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辺境伯家三男、アプリで魔法を再定義する。 ~「賢者」認定されたけど、これ「スマートウオッチ」ですから!  作者: のびろう。
第七章 大陸魔法交流戦と最強の乙女たち。裏方賢者のチートサポートと、四つの華麗なるざまぁ無双
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第46話 傲慢王子の公開求婚と極大の業火。王女が証明する絶対愛と、ガラス化した闘技場に沈む黒焦げのアフロヘア

リズの圧倒的で、かつ極めて滑稽な完全勝利によって、大陸魔法交流戦の会場は異様な熱狂の渦に包まれていた。


観客たちが興奮冷めやらぬ中、闘技場の中央に実況の魔法音声が響き渡る。


「さあ、続いて第二試合!我が王国が誇る美しき姫君、シャルロット王女殿下の入場です!」


割れんばかりの歓声の中、シャルロットが優雅な足取りで闘技場へと姿を現した。


彼女が身に纏っているのは、僕が現代科学と魔法技術を融合させて仕立て上げた『特製ドレスアーマー』だ。


一見すると可憐な純白のドレスだが、その内部には超高効率の魔力増幅炉が組み込まれており、外部からの物理・魔法攻撃を自動で分散させる絶対的な防御力と、規格外の火力を両立させている。


対する相手のゲートから現れたのは、大国の第一王子だった。


彼は全身を金ピカの豪華な鎧で包み、両手にはこれ見よがしに高価な魔道具の杖や指輪をジャラジャラと身につけていた。


「おお、私の美しいシャルロット王女。昨夜はお連れの雑用係のせいでゆっくりお話しできませんでしたが、こうして闘技場で向かい合うのも運命というものでしょう」


王子が芝居がかった手振りで、闘技場の中央からシャルロットに向かって甘い声を投げかけた。


「あなたのような高貴な姫君が、あんな平民の成り上がりなどに騙されているのは見るに堪えません。どうです?この試合、私に負けたら、我が国の側室として迎え入れてあげましょう。鳥籠の中で、私がたっぷりと愛してあげますよ」


数万人の観客が見守る中での、あまりにも傲慢で無礼な公開求婚。


闘技場の王族席に座る僕の義父(王様)が、怒りで玉座の肘掛けをへし折る音が、僕のいる地下の控室まで聞こえてきそうだった。


しかし、挑発されたシャルロット本人は、炎の杖を静かに構え、氷のように冷ややかな微笑みを浮かべた。


「お断りいたしますわ。私の心も体も、そして私の炎も、すべては私の愛する英雄、アレン様のものですから」


シャルロットの凛とした声が、魔道具を通じて闘技場全体に響き渡る。


「ふん、強がりを。あんな裏方にしか回れない腰抜けのどこがいいのやら。私がその目を覚まさせてあげましょう」


王子が忌々しそうに鼻を鳴らした瞬間、試合開始の銅鑼が鳴り響いた。



「さあ、私の完璧な戦術を見るがいい!」


王子は一歩も動くことなく、身につけていた複数の魔道具を一斉に起動させた。


カァァァァッ!!


