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ルークとオークランド家



「うわ、顔ヤバ……」

「うっさい」


その自覚はある。

ケリーの第一声にジト目で睨み付け、俺は2人を馬車へと詰め込む。

2人……ケリーと、ルークを。


「…………」

「そうへこむなルーク。お前にそんな顔されると俺までへこんでくる」

「ご、ごめんなさい……」

「それももう昨日から何度も聞いた。聞き飽きた。ヴィニー、馬車を頼むぞ」

「おー」


……どん底ばりに落ち込むルークの手前に座るケリー。

昨日から何度も慰めているのだが、その甲斐はあまりない。

本日、俺とケリーはルティナ様に呼び出されてルークを連れ、城へ向かう。

一昨日、『女神祭』であった諸々……一部非常に思い出したくない事もあるので色々端折るが、オークランド家の反乱に関する沙汰を下すのに、ルークが必要らしい。

それはルークが、一昨日の『女神祭』に現れなかった事と関係ある。

『女神祭』……マーシャトラブルの裏でケリーは別なトラブルに巻き込まれ、来場を諦めた。

馬車が来なかったのだ。

そう、ルークが馬車を回さなかった。

それでどこへ行っていたのか。

ルークは、ゴヴェス・オークランドに依頼されてヘンリエッタ嬢を郊外に近い墓地に連れて行っていったそうだ。

ケリーはそれに気付いて彼女を迎えに行き、そこでルークの裏切りに近い行為の数々を知った。


お父さんに頼まれたんです。


泣きながら、座り込んだルークが寮に戻った俺にケリーに伴われて現れた際言った。

ああ、しまったな。

俺もケリーも、ルークが悩んでいるのに気付いていたのに……。

しかしいつ、ルークは父親ゴヴェス・オークランドと接触したのだろう?

その辺りも含め、今日……はっきりとするはずだ。


「…………」

「……ルーク、なんにしても……あまり思い詰めるな。俺は怒ってないから」

「…………」







********




さて、お城に着いて通された大部屋には陛下、ルティナ妃、レオ、アンドレイ宰相とディリエアス公爵。

そして初老の紳士がいる。

その後ろには一昨日見たアリエナ嬢、どこかで見た少年が2人。

プラス、その母親らしきご婦人。

後ろの4人は俯いて、死にそうな顔をしている。

……まあ、このメンツの中ではそれはそうだろう。


「……セレナード家の者として同席致します。ヴィンセント・セレナードです」

「うむ」

「同じく、雇い主のケリー・リースも同席のお許しを」

「勿論です。……ローナ様は?」

「本日は先約で招待頂いていたご友人のお誕生日パーティーに行って頂きました。リース家の者として、私が適任かと」

「そう。そうね。貴方がリース家の次期当主ですものね。ええ、構わないわ」


ルティナ様の顔色もいささか悪い。

陛下はいつも以上に眉にシワが寄っている。

レオ……はいつも通りに見えるな?

勿論、アンドレイ宰相とディリエアス公爵も。

ふむ?


「…………」


奇妙だな?

ゴヴェス・オークランド侯爵が、いない?

俺がその違和感に気付くのにさほどの時間はかからなかった。

そして、陛下が一つ、咳払いする。


「まず、今回の件…最も重要なのはゴヴェスにより『血石』が盗まれた事だ」

「⁉︎ え!」

「血石?」


ケリーは首を傾げる。

アリエナ嬢たち3人もだ。

しかし、この言葉に……『血石けっせき』に眉根を寄せたのは俺とレオ含めその意味を“知っている”者たち。

ぬ、盗まれた?

ゴヴェス・オークランドに……『血石』が盗まれただと……⁉︎


「……いや、でも……いやいや、やはり……そんな、何故…! まずくありませんか、それ!」

「そうなんだよ。今目下大捜索中」

「え? あ、あのう?」

「?」


レオはのんびり言うが、そんな笑いながら言うことか?

