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油断の結果

長いです、どこで切るべきか迷った結果切りませんでした

その結果長くなりました、ほのぼのっぽく出来上がったのではないでしょうか

 目が覚めるとそこは見慣れた――といっても1か月ほどでしかないが――洞窟ではなく、日の当たる森の中だった


 なんだか体の自由が効かないなと思ったらどうやらおれはシュキの抱き枕にされていたようだ



 しかし、あれだな、シュキ達の見た目とか気にしてなかったけど、こう、まじかで見ると、まさにゴブリンって顔だよな、昔のラビリンスって映画に出てくる感じというか、RPGに出てくる敵キャラそのものって感じというか、見た目にこだわらないおれからしたらどうでもいい事なんだけどね



 このまま抱き枕にされてシュキの微笑ましい膨らみを感じてるのもいいが、さっさと起きてシュキ達を進化させて次の場所、聖王国マルファールにある湿地帯を目指さないとな、そこではどんなスキルが獲得できるだろうか、楽しみだ



 「・・・・・・ん、あ、おはようございます、シゼル様」



 「あぁ、おはよう、シュキ、起きたなら顔を洗いたいから離してくれると助かる」



 「え?あ!すいません!私ったらつい!」



 そういって離してくれたのだが、なんか手持無沙汰な感じだったので兄ゴブをそっとシュキのそばに移動させてたのだがシュキはそれを無視してそのままおれと一緒に川に顔を洗いに行ったのだった



 顔を洗うため川に行ったが川に映った自分の顔を見ておれは驚いたね、なんでかって?だってそこには赤黒い色をした肌の黄金の瞳を持つ幼稚園児くらいの年の顔のおれがいたのだから



 ヴァンパイア・インプに進化して確かに体の大きさ的には幼稚園児くらいだが、まさか顔がその年の子供みたいな顔で瞳の色が黄金だったとは思わなかった、転生して初めて自分の顔を見たがこんなだったのか



 ひとしきり自分の顔を眺めてみたけど、最初の驚きが過ぎると「ふ~ん、そっか」くらいの気持ちになった、だってねぇ、そうなってる以上どうしようもないのだから仕方ない、顔を変えたいと思えば変わるわけじゃないのだから




 さて、シュキも兄ゴブも顔を洗い終わり、昨日の狼の肉を朝ごはんに食べ、今日も元気にレベル上げを行って、進化を目指すとしますか!!昨日の調子でいけば進化なんざすぐだろう!!




 






 兄ゴブが仁王立ちをしている、フォレスト・ベアに上段から大鉈で斬りかかる



 「はぁぁ!!」



 防御しようとフォレスト・ベアは腕を構えるが怪力と大鉈の重さも相まって、腕ごと兄ゴブに切り落とされる



 「火炎球(ファイヤーボール)!!」



 腕を切り落とされたフォレスト・ベアに止めと言わんばかりにシュキが火魔法を叩き込む



 フォレスト・ベアからしたらたまったものじゃないだろう、自分よりも格下と思っていたゴブリン2匹に見事にやられてしまったのだから



 「やりましたよシゼル様!レベルが20になりました!!」



 「ぼくも20になりましたよ!これで進化できますね!!」



 どうやら今ので2匹ともレベル20になったみたいだ、おれの時はすぐ進化が始まったけど、2匹の時は始まりそうにないが、どういうことだろうか?



