表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/51

巣立ちの時、来る

割と無理やり巣立ちさせてみました。

 マザーに1ヶ月ほどついてまわった結果スキルはかなり強化されたと思う

 俺自身はまったく強くなった気がしないけど

 強奪する吸血についても少しわかった、確率でスキルを奪ってるみたいだけどその確率はどうもスキル毎に違うみたいだ

 麻痺牙や毒牙は結構確率が高い7割くらい獲得できてるが水魔法や耐性系は4割くらいだと思う

 これもスキルレベルが上がれば確率は上がるんだろうけど、今のとこ特殊スキルは一度も獲得できていない


 1ヶ月の間に他に強くなってきたのがマザーからの自立しないの?っていう無言の圧力

 時々ダメな子を見るような目で溜息をついているマイマザー、なんかごめんよ


 1ヶ月の間におれが狩りについていったのは実は3回だけ、他はマザーの出産場所でスキルのレベル上げや魔法の練習に明け暮れていた

 引き篭もりのおれにご飯を持ってきてくれるマイマザー、まじ感謝


 魔法の威力はそこそこあるんだから魔法主体なら戦えるとは思うんだがマザーが言うにはバット種は基本打たれ弱い

 咬みつく事ができても反撃されたら簡単に逆転されるからやるならば先手必勝の一撃必殺狙いだと、実際マザーの狩りは風魔法での首刈りしかやってなかった、ちなみにスライムは体の中に核があるのでそれを狙ってた


 まぁ、だからこそおれはスキルのレベル上げを優先したんだけど、すこしでも取れる手段は多いほうがいいからな


 そんな時だ、マザーから衝撃の言葉が告げられたのは


「そろそろ新しくまた子供を産むからあんた旅にでも出なさい」


「うぇぇぇ!?マザーいつの間に妊娠したの!?相手は!?」


 おれの知らない間にマザーはナニをやってたんだ!?みたいなノリで言ってみたら羽ではたかれた


「あのねぇ、私の特殊スキルに出産ってスキルがあって、定期的に私は子供を産むの、あんた出産場所でなんかやってるでしょ?邪魔だしもう教えることもないから旅にでもでなさいな」


 お、おぅはっきりと邪魔って言われちまったぜ

 まぁ、確かに何時までも此処にいるわけにいかないよな、ここにいればそりゃ安全かもしれないが

 安全な所で守られて生きる、それは生かされてるだけで生きてはいないんじゃないだろうか

 ならば、此処から出て自分の力でなんとか生きていこう・・・・・・怖いけど

 やばくなったら影にでも潜って逃げるか這いずって逃げる!!

 なにより、外に行く事にワクワクしている自分がいる、こんな気持ちになったのは何時以来だろうか?

 やばいな、そう考えたら居ても立っても居られない、思い立ったが吉日、今から行こう!!


「わかったよマザー、おれ旅に出るよ!!」


「ん、そうかい、悪いね追い出す形になっちまってさ」


「いいんだ、何時かは親元を離れないといけないんだし、それが今になったってだけだ」


「は?え?」


「じゃぁ、行ってくるよマザー!!1ヵ月と短い間だったけどお世話になりました!!有り難う!!そしていってきます!!」


「あ、ちょ、まっ」


 言うが早いかおれは洞窟の出口に向かって飛び出した、後ろでマザーが何か言ってたがよく聞こえなかった

 しんみりするのは苦手なんだ、でっかくなって帰ってくるからね、マイマザー!!


「・・・・・・誰も今すぐとは言ってないじゃない」









 マザーの巣から飛び出して30分ほど飛んだら洞窟の出口が近づいてきた

 出口の先を見てみると森が広がっているようだった

 さすがに出口付近はやっぱり日が当たって明るいな、ってか日にあたるのかなり久しぶりだな

 ん?あれ?おれ一応ヴァンパイア・バットで吸血鬼的なものになるんだよね?日差し大丈夫なのか?

 日に当たったら即死とかないよね?旅に出た瞬間死亡とか笑えないんですけど?


 日の当たってる場所の寸前で着地して少し待機

 そーっと羽の先を陽だまりに伸ばしてみる、これでダメージ受けたらだめって事だ


「そーっと、そーっと」


 傍から見たらあほな光景だろうなきっと、だが大事な事だ


「お?お?痛く・・・・・・ない?いける?大丈夫?」


 少しづつ体を陽だまりの中に入れていくが異常は感じられない

 むしろ久しぶりに日差しを受けて体が温まってきてとても気持ちいいぐらいだ


「はぁ~、日向ぼっこってなんでこんなに気持ちいいんだろうな、ずっとこうしていたい」


 そうやって陽だまりの中で微睡んでいるとおれの気配感知に複数の気配が引っかかった


「ん?なんだこれ?2つの気配が3つの気配に追われてる?」


 洞窟から出たらいきなり何かトラブルの予感がしてきたな

 よくある場合だと盗賊に追われるお姫様的なものなんだろうけど、おれ魔物だし?助けに行ったら逆にやられる的な?