確かに血石に触れて名前を告げたところで『直系』でなければ『クレース』の名を借りることはできない。

だが、血石は国宝のはず。

それを盗んだだと⁉︎


「ヴィニー、けっせきってなんだ?」

「王家の宝……国宝の一つです。初代クレース王の血を固めた石で、『記憶継承』に関して恩恵が与えられると言われます……が……」

「逆の力も持つんだ。発現にはいくつか条件があるし、王家『直系』にしかその恩恵と禁忌の力は与えられることはない」

「禁忌の力……?」

「それはまだ知らない方がいい。君がリースの家を継いだ時、恐らくミケイル伯爵から教わるだろう。……だが禁忌の力というものは禁忌にされるだけの理由がある。今言ったとおり本来はウェンディール家の『直系』にしか与えられない。でも、君も知っての通りゴヴェスは『亜人族』と手を組んで『魔法研究所』の成果を独り占めしていた」

「……っ」

「あまり考えたくはないけれど、血石を別な何かに利用する事を思いついてしまったのかもしれない。それでまあ、今日はオークランド家の関係者に集まってもらったのだけれどね」


キュー……。

俺から見てもより縮こまる紳士の後ろの4人。

……気になってんだけどあの紳士は何者?

見た感じリース家の大旦那様くらいの年齢に見える。

オークランド家の関係者……なら、ゴヴェス・オークランドの父親……前侯爵である可能性が高いかな?

この場合、一家の大黒柱が大罪を犯して逃走中……っとくれば家督を譲り隠居していた前侯爵が出てきても不思議はない。


「ルーク、君もオークランド家の関係者だね。この件について何か知っている?」

「……。……はい、ゴヴェス・オークランド様に……このネックレスの装飾品は石鍵と呼ばれるもので、我が家の宝を取り出すときに使う……と説明されて……お墓にある通路を使い……その血石を取ってくるように言われました……」

「お前が血石を盗み出したのか、ルーク⁉︎」

「は、はい……すみません……!」


マジか。

ケリーはその場にいたのか困ったような顔をする。

俺はその話今初めて聞いたから……衝撃だ。

口を手で覆ってしまう。

…………マジか……。


「しかし、その場でゴヴェス氏に血石が渡るのを見逃したのは私にも責任があります」

「いや、君は血石がなんなのか知らなかった。そこは罪に問うつもりはない」

「殿下、しかし!」

「……ううん、本当に構わない。……本当のことを言うと、ルークがオークランド家の石鍵を持っていたのには気付いてた」

「……、その、石鍵というのは……?」


あのルークのネックレスに付いていたチェスの駒の上だけ切り取ったような……アレか?

白く、小さな石の輪っか。

片面だけ綺麗なデコボコで、裏にはオークランド家の家紋が入っていた。


「セントラル四方を領主とする侯爵家と、リース伯爵家に委ねられる……『クレース様の寝所』と『血石の間』へ続く扉のスペアキーじゃよ。東と西は『寝所』への鍵。南と北は『血石の間』への鍵のスペアになる。ただ、スペアキーを使う場合は二つが揃わねばならない。ゴヴェスめ、どうやってオルコット家の石鍵を手に入れたのか……」


ようやく口を開いた初老の紳士。

眼差しはキツく、まるで忌々しいと言わんばかり。

心なしかダドリーの顔色が紫色に近くなった気が……?


「なにか心当たりでもないか? ダドリー?」

「ひぃ!」


…………。

ち、地を這うような紳士の声。

普通に喋っててダンディなお声なのでより低く唸るようになるとめちゃくちゃ怖いな!