 「おそらく、眠れば眠ってる間に進化が始まると思います」



 そう教えてくれたのはシュキだが、どうやらおれのようにその場で進化が始まるのは滅多にないらしい?通常は眠ってる間に進化が行われるみたいだ



 「んー、じゃぁ、少し早いけど休むか、進化するとレベル1に戻るし、また上げないといけないからな」



 「そうですね、そうさせていただきます、シゼル様はどうしますか?」



 「あぁ、おれはその間適当にスキルのために何か狩ってるよ、シュキ達のご飯にもなるしな」



 「わかりました、では、すみませんが少し・・・・・・休ませていただきます」



 そういうが早いか、シュキはその場で寝てしまった、どうやら進化が始まると強制的に眠らせられるようだ



 「兄ゴブは平気なのか?」



 「いえ、ぼくももう限界ですので眠らせてもらいます・・・・・・」



 「そっか、どう進化するかはわからんが、おれが考えたお前の名前はな、黒い鬼と書いて黒鬼(コッキ)だ、起きたらもっかい教えてやるよ」



 「黒い、鬼でコッキ、ですか、ただのゴブリンにはもったいない名前ですね・・・・・・でも、その名前に相応しい進化をしてやりますよ、待っていてください」



 「あぁ、待ってるよ、ほら、もう休め」



 「はい、おやすみなさい、シゼル様・・・・・・」





 ふぅ、2匹とも眠ったみたいだ、魔物避けの香草も焚いてないし、おれが2匹の護衛をしないとな、でもさっきのフォレスト・ベアの血は吸わせてもらおう



 2匹が進化するまでに狩った魔物は熊に、ウサギに、狼と森にいるのはゴブリン以外狩った、狩りまくった、ここ数日というか、10日程狩りに集中していた



 熊からはやはり、怪力Lv2と頑強Lv2、ひっかきLv3が獲得できた、狼より体力もあったし、スキル的には始まりの森では一番強いんじゃなかろうか、最終的におれは怪力Lv6に頑強Lv4、ひっかきLv5になった



 ウサギから獲得できたのは、気配感知Lv1と風耐性Lv2だけだった、頭に角が生えてはいたが結構可愛い生き物だった、まぁ、シュキはウサギの見た目よりも肉がお好みだったが、ただ、ウサギではおれのスキルに変化はなかった



 最後に狼だが、獲得できたのは風耐性Lv2と咬みつきLv4と疾風Lv2だった、狼のおかげで風耐性はLv6になったがそれ以外は変化しなかった 



 狩りで使っていた魔法は暗黒魔法のみだった事や狩り以外でも索敵中夜、シュキ達が眠った後に練習してたりもしたので暗黒魔法は結構上がった、Lv7まで上がった、適性が高いのかはわからないがレベル上がるのが早い気がする



 暗黒魔法になって影操作はスキルではなく魔法として使えるようになっていた、が、やはり影収納は使えなくなっていた、なんとなくだがもう少し、あと何かきっかけというか閃きがあれば空間収納が使えそうな気がするのだが、気のせいかもしれない



 魔法となった事で、魔力で影の強化が出来るようにはなった、これのおかげでもはや半永久的に始まりの森の魔物なら拘束できるようになった、今ならマザーも簡単に拘束できるかもしれない




 そんな時だ、ふとシュキ達を見てみると今まで小学校低学年くらいの大きさだった2匹の体がみるみるうちに高校生くらいの大きさに変化していったではないか



 それになんか体の色まで変化しつつある、シュキは名前の通り朱色な肌になり、顔つきも敵キャラの顔ではなく、まるで人間のような可愛らしい顔になっているうえに、今まで髪の毛なんてほとんどなかったのに頭にはセミロングの赤い髪が生えているし、なによりその体付きは驚きの一言である



 それまで慎ましい膨らみでしかなかったものが、たわわに実っているのである、顔等の変化もあり、ゴブリンとは思えない姿である



 コッキにしても同じ変化が起こっていた、こちらはシュキとは違い肌の色は黒である、なんだ?2匹とも名前にちなんだ色になったのか?



 シュキとは違い、コッキの体付きは細マッチョとしか言えない体付きだ、腹筋は見事に割れているし、身長なんかいきなり180くらいまで伸びてるし?黒髪のなんかイケメンなんですけど?なにこの変化




 おれなんか蝙蝠からインプだぜ?しかも見た目幼稚園児、なにこの違い、なにこの格差、不平等にもほどがあるだろ?

 



 そんな2匹の進化を観察していて思ったんだけど、シュキ達が来てる服って進化前の大きさでシュキがパパッと作ったものだから、進化して大きさが合わなくなってるんだよね



 つまりはシュキのたわわな実りがいまにもはちきれそうに・・・・・・!!しかもその下には見えそうで見えない領域が!!





