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「クラスのギャル、放課後は喫茶店で不器用マスターやってます。」  作者: 路地裏の猫


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四十杯目:体育祭 開幕

「雅貴、何してるの?」


 数万の歓声を受け止める巨大スタジアムの華やかな表舞台から遠く離れた、迷路のように入り組んだコンクリート通路の奥深く。

 分厚い防音扉の向こうに隠されたその一室は、普段は大会の運営スタッフの会議や、事務的な来客用として使われる殺風景な部屋だった。

 プロの選手たちが待機するような豪華絢爛なロッカールームを想像してこのスタジアムの裏側に憧れを抱く者がいれば、その無機質で冷たい現実にひどくショックを受けるかもしれない。

 窓一つない壁紙はくすんだオフホワイトで統一され、天井の無機質な蛍光灯が白々と部屋を照らしている。

 そこにあるのは、飾り気のない傷だらけの長い折りたたみ机が二つと、座り心地の悪そうなパイプ椅子がいくつか無造作に並べられているだけだった。

 表で生徒たちが熱狂の渦に巻き込まれようとしているお祭り騒ぎとは無縁の、まるで時間が止まったかのような静寂がこの部屋には満ちている。


 そんな薄暗い静寂の底に沈む一室に留まっているのは、星城海原の頂点に立つ生徒会長である如月雅貴と、彼を支える副会長の花見の二人だけだった。

 例年通りであれば、これだけの大規模な体育祭ともなれば、生徒会役員が総出でトランシーバーを握り締め、顔を真っ赤にして走り回りながら裏方の作業に追われているはずなのだ。

 だが、今年のこの部屋には信じられないほど静謐な空気が流れており、役員はたった二人しかいない。

 それもそのはずだった。

 如月は、本来であれば今日この当日に行うはずだった膨大な確認作業やトラブルシューティング、各所への根回しといった全ての生徒会業務を、数日前から徹夜に近い形で完璧に終わらせていたのだ。

 それは決して、他の生徒会メンバーである水野や田口といった後輩たちに対し、「せっかくの体育祭なんだから精一杯楽しんで欲しい」などという、先輩としての温かな思いやりや優しさから出た行動ではない。

 ただ単に、如月という男の並外れた処理能力で自分のやるべきことを淡々と、機械のように正確にこなしていった結果、他の二人の労働力が全く必要なくなってしまっただけなのだ。

 他者の不確実な介入は、彼にとってノイズでしかない。

 如月雅貴とは、そういう徹底した合理主義と冷徹さを併せ持つ人間だった。


「確認してるんだ。トラブル等が起きたらどうするとかな」


「硬いなー。もっと楽しみなよ。体育祭だよ? 体育祭。もっとワクワクしなよ」


 長机の上に広げられた、細かな文字がびっしりと書き込まれたスタジアム全体のフロアマップ。

 如月は瞬き一つせず、冷ややかな知性を宿した瞳でそれを睨みつけながら、細い指先で非常口や消火器の配置、生徒の動線といった箇所をなぞっている。

 彼の頭の中では、起こりうる万が一の暴動や怪我、熱中症への対応シミュレーションが何百通りも展開されているのだろう。

 その微塵も隙のない完璧すぎる横顔を見て、花見は呆れたように深い深いため息をつく。


「油断が問題を呼ぶんだ。注意しておいて損はない」


「ほっんと堅物よね」


 ピシャリと温度のない声で正論を返す如月に対し、花見は肩をすくめた。

 花見は、如月雅貴という人間の不器用な性格を、この学校の誰よりもよく知っている。  

 彼は決して冷酷なわけではない。

 ただ、全体を最適化するために感情を切り捨てているだけなのだ。

 だが、その冷たすぎる正論と完璧主義は、時に周囲の人間との間に決定的な軋轢を生み、彼を孤立させてしまう危険性を孕んでいる。

 だからこそ、自分が彼のすぐそばにいるべきだと花見は強く思っているのだ。

 彼がその鋭すぎる刃で誰かを傷つけそうになった時、あるいは彼自身が孤高の重圧に押し潰されそうになった時、誰かが二つの間に入って柔らかいクッションにならなければならない。