「あ、あの、え、ええと……デュ、デューイに、た、頼んで……」

「やはりか。…………」


……デューイ……デューイ・オルコット。

目を閉じる紳士。

俺の脳内でかなり頭の痛い事態がカチカチと構成されていく。

デューイ・オルコット……そう、セントラル北の領主オルコット侯爵家三男。

現在10歳の少年だ。

オルコット家にはご子息ご息女が全員で4人。

長子はブラム・オルコット、19歳。

既に城仕えとなり、オルコット侯爵家の跡取りとして勉強中。

次男はコリン・オルコット、17歳。

アミューリア3年生、生徒会副会長。

そしてデューイ・オルコット、10歳。

社交界デビューに向け、お茶会デビューをしているはず。

ダドリーが脅しまくっていた生徒会長イーノス・ポルテス氏は、北の伯爵家ご子息。

……なるほど、イーノス先輩をダシにまだ石鍵の意味もわからないデューイ少年をお茶会に先輩面して参加して、口八丁で騙くらかし持ち出させたのか。

クズかな?


「ちなみにゴヴェスがなにをするとか聞いていない? オークランド夫人」

「も、申し訳ございません、わたしはなにも……」

「隠すとためになりませんよ、メシェル」

「ほ、本当でございますルティナお義姉様!」

「…………」

「なんにしてもダドリー、ゴヴェス、2人は大罪を犯しました。オークランド家は爵位をお返しします、陛下」

「良いのか、エギルズ」


エギルズ!

……やはりオークランド家先代侯爵、エギルズ・オークランド!

目を閉じて首を振るうオークランド氏。


「アレは最早我が息子にあらず! しかし、罪は家ごと背負っても余りある……! 王家に刃を向け、女神と契約した初代の血石を盗むなど……」

「うむ……本来ならば一族ごと『禁忌の力』で裁きを受けて然るべき。……しかし……」

「…………」


陛下も目を閉じる。

それは、マーシャに『剥奪』か『強奪』の力を借りさせる、という事か。

俺……は公表されていないから、それしかないだろう。

だが、その力を借り受ける媒体が『クレースの血石』。

そもそもが無理だな。


「因みに、ゴヴェス氏と血石は今どこに?」

「目下捜索中だが、大体の場所は分かっている。問題は、ゴヴェスが亜人と手を組んでいるところだろう」


…………メロティス。

クレイに離反し、人間の土地を奪って亜人の国を作ると宣い仲間を集めておきながら……自分だけの目的を果たせれば良いと思っている妖精の亜人。

ゴヴェス・オークランド……まさか貴方は……貴方もメロティスの口八丁に騙されたクチでは……。

い、いや、それでも……それでもルークを騙して血石を盗んだ罪は変わらない。


「ヴィニー、クレイたちに連絡を取っておいてくれるかな。彼らの助力を早々に借りることになる」

「わかりました」


ではすぐに、と一度退出する。

胸が重いな。

ずっと俯いたルークを見ていても、そのルークをどこまで庇って良いものかと悩むケリーの横顔も。

廊下に出て、更に進むと外に面した通路がある。

そこで俺の耳には聴こえない周波数だかなんだかの鳴る木笛を吹く。

これでニコライに「来てくれ」という合図は送った。


「お呼びですか」

「速すぎませんかねー?」


尾行つけてたレベルの速さではありませんかー?

通路の手すりに、スタッと華麗に現れた蝙蝠男。

まあ、別にいいけど!

むしろ速くて助かるけれど!