 ・・・・・・くそっ、なんか一緒にコッキの見たくない領域が目に入ってきた・・・・・・、やめよう




 

 それからしばらくしてシュキ達は目が覚めて自分たちの変わりように驚いていた



 そりゃそうだろうな、体つきや大きさまで変わったのだから、驚かないほうがおかしいだろう、それからは体の大きさに合わせてシュキが服を作り直していた、別におれはシュキの服は小さいままでもよかったんだけどね?けどコッキ、お前はだめだ



 進化直後でいきなり戦闘もあれなので狩りはやめにして、今まで通り体が動かせれるか等を確かめてからその日は終了した






 そう、この時のおれは油断していたんだろう、なんだかんだ言っても、実はおれって結構魔法使えば強いんじゃない?とか、シュキ達も進化したし戦力アップだ!!とか思ったりして調子に乗っていたんだろう



 進化後のレベル上げの狩りの途中、確かにおれは違和感を感じたのだ、自分の命が危険に晒されるような違和感というか予感を



 それを感じた時に注意深く意識していればよかったんだ



 なのにおれは、裏切ることがないシュキ達といて、簡単に進化までしてしまい、狩りも順調に進んでいて、シュキ達も進化後の変化に慣れて戦いも楽になってきていたし



 調子に乗っていた、おれは常に気配感知を使っているから自分にとって(・・・・・・)脅威となる気配には敏感になってるつもりだった



 だからおれは気付かなかった、おれとシュキ達の事を見ていた森に偵察に来た冒険者がいた事に、その冒険者がおれ達にとって、いや、おれにとっては最悪の敵を連れてくる事になるだなんて、調子に乗っていたおれにわかるわけもなかった・・・・・・






 







 その日も変わりなく狩りをしていた、特に問題なんかはなかった、シュキはレベルが16になり、コッキは18になった、かくいうおれも20になっていた、特に変わった事はないはずだった、その時までは





 突如おれの体を覆った聖なる光、この光に覆われた瞬間、おれの体は今までにない激痛に襲われ、まともに動くことが出来なくなって、その場に倒れこんだ



 

 「あ゛!?ぐあああぁぁぁぁぁl!!!」 




 まるで上から重力によって圧迫されているかのように体を動かすことが出来ない、この光に包まれているだけで計り知れない不快感と激痛が体を襲い、まともに思考することすらできない




 「「シゼル様!?」」




 シュキとコッキが何か言っている・・・・・・だがおれの視界にはシュキとコッキに襲い掛かろうとする2人の冒険者の男の姿が見えた



 だから咄嗟にまともに動かすことが出来ない口ではなく念話で叫んだ




 「後ろだ!!!」




 念話が届きシュキもコッキも即座に反応したからか、なんとか2人の冒険者の攻撃を大鉈でコッキが防ぐことに成功し、シュキが火魔法で反撃に出ることが出来たようだ



 だが、これでおれの助けにはこれないだろう、おれはおれでこの状況をなんとかしなくてはいけないが、難しいな、おそらくこれは何かしらの魔法結界だろうがおれとはとことん相性が悪いようだ、体を動かせそうにないし、魔法を使おうにも思考が不快感に邪魔されて上手く使えそうにない、無理やり使うことは出来るだろうが制御できていない暴走状態での行使になるだろう、そうなったらシュキ達を巻き込んでしまう




 そんな時だ、ふと前を見ると杖を掲げて魔法を使っている女がいた、こいつがこの魔法の使用者か




 見た目からして僧侶か神官か、まぁどっちでもいい、そんな事よりもその女を見た瞬間からおれの体を駆け巡って思考を邪魔していた不快感をある感情が塗りつぶした






 あの女、あの女だけはこの場で殺さなければいけない!




 冒険者の男等どうでもいい!!逃げられても構わない!だが!!あの女だけは絶対にこの場で殺さなければいけない!!おれの本能が!!生存本能が!!あの女だけは殺して血を吸わなければいけないと叫ぶ




 ⦅スキル 生存本能Lv6は生存本能Lv7へ成長しました⦆




 そんな事、今は関係ない、どんな手を使ってでもあの女だけは!!



