいる?タイミングをうかがっているのでしょうか?」
(ん?、なんで攻撃して来ないの?)
『恐らく、アルリードの攻撃がどの様な物か観て見たいのですわ。さっきのアルリードの反応を見た事で、ただの雑魚では無い事が分かって対応策を練ろうとしているのですわ!』
「どうしよっかなぁ………じゃあ、それに乗っかって攻撃しますか!ねぇ、ルテナ‘アレ’出来る?」
『もちろんですわ、設定は忠実に再現しているのですわ!』
「オッケー!じゃあやってみよう!‘アレ’をね!」