 その残酷で愛おしい役目を担えるのは、この世界で私だけであるべきだ。

 いや、私でありたい。

 彼女は心の奥底で、密かにそう願い続けていた。


 ――一体、いつからなんだろうか。

 どの瞬間の、どんなきっかけからなのだろうか。

 ただの優秀な同級生だったはずの彼に対し、胸が締め付けられるような、甘く苦い『恋』という感情を抱いていると、はっきりと認識してしまったのは。

 冷徹に見える彼の瞳の奥に隠された、誰も気づかないような不器用な誠実さに触れた時だろうか。

 それとも、誰もいない教室で一人、全ての泥を被るように仕事を片付けていた彼の孤独な背中を見た時だろうか。


「ま、この堅物が気づくわけないよね」


 自嘲気味にこぼれ落ちた彼女の小さな独り言は、紙をめくる乾いた音に掻き消され、目の前の如月に届くはずもなかった。

 彼は花見の切ない視線など露知らず、ただひたすらに、己の義務を果たすためだけに着々と準備を進めていく。

 その規則正しく動く長い睫毛や、伏せられた瞳、スッと通った鼻筋を、彼女はじっと、ただじっと、時が止まればいいとすら思いながら見つめ続けていた。


「失礼します。会長、そろそろ時間です」


 不意に、コンクリートの壁に反響するように重たい扉がノックされ、一人の男子生徒が静かに部屋へと入ってきた。

 シャツの第一ボタンまでしっかりと留め、髪の毛一本乱れていないその姿は、見るからに真面目で規律を重んじる優等生そのものといった佇まいだ。

 開いた扉の隙間からは、遠くグラウンドから湧き上がる生徒たちの熱狂のどよめきが、波のように微かに流れ込んでくる。


「もうそんな時間か。分かったすぐに行く」


 その声でようやくマップから視線を外した如月は、壁に立てかけられた無機質な丸い時計へと目を向け、徐にパイプ椅子から腰を上げた。

 長い足が伸び、制服の生地が擦れる衣擦れの音が静かな部屋に響く。

 時刻は十時五分前。

 秒針がチクタクと無慈悲に時を刻んでいる。

 熱視線が注がれる晴れ舞台、全校生徒の熱気を一点に集める開会式の時間が、すぐそこまで迫ってきていた。


さざなみ、これ後で運んでおいてくれ」


 如月はネクタイの結び目をスッと直し、王のような有無を言わさぬ威厳を纏いながら、男子生徒である漣に対して、机の上に乱雑に置かれている大量の資料の束を本部席へ運ぶ様に短く頼む。


「分かりました」


「雅貴、雑用係じゃないんだから自分で持ちなよ」


 一切の疑問を抱かずに恭しく頭を下げて資料をまとめ始める漣の姿を見ながら、花見は呆れたように片手を腰に当て、如月に対して少し蔑むようなジト目を向けながら言った。

 それは、彼がまた不用意に周囲をただの『手駒』として扱って反感を買わないようにするための、彼女なりのささやかなフォローであり、二人の間にだけ通じる親愛の情を込めた苦言でもあった。