カップ麺ができるより速いってどういうこと。


「まあ、いい。ゴヴェス・オークランドが血石を持ち逃げしたことは知っているか?」

「けっせき……? なにか特別な道具アイテムですか?」

「…………。王家の宝の一つだ。……女神と契約した初代王クレースの血の塊……なにか嫌な予感がするんだよ」

「…初代国王クレース……成る程、きな臭いな……」


あ、仕事モードオンした。

元々細い目が更に細まる。

そして、城の中央の方角を見上げ手すりの上に立ち上がった。


「ニコライ、クレイを呼んできてくれないか? メロティス側の亜人が相手だと人間はあまり役に立たない。俺も出る。付いてきてくれ」

「分かりました。すぐに。では、一度城の前でお待ちを」

「詳しい場所を聞いてくる。そっちの方が早そうなら悪いが待っていてくれ」

「御意」


ス、と闇のように消えるニコライ。

うーん、便利というか、スゴイと素直に感心してしまうというか。

大部屋に戻ると、皆が俺を見る。


「連絡はつきましたよ。すぐに城門前に来てくれるそうです。俺も出ますので場所を教えていただけませんか?」

「なに、ヴィンセント、貴殿が? いや、しかし……貴殿を危険に目に遭わせるわけには……」

「問題ありません、ディリエアス公爵様。戦争前の肩慣らし程度に考えますので」


亜人と手合わせできる機会なんてないだろう。

……まあ、正直怖い気持ちはあるけどな。

怖いとは、思うんだが……。


「ヴィニー……」

「ヴィンセントお義兄さん……! でも!」

「大丈夫だよ。俺も弱いつもりはないからな」


心配そうな弟分ケリー義弟ルークの顔を見ると……ジッとしてられないというか……。



「……………………」



不思議だ。

前世の兄貴の背中が見える気がする。

肩越しに唇の端を吊り上げる兄貴が、まるで「それでいい」と言うかの様な姿。

そうだな、妹もそうだが……兄貴なら弟たちも守らないとな。

強くなる理由は、兄貴だから。

兄貴が言ってた意味が、俺にも分かった気がするよ。


「俺が行きます」

「なら僕も行こう」

「レ、レオハール殿下⁉︎ なにを言い出すのです!」


一番初めに、俺よりも驚いて声を上げたのはルティナ妃だ。

明らかに狼狽えた表情。

反対に陛下はルティナ妃の言動に驚いてるようだ。


「危険です! 貴方はこの国の王太子、城で報せを待つべきです!」

「いえ、ルティナ様。亜人がいるのなら僕も行った方がいいでしょう。クレイが居れば十分ではありますが、血石の扱いなら僕が行った方が恐らく確実です。ねえ、エメリエラ?」


淡く、レオの胸にある『魔宝石』の核が光る。

まるでレオの問い掛けに「イエス」と答える様に。

……成る程、初代王クレースと契約した女神とは、エメリエラのことだ。

血石を悪用しようとするのなら、エメリエラがいた方が停止ボタン的な役割を発揮するかもしれない。


「し、しかし……」

「戦争はこれより危険のはず。僕も『実戦』は経験しておきたいのです。まあ、亜人と戦うかどうかはまだ分かりませんが……」

「っ」

「…………ルティナ様……?」


随分レオがいくのを嫌がるな、ルティナ様。

焦燥、といった表情。

なにかレオが行くとまずいことでもあるのか?


「実戦、ですか……」

「? はい」

「……そ、そうですね……貴方は、戦争に行くのですね……」

「…………ルティナ様?」

「ではせめて護衛はきちんとお連れなさい。こんなところで怪我をして戦争に行けなくなった、などと笑えぬことになっては困るでしょう! ディリエアス公爵、手練れの騎士を5人ほど用意してください」

「は、はい!」

「あ、それならそのうちの2人はライナスとエディンを呼んでほしいな。あの2人は僕とヴィニーの戦い方も心得ているから連携が取りやすい」

「そうですね」


ライナス様とエディンなら確かに…………エディンか……。


「そうですね……」

「ヴィニー、なにか良からぬこと考えてないよね?」

「エ? カンガエテナイヨ?」


闇討ちしようかな、なんて一切カンガエテナイヨ?

奴は後衛だから現場の状況に応じて居合斬りの剣圧でぶった斬ってやろうなんて微塵もオモッテナイヨ。

ゼンゼン、マッタク、カンガエテナイヨー。


「…………。では、オークランド家全体の罪は改めて整理、調査して法廷に持ち越す、と言うことでこの場はよろしいですかな」

「うむ」

「わ、我々はどうなるのですか、陛下! わたしたちはなにも……ほ、ほんとうになにも知らなかったのです! どうか温情を! これまでの働きに恩赦を!」

「メシェル、おやめなさい。きちんと調査後、然るべき沙汰は法により下されるでしょう。貴方がなにも知らなかったというのなら、相応の罰で済みます。…………ただ、もうオークランド家は元通りになる事はないでしょう。貴女は実家に戻る準備でもしておきなさい。勿論、子供たちとも今後について話し合うのですよ」