 だが今のおれに何ができる!?この結界がある限りおれはまともに動けない、魔法だってまともに制御できる状態ではない



 ならば、制御がいらない(・・・・・・・)魔法を使えばいい、今のおれでは魔力を最大まで込めなければ使えない魔法を使えばいい






 そうと決まれば簡単だ、今は少しだけこの激痛に耐えながら準備をするんだ、失敗はできない






冒険者視点



 「くそ!なんなんだこの2匹は!!ただのホブゴブリンじゃない!!」



 「みりゃわかるよ!んなこたぁ!!色からして普通じゃねぇだろうが!!」



 「報告を聞いた時はどうせ見間違いかと思ってたがまさか本当にこんなでかい大鉈振り回してくるなんて!!」



 そういいながらも的確に黒いホブゴブリンの攻撃を受け流していく冒険者達



 しかし、大鉈をやり過ごしても次は火魔法が飛んで来る、それを躱そうものならその先には大鉈が待っている事を知っている冒険者は飛んで来る火魔法をなんとか打ち払う




 「くそが!!敵ながら連携がすごいな!!ホブゴブリンにここまで苦戦したのは初めてだよ!!」




 「そりゃ、どうも、ぼくも人間相手に戦うのは今日が初めてなんだ、今までは好き勝手追い回してくれてありがとよ、お礼に一回だけ斬らせてくれないか?」




 まさか、ホブゴブリンから返事がくるとは思っていなかった冒険者、その顔は驚愕し、動きが止まっていた




 「何棒立ちしてんだ!!死にてぇのか!!あと、黒いホブゴブリン!!それじゃ何のお礼にもなってねぇだろうが!!そんな大鉈で斬られたら死んじまうぜ!!」




 「いや、死んでくれって意味で言ったんだけどな」




 「だったら、そんなお礼はいらねぇよ!!」




 「そうか、残念だ」




 命がけで戦闘をしているというのになんとも呑気な事であるがそんな会話をしながらでもお互いに剣戟を交わしている最中である




 「兄さん、遊んでないで早く終わらせてシゼル様を助けにいかないと、あの結界、嫌な感じがする」




 火魔法を放ちながらも黒いホブゴブリンに話しかける朱いホブゴブリン、いやゴブリナと呼ぶべきか、彼女が放つ火魔法もまた油断できない威力である、が

 何よりも冒険者を驚かしたのは後衛、魔法使いと思っていた彼女が剣を片手に前に出てきたのだ




 「おいおい、嬢ちゃん本気か?魔法使いが剣を片手に前に出てくるなんて」




 「あら、お嬢ちゃんだなんて、今までそんな事人間は言わなかったのに、進化して姿が変わった途端それ?だから人間は嫌いなのよ、シゼル様のためにも早く死んでちょうだい」




 そういいながら切り込んでくる朱いゴブリナ、普通ならここで彼女は殺されるだろう魔法使いが剣士に接近戦をしかけるなんて自殺行為なのだから



 だが、冒険者たちは油断しなかった、ここまで自分たちを相手に戦えてまだまだ余裕が残っているはずなのに自殺行為をするわけがない、と



 そしてそれは正解だった



 切り込んできた彼女の剣から噴き出すのは炎




 「くそ!!魔法剣士か!?」




 「正解」




 「黒いやつほどじゃないが剣筋がしっかりしてるし、しかも身体強化までしてやがるな!?」




 「ご名答、シゼル様に教わった魔闘法ってやつよ、私に足りない身体能力をこれが補ってくれる」



 そう話しながらも炎を纏った剣で斬りつけつつも空いた片手で火魔法を放たれる



 「くそ!!だから魔法剣士は嫌いなんだ!!どっちかにしやがれってんだくそが!!ここにきて何回おれにくそって言わせたら気が済むんだ!!」




 「おい!!フィリス!!そっちはまだ片付かないのか!?」




 フィリスと呼ばれた女、その女こそ今まさにシゼルを光の結界で囲んでいる張本人である



 「ありえない、ありないでしょう!?私の聖魔法LVは6よ!?次期聖女候補とまで私は言われてるのよ!?なのになんで!?なんでインプ如きが私の最大で放ってる聖域結界(ホーリー)に未だに耐えてるのよ!!」