「次の生徒会長候補に作業を教えるのが悪いか?」


 氷のように冷たく、一切の揺らぎを持たない如月の声が静かな部屋に落ちる。

 彼は眉を微かに潜め、己の合理的な判断の何が間違っているのかと、本気で疑問に思っているような視線を花見に向けた。


「いいとは思うよ? 思うけどさぁ、なんかじゃない?」


 花見は困ったような、それでいてどこか彼を甘やかすような、柔らかいため息をふわりと吐き出した。

 生徒会という組織の頂点に君臨する如月が、直々に次期会長候補と目して手元に置いている漣に対し、実務を通して仕事を教えるという行為自体は決して間違ってはいない。

 むしろ、組織の存続を考えれば正しい引き継ぎの形だ。

 来年、あるいはその次の年も、この膨大な資料を抱えて裏方を駆け回るのは他でもない、目の前にいる漣がする事になる仕事なのだから。

 だが、事情を知らない一般生徒が外からその光景を見れば、絶対的な権力者である如月が、大人しい後輩に面倒な雑用を押し付けている『パシリ』にしか見えないだろう。


 勿論、花見はそんな事、百も承知で分かっている。

 如月が彼なりに、言葉ではなく行動で後継者を育成しようとする不器用なりの誠意を持っている事など、ずっと傍で見てきた彼女が一番理解している。

 だからこそ、あくまで彼女は、如月自身が無用な誤解や反感を買わないように、彼の世間体と立場を気にしてわざとフランクな言葉で注意をしているのだ。


「……分かった分かったよ。俺が運ぶ」


 理詰めで反論しても、花見の持つ感情的な正論には敵わないと悟ったのだろう。

 如月は微かに肩をすくめ、花見に諭されるまま渋々といった様子で手を伸ばした。

 すでに漣が綺麗にまとめ終え、その両手に収まっていた分厚い紙束を乱暴にならないように受け取ると、如月は長い足でコツコツと靴音を響かせ、振り返ることなく静かな部屋を後にする。

 コンクリートの廊下へと消えていくその孤高の背中を、花見は扉が閉まるまでじっと見送っていた。


「別に大丈夫でしたよ?」


 重い扉が閉まり、再び部屋に静寂が戻った後。

 漣は花見に対して、自分は押し付けられたわけでも、嫌な思いをしたわけでもなく、本当に大丈夫だったのだという事を真剣な眼差しで伝える。

 先輩を気遣うその真っ直ぐで嘘のない瞳。

 そんな実直な彼を見て、花見はふっと目元を緩めた——。


「ありがと。ごめんね、あいつ不器用だからさ。やって覚えろ精神のバカなんだよね。一年の時からずっとそう。でも期待してるって事だからほんとごめんね」


 苦笑交じりに紡がれたその声には、深い慈愛と、長年連れ添った相棒に対する呆れ、そして隠しきれないほどの強い親愛の情が滲み出ていた。

 言葉足らずで、誤解されやすくて、背中で語ろうとする昔気質な不器用さ。

 一年生の頃、初めて生徒会の手伝いをした時から、如月の根っこは全く変わっていない。 

 誰よりも不器用で、誰よりも真面目なバカなのだ。

 花見は、彼のそんな見えない優しさを後輩に翻訳して伝えるように、漣に向かって優しく微笑んだ。


「なんで花見先輩はそんなに生徒会長の為に行動するんですか?」


 薄暗い部屋の空気を切り裂くように、漣の口から零れ落ちた純粋すぎる問いかけ。

 それは、客観的に見ればあまりにも当然の疑問だった。

 彼らはあくまで、同じ学校に通う他人同士に過ぎない。

 男子と女子。

 恋人同士というわけでもない。

 ただ学年が同じで、生徒会長と副会長という役割が近い。

 たったそれだけの繋がりで、花見が自分の身を削るようにしてまで、常に如月の盾となり、彼をフォローする為に献身的に行動するのには、第三者からすれば疑問が出るに決まっている。

 防音扉の向こう側から、開会式を待ちわびるスタジアムのざわめきが、まるで波の音のように低く響いていた。


「うーん、シャーロックとワトソン的な? 分かんないや」


 一瞬、花見の肩がビクッと跳ねた。

 見透かされたような動揺を悟られないように、彼女はわざとおどけたように首を傾げ、曖昧な言葉でその核心を濁した。

 優秀な探偵と、彼を支える助手。

 都合のいいフィクションの関係性に逃げ込みながら、彼女はその心の奥底に、自分自身ではとうの昔に痛いほど理解し、大切に育ててしまっている熱を帯びた『恋心』を、分厚い蓋をしてそっと隠し込む。