「……お、伯母さま……伯母さま助けてください……お願いします! お願いします伯母さま……!」


膝をついて懇願し始めたのはダドリーだ。

肩を震わせて泣き崩れるアリエナと、まだ事態が飲み込めていないサクレット。

年端もいかぬアリエナ嬢とサクレットのあの姿は胸が痛む。

アリエナ嬢もそれなりに悪さはやらかしてかたが、まだガキだもんなぁ。


「17にもなって己の責任も負えぬような愚か者に救いなどありませんよ。それは貴族だろうが平民だろうが変わりません。いいですかダドリー、人は自分の力で大人になるのです。他人の意見を借りても構わない。けれど最後は自分で「なる」しかないのです。お前はそれが17にもなって出来なかった。だからこういうことになるのです。……無論、それは我が弟ゴヴェスも同じこと。お父様……しばらくの間また働いていただきますわ」

「良かろう。……それがあの馬鹿息子を後継として任せた儂の最後の責任だ。……ああ、本当に……ロズとその子が生きていたなら……儂は……」

「お父様……」

「…………ロズ?」


ルークが顔を上げる。

反対に俯いて顔を覆っていたエギルズ氏。

その目には涙が浮かんでいた。

それを手で拭っていたのだろう。

……しかし、ルークの声にその手を戻して「ああ、君も巻き込んでしまってすまなかったな」とルークに近付く。


…………?

あれ? なんだ? 今、妙な違和感がーーー。



「ロズは、ぼくのお母さんの名前です……」

「なに?」

「……ぼく、少しだけ、覚えています……でも、はい、確かに……ルコルレの街に来たばかりの時、街の人にお母さんは「ロズ」と呼ばれていました。……熱が出て苦しんでいたお母さんを、街の人たちは何度も……「ロズ」って……」

「…………まさか……」


驚愕の表情になり、まるで祈るように……ルークの前に跪くエギルズ氏。

そして、両手をルークの顔へ向けて掲げる。


「……あ、あ、あの?」

「…………お、おおお、おおおおお! た、確かに……面影が……ある! ロズの! ロズの面影が! なんという事だ! 黒い髪、黒い瞳! ありえるのか、こんな事が!」

「え? え?」

「……そうか、そうか! そうか、そなたは、ルーク……ルークといったな……? まさか、偶然ではなく? その名は母に与えられたのか? それとも……!」

「え? あ、あの、いえ、父に? ……母はぼくの名前はお父さんがつけてくれたと……」


ぽた。

ぽた、ぽたと……溢れる涙に俺もケリーも若干困惑しつつ引いてしまう。

お、おっさんどうした?

いや、まさか、まさか?


「我が息子!」

「え?」

「なっ!」


ルティナ妃が叫ぶ。

メシェル様も「はぁ⁉︎」と叫ぶ。

オークランド三兄弟もキョトンと固まる。

え? 今息子って言った?


「我が息子、ルーク! おおなんという事だ! 女神エメリエラ様の奇跡なのか⁉︎ ああああぁぁ!」

「え? え⁉︎」

「会えないと……会えることなどないと諦めていた! なんということだぁあ!」

「え? え⁉︎ えええ!」


ルークの腰にしがみついてわんわんと大泣きし始まるおっさん。

アンドレイ様すら「?」と顔が固まっている。

……なのに陛下が貰い泣きしてるのなんなの?


「……。クレイを待たせるかもしれないし行こうか〜」

「え、マジかレオ。この状況をスルーして出掛ける気概は俺にはないぞ⁉︎」

「じゃあ逆に考えよう。巻き込まれる前に逃げよう!」

「あ、賛成」


大賛成します。

あの陛下を見る限り、とても正解な気がする。




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