 「おい、フィリス、まじか?まじで最大で放ってんのか!?」




 「まじよ!!おおまじよ!!聖域結界(ホーリー)は悪魔系に効果があるのよ!?低位の悪魔なら耐性なんかもってないから効果は高いはずなのに!!なんでよ!?」


 

 そう、本来なら悪魔に対して最大の威力を発揮する聖魔法、高位の悪魔はそれなりに耐性を持ってはいるが低位の悪魔はまったく聖魔法に対して耐性を持っていないため、通常ならすでに息絶えているはずなのだ・・・・・・通常なら



 「おい!!落ち着け!!おれたちがそっちに加勢するまで持ち堪えればいいから!!」




 「早くして!!時間がかかれば最悪聖耐性を・・・・・・、もた、れ」




 「おい!?フィリス?どうした!?」



 「うそ・・・・・・、うそでしょ?ねぇ、なんで?なんでよ、どうして今あのインプは呪文を詠唱(・・・・・)しているの!?」



 「フィリス!?」








シゼル視点





 ⦅スキル 聖耐性Lv4は聖耐性Lv5へ成長しました⦆



 そう、さっきから聖耐性が上がってるんだ、それと同時に不快感も減っている、まぁ、元々あの女に対する激しい殺意に塗りつぶされてはいるんだが




 もう少しだ、もう少しで完成する、シュキ・・・・・・、コッキ、もう少しだけ頑張ってくれ












シュキ視点




 忌々しい、シゼル様を結界で囲んでいるあの女さえどうにかできればすぐにでもシゼル様をお助けできるのに、この冒険者達は強い、兄さんと私でやっと互角・・・・・・、いや正直私たちのほうが若干負けている



 これはレベルやスキルの問題ではないのだろう、ただの経験・・・・・・、だけど私たちに圧倒的に足りないのがこの経験



 経験さえあればもっと上手く戦える、経験さえあればもっと別の戦い方ができる、経験さえあれば!!



 弱小と、卑しい、醜いと私たちをまるで玩具のように狩っていく冒険者達とやっとまともに戦えるようになったのに、なのに!!まだ足りない!!レベルだけじゃない、スキルだけじゃない!!



 レベルなら上がった!!進化だってした!!戦い方だって覚えた!!スキルだって少しは増えたし成長もした!!それでも!!経験だけはどうにもならいの!?こんな所で負けてしまうの!?



 あぁ、シゼル様・・・・・・!!







コッキ視点




 何が何回くそって言わせるんだ?だ、こっちのセリフだ!くそが!!


 

 力まかせに我武者羅に大鉈を振るだけじゃだめだなんて事はわかってる!!それでも、このままいけばおれ達は負ける、また、なにもできずに負けるのか?次はだれも助けてはくれない、助けてくれたシゼル様は今は結界の中で、むしろおれ達が助けなきゃいけない状況だ



 なのにおれには何も出来ないのか!?助けてくれたシゼル様さえ助ける事ができない、妹のシュキさえ守り抜くことが出来ないのか?ゴブリンは夢すら見れないっていうのかこの世界は!!



 強くなった!!自信を持って以前のぼくにそう言えるだけ強くなったはずだ!!



 なのに現実はこうなのか!?強くなった途端、それでも勝てない大きな壁が出てきて邪魔をする!!ふざけるな!!ぼくたちにだって夢はあるんだ!!生きていたいんだ!!なのに!!



 ゴブリンだからってそれを諦めなきゃいけないのか?



 くそが!!!