「難しい関係性って事ですね?」


 どこまでも真面目で優等生である漣は、花見の照れ隠しの言葉の裏にある機微に気づくはずもなく、彼女の言葉をそのままの額面通りの意味で受け取る。

 孤高の天才と、それを理解し支える唯一の凡人。

 そんな純粋故の真っ直ぐな解釈をして、一人で深く納得するようにコクリと頷いた。


「まぁそう言う事。ほら行くよ」


 これ以上、自分の本心を深掘りされてボロが出る前に、花見はパンッと手を叩いて空気を変えた。

 彼女が軽やかなトーンでそう言うと、二人は先に出て行った如月の背中を追う様に、薄暗く冷たい裏方の部屋を後にした。

 重い防音扉を押し開けると、初夏の眩しい太陽の光と、人がひしめき合うスタジアムの爆発的な熱気と歓声が一気に押し寄せてくる。

 非日常の祭典の始まりを告げるブラスバンドのファンファーレが鳴り響く中、彼女は自分の本当の気持ちに鍵をかけ、今日もまた『完璧な副会長』としての仮面を被り、光の当たる表舞台へと歩みを進めていった。



―――――――――――――――――――――――――



「えー、今年もこの行事が行える事を、えー、大変嬉しく思います。えー、皆さんが——」


 雲一つない初夏の真っ青な空から、容赦ない日差しが広大なスタジアムに降り注いでいる。

 美しく切り揃えられた、目に鮮やかな緑の天然芝の上。

 そこに、全校生徒がクラスごとに整然と列を作り、直立不動で並んでいた。

 そんな俺達の遥か前方、立派な朝礼台の上で、マイクを握りしめた星城海原の校長が抑揚のない平坦な声で長々と話を続けている。


 毎回、本当に毎回思うのだが、とにかく話が長い。

 校長が登壇して咳払いをしてから、かれこれ五分は優に経過しているだろう。

 どうしてどこの学校の校長という生き物は、判で押したようにこんなテンプレのような、中身の薄い長い話をするのだろうか。

 簡潔に「体育祭を行えて嬉しいです。怪我のないように」じゃ駄目なのだろうか。

 誰も真面目に聞いていない言葉を延々と紡ぐことに、一体何の意味があるというのか。


 そんな至極真っ当な疑問と不満を脳内で渦巻かせているのは、決して俺一人だけではない。

 当然、ジリジリと肌を焼く暑さの中で立ち尽くすほとんどの生徒が、「早く終われ」「早く日陰に座らせろ」という切実な思いを募らせながら、死んだ魚のような目で校長の話を右から左へと受け流していた。

 夏の終わりを告げたはずの秋だが、今日はやけに熱い。

 現に、俺の斜め前に立っている一ノ瀬は、すでに限界を迎えているのか、口を大きく開けて無防備な欠伸をし、完全に意識がどこかへ飛んでいってしまったようなボーッとした顔をしている。

 ただ、彼女の場合に限って言えば、単に校長の話が退屈だからという理由だけでなく、さっき限界まで胃袋に詰め込んだあの大量の『朝飯』が原因で、急激な血糖値の上昇による強烈な睡魔に襲われているだけだとは思うが。


 結局、開会式前のあのわずかな時間で、あの非常識な量のジャンクフードの山を俺達全員で食べ切ることはできなかった。

 いや、正確には違う。

 もう一度言う。

 俺達『常識人』は、呆れて手をつけることすらほとんどできなかった——だ。

 テーブル代わりの座席に広げられた茶色い山の残飯処理をどうするのかと頭を抱えていたのだが、残った物は全て、底なしのブラックホール胃袋を持つ一ノ瀬と、燃費の悪すぎる筋肉ダルマである神崎の二人が、信じられないスピードで綺麗に平らげてしまったのだ。

