Restart-3「白転の故障《ホワイトアウト・クラッシュ》(V)」
作者のcrowです(^_^)/
今回の見どころを紹介したいと思います。
今回は、crashとnullのバトルに注目というか、久々の戦闘シーンです(;一_一)
結構、簡略化して書いたので細かな仕草、モーションは読者様のご想像にお任せします。
まあ、実際はゲームなので大体のモーションは似通っています(例:性別/男・RANK/SPADE→仰け反りモーションは仰け反りモーションAなど)。
それでは本編をどうぞ。
――17時10分頃
今、『天樹』の北大通りの路地裏には3つのグループができている。
1つはbit、task、keyの談笑グループ、2つ目はcrash、nullの戦闘グループ、3つ目はmemory、pass、paintの静観グループである。
3グループの位置関係は二等辺三角形に酷似している。そう見えるのは、戦闘グループが他の2グループより少し北側に離れ、談笑グループと静観グループも心なしか離れているからである。
そして、このグループメンバーと配置のせいで、誰も予期しなかった事件が起きるのだった。
「ちっ、オカマ野郎が! 妙な小細工ばっか仕掛けやがって、男なら純粋な力と力で勝負だろ!」
「正々堂々、自分に合った戦い方をして何が悪いのよ~? アンタの土俵で戦ったら勝てる訳ないでしょ、バカなの? 死ぬの?」
nullの挑発を真に受けたcrashは何を思ったのか、構えていた大剣を消した。
「……し、……よ」
そして、一番近くに居るnullにも聞き取れない様な小さな声でcrashは何かを呟いた。当然、聞こえないnullにはcrashが武器を消した事実しか知らないので戦意喪失にしか見えなかった。
「ん? あら、降参かしら? やっと、アタシを理解する気に――」
しかし、次の瞬間――
「バカじゃねえし、死なねえよ!!」
戦意喪失どころか、crashは怒号と共にSSSレアの大刀『獅子王』を取り出し、振り回し出した。
刀身2mは優にあるその大太刀を華麗に振るう様はcrashの異名『白転の故障』の恐ろしさを雄弁に語っていた。
その攻撃受けし者、白きに覆われ死す、とは異名と共に広がった謳い文句である。
要するに、気づいたら、画面がホワイトアウトして死んでいる、というのだから堪ったものではない。
ちなみに、実際に死んだ時は画面がブラックアウトするのでここで言うホワイトアウトは画面上に映る『獅子王』を振り抜いた後のcrashの白い羽織というのがホワイトアウト現象の真実だったりする。
当事者のnullを除き、最初にcrashの異変に気づいたのはtaskだった。
「『おい、あの男女、暴走してないか?』」
「ふむ、その様だね」
「ちょっ、2人の話を聞いてても事の深刻さが伝わってこないんですけど……」
keyのツッコミをスルーし、bitは話を続けた。
「そういえば、獅子王には魔法を弾く効果がなかったかな? 確か、攻撃モーション中の書攻撃の一切を弾く、という特殊効果だったような」
「『ああ、超攻撃特化タイプの弱点を補う最強の特殊効果だ。アレを使った時のクラッシュはIDEALでも5本の指に入る戦闘力だ』」
「そこに異論はないよ……けどね、それらを全て紙一重で躱し続けているナルも異常だよ。勿論、良い意味でね」
「紙一重? 何か刀身よりも若干長く離れてない?」
「ああ、それはクラッシュくんの才覚の影響だね。効果は、戦闘中に刀剣武器を装備している場合、武器の攻撃範囲を+1.5メートルする……だったかな?」
「『その通りだ。他人のアビリティまで、よく知ってるな』」
「まあ、クラッシュくんとは付き合いも長いからね……それにしてもナルもすごいね」
「あ、ホントだ。あのオカマの人、さっきから1発も当たってない……!?」
「『まあ、それは素直にスゴイと思う。でもな、それじゃ決着はつかない。そもそも、あの猛攻の最中、書を詠唱している暇なんてないからな。このままじゃ、ナルは負けないかもしれないが、勝てもしない』」
「そうだね。ナルは一体どうする気なんだろうね」
「けっ、てめえなんか魔法が使えなきゃこの程度だ! さっさと降参――」
「あらん? もう反撃してもいいのかしら?」
「は? 何、寝言言ってんだよ……!? 負け惜しみにしちゃ……上出来だぜ!」
言葉と共に振るわれた大刀の横薙ぎをnullは跳んで躱す。そして、crashはnullの着地の隙を透かさず攻撃する、それを紙一重でnullが躱す――その繰り返しになる筈だった。
「……って、何で降りてこねえんだよ!?」
「んふっ、アンタは魔法を使ってこなかったから知らないかもしれないけど、上位の魔法の中には予備動作で空中に飛び上がるものもあるのよ」
その言葉通り、nullの身体は徐々に上昇していく。そして、crashがどんなに足掻いても決して届く余地のない高さで停滞した。
「はっ、だからどうした!? ただ攻守が逆転しただけの事、何も問題ない! むしろ、かかって来いってんだ。こっちの一方的過ぎる展開で丁度、飽きてたところだ」
「じゃあ、御言葉に甘えてアンタの苦手な気呪属性のメドレーで踊ってもらおうかしら。序曲は……」
「『凩』」
システムがテクニックの使用を検知し、テクニック名をnullから吹き出しで表示させた。
「『おいおい、マズくないか。今から魔法のオンパレードかよ』」
「ん? 何をそんなに焦っているんだい? この程度の逆転はいつもの事だろう?」
「『そりゃ、いつもは俺達しかいないけどな、今は一般人も居るんだぞ?』」
その吹き出しが出るのと時を同じくして、nullとcrashの間に黒い竜巻が出来上がっていた。
「こんなのタイミングさえ外さなければ、屁でもねえんだよ!」
その言葉通り、crashは高速で寄ってきた竜巻の進行方向を一振りで変えた。
そして、事件が起きたのもその直後だった。
談笑グループ(主にtask)が騒ぐ中、戦闘グループが次の攻撃を待ち構える中、弾かれた竜巻が静観グループに直撃したのだった。
「あ、やべえ」
「あらま」
「……え、みんな~!?」
ここまで読んで頂きありがとうございますm(_ _)m
「白転の故障」はいかがでしたか?
作者的には考案した二つ名の中では1,2位を争うお気に入りなのですが……(^_^;)
ちなみに争っている対象は「漆黒の加速器」ではありません(笑)
それはそれとして、話が変わりますが、Episode-3の執筆を開始しました(2014年9月15日)。
一応、初日でInstall-1は書き上がりましたのでこのペースでどんどん書き進めていきたいと思います。
第1章は次話のEpisode-3で一端終わるので、次に繋がるような終わり方にしたいと思います。
さて、今回のあとがきはこの辺りで終わりにします。
次の投稿は2014年10月07日午前9時頃を予定しています
それでは、次話も是非読んで下さい(^_^)/