  「シュキ、コッキ、準備が出来たその2人は無視していい、逃げるんだ、巻き込んでしまう」









シゼル視点





  よしよし、シュキもコッキも逃げたな、これで巻き込む心配はないだろう

 


 さぁ、さんざん好き勝手してくれたな冒険者!!この弱小インプ様が目にもの見せてくれる!!








冒険者視点





 「な、なんだ!?あの2匹いきなり逃げやがった?」



 「今は置いておけ!!後でまたくればいいだろうが!!それよりもインプだ!!」



 「はやく!!はやくきてよ!!このインプ呪文を詠唱してるのよ!?何が起こるかわからないのよ!?」



 「呪文を詠唱してるだけで何焦ってんだフィリスは?」



 「さぁ?魔法使いは呪文だって使う時は使うんだから別に、なぁ?」



 「この脳筋共!!呪文を使う時は大魔法を使う時って子供の時習わなかったの!?」



 そう、呪文を使うのはより魔法のイメージを明確にする必要がある大魔法や大勢でイメージを共有する必要がる大規模魔法を使用する時しか使わないのが一般的なのだ



 他には見習い魔法使いが魔法の練習の際に魔法のイメージをつかむために呪文を詠唱するくらいなのだ



 そして今まさに呪文の詠唱を完了させようとしている存在、それが結界に閉じ込められ何もできないはずのインプなのだから、フィリスは頭の中で危険信号が鳴り響いていた




 「「な!!それをはやくいえよ!!」」



 

 「言わなくても解れ!!常識でしょうが!!」




 だが、時すでに遅し、インプを本気で止める気なら2匹のホブゴブリンは無視して即座にインプを殺すべきだった、もしくは結界の維持に全力を注ぐのではなく、フィリスもまたインプに攻撃魔法を打ち込めばよかった



 熟練の冒険者、どんな相手でも油断せずに事にあたるのを信条とする彼らだからそ手遅れになってしまった



 インプは結界で閉じ込めるから先に2匹のホブゴブリンを始末して、そしてインプを片づける

 これが3人が決めた事前の作戦だった




 だからこそ、ここでこの3人の冒険者人生は幕を閉じる





 「それは影から生まれた光を喰らうモノ、それは何よりも光を嫌う」


 「光はいらない、闇だけが欲しい、光を喰らいて塗り潰せ、我が眼前の敵の喉笛を光諸共噛み千切れ」


 「顕現せよ  影の竜王(シャッテンドラッツェ)!! 」




 詠唱が終わった瞬間、その場を闇――正確には影が――あたり一帯を覆った




 「な!なんだこれは!?」



 「わかるわけないでしょ!?インプは!?あのインプはどこ!?」



 「結界で閉じ込めてだろうが!!つーか何も見えねぇよ!!お前らどこにるんだ!!」



 「お前らそこからうごk・・・・・・」



 「なに!?カイン!?どうしたの!?」




 カインと呼ばれた男は返事をしない、いや、もはや出来る状態ではなかった


 いつの間にそうなったのか、冒険者達にはわからない、わかるのは、何かに喰われている事だけ



 ゴリッ!バキッ・・・・・・不気味な何かを噛み砕く音だけが冒険者達に聞こえるだけで何も見えない


 

 「ひっ!!な、なにが・・・・・・何がおこってるのよ!!」



 口では何もわからないと言いながらも頭では理解できてしまっている


 カインは今まさにナニかに喰われているのだと



 「い、いやよ!私はこんなところで死ぬ人間じゃない!!次期聖女候補なのよ!?その私が!!」



 「へぇー、次期聖女候補なのか?じゃぁ、珍しいスキル持ってるよな?」



 突如後ろからそう話しかけられて、フィリスはつい、後ろを見てしまった



 自分の後ろにいるナニか、闇の中何も見えないはずなのに不気味なほどはっきりと見えるソレ



 黄金に輝く瞳・・・・・・、それがフィリスという女が見た最後の光景だった 










どこらへんがほのぼのしてるのかって?

コッキと冒険者の会話あたりがほのぼの要素だったり?


ひょ、評価ポイントとか、つ、つけてくださってもいいんですよ?



すいません、調子に乗りました、ごめんなさい

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