 自分達が欲望の赴くままに買ってきた物を、一切残さず責任を持って食べる姿勢そのものは立派で偉いが、これから炎天下で激しい運動をするというのに、腹がはち切れんばかりに膨れている二人を見て、水野が「そうなるのなら少しは後のことを考えて買ってきなさい!」と、眉間に皺を寄せて冷ややかに叱っていたのは言うまでもない。


「続いては生徒会長による開幕宣言です」


 いつの間にか終わっていたらしい校長の退屈な子守唄を脳内から完全にシャットアウトしていると、進行役の透き通るようなアナウンスと共に、次の人物が朝礼台へと登壇した。  

 その瞬間、全校生徒が集う巨大なスタジアムの空気が、まるで魔法にかけられたようにピタリと張り詰めた。

 私語が消え、ざわめきが収まる。

 我が星城海原学園が誇る、一際輝くカリスマ性を持った学園一の有名人。

 生徒会長——如月雅貴。

 壇上に立つ彼の、背筋がスッと伸びた凜とした佇まい。

 微風に揺れる髪すらも計算されているかのような完璧なシルエット。

 それは、己の能力に対する絶対的な自信と、上に立つ者としての揺るぎない覚悟の表れだった。

 

 俺は、あの威風堂々とした姿を見たことがある。

 それは一年前、彼が今の絶対的な座を勝ち取った生徒会長選挙の時だ。

 県内有数の進学校という事もあり、内申書の実績や名誉の為、決して少なくない人数の優秀な生徒たちがこぞって立候補する熾烈な選挙戦。

 誰もが隙のない立派なマニフェストを掲げる中、彼はそれら全ての立候補者を圧倒的なオーラと論理で蹴落とし、ほぼ単独トップという異例の得票数を叩き出した。

 あの時の、全校生徒の心を鷲掴みにした伝説の演説。

 その時の光景を思い出しただけで、初夏の暑さにも関わらず、俺の腕にはゾクッと粟立つような鳥肌が立った。

 年齢にすれば、たった一つ年上なだけだ。

 同じ制服を着て、同じ学び舎に通っている。

 それ以外は俺達と何ら変わらない、ただの高校生のはずなのに。

 それなのに、彼は他を寄せ付けない桁違いの演説と覇気で、この巨大な学園の頂点を自らの力で勝ち取ったのだ。


「単刀直入に言う。競え、争え、勝ち取れ。それぞれが活躍する事を期待している」


 マイクを通した低く通る声が、広大なスタジアムの隅々にまで響き渡る。


 たったそれだけ?


 校長の長ったらしい挨拶の後だからこそ際立つ、あまりにも短く、あまりにも鋭い言葉。 しかし、その一切の無駄を削ぎ落とした洗練された言葉選びに、全校生徒が息を呑んだ疑問も束の間。

 如月会長は、手元のマイクからスッと口を離した。

 そして、大きく、深く息を肺の奥底まで吸い込むと、マイクなど一切使わずに、その身一つから発せられるとは思えないほどの下腹の底から響く野太く、大きな声で——


「宣誓! 我々星城海原生徒一同は! 正々堂々と! 勝利を掴む為! 競い合う事を誓います!」


 数万の空席をも震わせるような、気迫迫る生徒会長による宣誓。

 ビリビリと大気を揺らすその叫びに呼応するように、誰からともなく割れんばかりの大歓声と拍手がスタジアム全体に巻き起こる。

 生徒たちの目に宿っていた退屈の色は完全に消え去り、闘志という名の炎が確かに灯っていた。

 青空へ突き抜けるような熱狂と共に、年に一度の最大の祭典、星城海原体育祭はついにその激動の幕を開いた。


屋台の唐揚げってなんかめっちゃおいしいですよね

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