王子の周囲に、何十枚もの半透明の魔法陣が球状に展開され、彼を完全に包み込んだ。


「はははっ!これは我が国の莫大な予算を注ぎ込んで作られた『絶対防御の多重結界』!いかなる高位魔法だろうと、この結界を破ることは不可能です!」


王子は強固な結界の内側という絶対の安全圏に引きこもり、そこから杖を振るってシャルロットに向けてチクチクと下級の魔法弾を撃ち始めた。


「私はここから一方的に攻撃させてもらいますよ!さあ、私の側室になるべく、無様に降参しなさい!」


自分は絶対に傷つかない安全な場所から、相手を一方的に嬲る。


大国の王子というプライドを微塵も感じさせない、あまりにも卑怯でセコい戦法だった。


観客席からは、ブーイングの声が上がり始めている。


しかし、シャルロットは飛んでくる魔法弾をドレスアーマーの自動防御で軽々と弾き飛ばしながら、微動だにせず王子を見据えていた。


『アレン様』


僕の脳内に、念話通信アプリを通じてシャルロットの艶やかな声が響いた。


「聞こえてるよ、シャルロット。あの結界、確かに強力な魔力で編み込まれているけど、魔力増幅炉の出力の前には紙切れ同然だ」


僕は控室の端末から、シャルロットの特製ドレスアーマーの稼働状況を確認した。


「シャルロット、ドレスのリミッターを解除する。あの勘違い王子のちっぽけなプライドごと、一撃で消し炭にしてやれ」


『はい、アレン様。私の愛の炎、存分にお見せいたしますわ!』


僕が端末から【リミッター解除コード】を送信した瞬間。


シャルロットの純白のドレスに織り込まれた魔力回路が、真紅の輝きを放ち始めた。


「な、なんだあの輝きは……?」


結界の中で余裕ぶっていた王子の顔に、初めて焦りの色が浮かぶ。


「私の愛する英雄を愚弄した罪、万死に値しますわよ」


シャルロットが炎の杖を天高く掲げた。


ドレスの魔力増幅炉が彼女の膨大な魔力を吸い上げ、何百倍にも増幅して杖の先端へと送り込んでいく。


闘技場の上空に、太陽がもう一つ現れたかのような、極大の炎の渦が顕現した。


「ば、馬鹿な!人間の魔力容量で、あのような大魔法を一人で構築できるはずが……!?」


「あなたのちっぽけな魔道具など、アレン様が作ってくださったこのドレスの足元にも及びませんわ!」


シャルロットの瞳に、激しい怒りと絶対的な愛情の炎が燃え上がる。


「消し飛びなさい!極大紅蓮業火クリムゾン・インフェルノ!!」


シャルロットが杖を振り下ろした瞬間、空を覆っていた炎の渦が、天から落ちる巨大な火柱となって王子の絶対防御結界へと直撃した。


ドゴォォォォォォォォンッ!!!


闘技場全体が激しく揺れ、目を開けていられないほどの閃光と熱波が観客席まで吹き荒れた。


「ひぃぃぃぃぃぃッ!?」


王子の絶対防御の多重結界は、シャルロットの極大火力の前に数秒と保たず、ガラスが割れるような音を立てて次々と粉砕されていく。


炎の柱は王子の結界を完全に貫通し、彼を中心に闘技場の石畳を容赦なく焼き尽くした。


あまりの超高温により、石畳がドロドロに溶け出し、赤熱したマグマのように変滅していく。


「ぎゃあぁぁぁぁぁぁっ……!!」


炎の中から、王子の情けない悲鳴が響き渡った。


数秒後。


火柱が消え去り、もうもうと立ち込める土煙と水蒸気が晴れていく。


闘技場の中央は、直径数十メートルにわたって完全にガラス化し、ピカピカと不気味な輝きを放っていた。


そして、そのすり鉢状になったガラスの大地の中心に、一つの黒い塊が倒れていた。


「あ、あわわ……」


それは、大国の第一王子だった。


彼が身につけていた金ピカの鎧や高価な魔道具は、すべて熱で溶け落ち、見る影もないスクラップと化している。


そして何より悲惨だったのは、彼の頭部だった。


極大の炎の熱を浴びたことで、彼の綺麗に整えられていた金髪が完全にチリチリに焼け焦げ、巨大な真っ黒の『アフロヘア』になっていたのだ。


顔中ススだらけの黒焦げアフロ王子は、口からポフッと白い煙を吐き出すと、そのまま白目を剥いてパタリと気絶した。


「……」


闘技場は、あまりにも圧倒的すぎる火力と、あまりにも滑稽すぎる王子の末路に、完全に言葉を失っていた。


「勝者、シャルロット王女殿下ァァァッ!!」


実況の我に返ったような絶叫が響き渡り、遅れて爆発的な歓声が闘技場を揺るがした。


「す、すごすぎる!大国の王子を一撃で黒焦げアフロにしたぞ!」


「これが我が国の王女殿下の力か!圧倒的じゃないか!」


観客たちがシャルロットの美しさと規格外の強さに熱狂する中、彼女は炎の杖を優雅に下げ、満面の笑みを浮かべて控室の方角を振り向いた。


『アレン様、やりましたわ!私のアレン様への愛の火力、ご覧になっていただけましたか?』


念話越しに響くシャルロットの嬉しそうな声に、僕は端末の画面の前で苦笑いしながら頷いた。


「ああ、完璧だったよ。相手のプライドごと、見事に焼き尽くしたね。お疲れ様、シャルロット」


愛する婚約者の華麗なざまぁ無双を見届け、僕は次の試合に向けて端末の冷却とセッティングを開始した。


リズのパンツ一丁に続き、シャルロットの黒焦げアフロ。


他国のエリートたちをどん底に叩き落とす裏方賢者のチートサポートは、まだまだ終わらないのである。

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