 その場合は無視だな無視、自分から死にに行く趣味はおれにはない

 ないんだけど気になる、ここで無視して何処かに行くのもいいんだけど、おれの野生の感が叫んでいる曰く、首を突っ込めと

 何かいい出会いが訪れそうな気もするしって事で行ってみますか



 そうして気配感知を頼りに飛んで行ったところそこには3人の人間の男達に追い詰められた2匹の魔物がいた


「んー、あれって多分、ゴブリン的な魔物だよな?人間はあれか?冒険者ってやつか?」


 これ、おれはどっちの味方になればいいんだ?魔物だからゴブリンか?でも中身は元人間だしな

 影に潜って少し観察してみるか


 おれは隠密と影操作を使い3人の男たちの後ろに移動した、森の中だから影がたくさんあってよかったぜ


「ったくよー、ゴブリンのくせに手間かけさせるんじゃねーよ」


「お前がしっかりしてれば逃げられてねーよ、反省しろ反省」


「ゴブリン如きに逃げられるとか笑えるんですけど(笑)」


「ゴブリン10体の討伐とか簡単すぎて真面目にやってられるかよ」


「その結果がこれなんだけどな?真面目にやってればもう終わって今頃は酒場で飲んでるはずだったのに」


「ゴブリン如きと1時間も追いかけっこするとかマジ笑える(笑)」


 え?1時間も追いかけてたの?それはマジで笑えるは、諦めて他の狙えばよかったのに

 むしろ1時間も逃げ切った2匹がすげーよ、それだけ必死だったんだろうな生きるのに・・・・・・

 今も2匹寄り添って互いが互いを守るように抱き合ってる状態だもんな

 さて、おれはどうするべきかな、いい出会いの予感がしてたけどどうもこの男達じゃないっぽい

 だとするとこの2匹のゴブリンか?でも助けてどうなる?むしろ助けれるのか?どうやって?


 状況的にはおれは男たちの背後にいて気付かれていない、このまま風魔法で男たちの首を飛ばすのは簡単だ

 だが、魔法が通じるのか?耐性持ってたりしない?まさか魔法無効とかスキルないよね?

 いや、何も殺す必要はないだろう?2匹が逃げれるようにすればいいんじゃないのか?

 このまま影に潜んで男たちの足にでも麻痺牙で咬みついてやればよくね?あ、でも耐性とか無効化されないかな・・・・・・


 あぁ~めんどくせー!!こんな時こそ鑑定なんだろうなー!!でもないんだよ!!ちくしょーめ!!

 もういい!!最悪飛んで逃げる!!いや這いずりの方が早いから這いずって逃げる!!

 効くかどうかなんて知るか!!おれは一番スキルレベルの高い闇魔法をぶっ放すぞ!!

 込めれるだけ魔力を込めて放つはおれのお気に入りの闇魔法!!その名は!!


暗黒飛剣(ダーク・セイヴァー)


 この暗黒飛剣は任意の数だけ闇でできた剣がおれの体の周りに出現し、ロックオンした相手に当たるまで追尾する闇魔法だ

 追尾能力はさほどあるわけじゃない、障害物があれば簡単に逃げれる程度だ

 だが、今回は森の中とはいえ後ろからの完璧な奇襲、よけられるとは思えない、もし避けられたらダッシュで逃げよう

 そして狙うはもちろん一撃必殺、3人の首だ!!



 ザシュッ!


 ザシュッ!


「っ!?」


 ザシュッ!


 ゴトッ、ゴトゴトッ


 最後に1人、(笑)の男が2人に襲い掛かる暗黒飛剣に気付いたが自分も今まさに襲われている事にまでは気付けなかったみたいだ

 まぁ、気付けたところで結果が変わったのかは別の話だが

 一つの結果として今地面には3人の首が転がっている、それを見ていた2匹のゴブリンは何が起きたかわからず、今も震えて抱き合っている


 そんなゴブリン達を無視して首を無くした3人の体は支えを失ったように地面に倒れ伏す

 そして倒れ伏した3人の体の向こうに2匹のゴブリンが見たもの・・・・・・それは




 影の中から闇の色をした頭を出した黄金の瞳を持つ1匹の蝙蝠がいた



ハーレムも入って来る予定ですが、最初の出会いが男3人にゴブリン2匹って事で察してください、ハーレム要員が出るのはまだ先なんです(´・ω・`)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