第4章 詫び
敬語が若干おかしいかもしれませんが、私の常識不足なのですいません。日々精進に努めていきます。
「ごめんなさい」
「…え?な、何?あんたなんかしたの?」
ミルクティーを噴出しそうになってエラトは咳き込んだ。
一方リバは、ぽかんとした顔でアラリスを見た。
「いや…、あ。な、なんとなくですよ〜。…だから気にしないで下さい。」
「いやいや。そういわれても。…ねぇ?」
「言っちゃいなさいよー。」
「いーですよーもー。」
「言いなさいよ!言ってくれないとこっちだってなんか気分悪いじゃないのよ。」
「…そうですか?」
「そーよ」
アラリスは意を決したように、カップをソーサーの上に置いた。
「きっと、きっともう、今でしか言えないことだから、…言いますよ?」
アラリスは続けて言った。
「実は」
「じつは?」
その瞬間、アラリスは笑みを浮かべた。
「それ毒入ってます」
カタン
「冗談ですよ」
「うごほっごほごごっっほほっつごっ…ちょっごほ、ちょっとぉー!!ごほっ。」
「…びっくりした。」
リバは激しく咳き込むエラトの背中をさすってあげた。一方アラリスの方はどうかというと、してやったりと言いたげな顔をして、爆笑していた。
「はーぁははははははっ!ごめんなさい〜。まさか本気にするなんて思わなかったから…。」
「冗談きついわよー。この前だって毒殺事件があったそうじゃないの。」
「あら、そうでしたっけ。誰が亡くなったんですか?」
「確か、5大貴族の一つ、カーバンクル家の当主だったわね。」
「怖いわよねぇ。」
「下手人は見つかったんですかリバさん?」
「未だよ。疑いのかけられている者は何人かいるようだけど、証拠を全くといっていいほど残してないから、所詮お宮入りってことになるでしょうね。まぁ、お世継ぎがいたのは不幸中の幸いだったわ。まだ幼いから実際の実権は周りの人間が握るんでしょうけど。」
さすが生き字引ねぇー、とエラトは感心してしまった。
「………。」
「アラリス、煙に巻いてんじゃないわよ。」
「…え?」
リバの突然の突き刺さるような言葉に、黙っていたアラリスは唖然とした。リバの口調はそこまで厳しいものではなかったが、眼はアラリスの心の内を完全に見透かしているようだった。
「こんな下手な冗談言って、逃げる気でしょ?」
「よしなさいリバ」
エラトがやんわりとリバを諌めた。アラリスはゆっくり息をはいた。
「…ばれましたか。」
「とっくにね。そんなに言いたくないの?」
「そういう訳ではないんですけど…。なんだか恥ずかしくなっちゃって。」
エラトは首をかしげた。
「どういうこと?」
「…あの、あんまり上手く言えないんですけど。それでもいいですか?」
「いいわよ」
リバは微笑んでそう言った。
アラリスは一気に吐き出した。
「最近、この国って異常事態がおこっているじゃないですか。私達、もう平和に寿命を全うできるか分からない状態ですよね。みんなみんな、明日死ぬかも知れない身なんです。自然災害だけでも大変なのに、陛下によれば、人による作為的なものかもしれないって。それで、陛下は鎮圧のために粉骨砕身なさっておられますが、一人だけでは土台無理な話で。頼りになる官吏とか、陛下にとってそういう人って、即位したばかりだから、全然いなくって。新しく見つけるのがとっても大変で。それでとてもお辛そうで見ていられなくて。リバさんやエラトさんまで、私が無理言ってお二人に頼み込んだから、警護で陛下のお傍に交代でいたり、休みの日も返上して家に帰らず色々仕事をこなしていたり、国のために頑張っていて。…私なんかなんにもできていないのに。私はお二人よりももっと頑張らなくてはいけないのに。せっかく陛下が信頼できる官吏だとおっしゃってくださったのに…全然」
「何言ってるのよ、アラリス。」
エラトは母親のようにアラリスに言った。
「そんなに一人で背負い込んで。別にこんなの苦労でもなんでもないわ。何気にしてんのよ。私達はそんなあんたの負担を少しでも減らそうと思って、何か手助けができるかなと思って、勝手にそうしてるだけよ。あんたが好きでやってんのよ。だからまず自分を労わりなさいよ。ね、リバ?」
「そうね。」
涙目になりながら、アラリスは何度も礼を言った。
今度からより速く次のを連載するために、章を短く書いていこうか、迷っています…。
中間終わったら続きを書くのでそれまでご辛抱ください…。すいません。