表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
127/1471

アンダーグラウンド(四十一)

「ミントちゃんの情報は? 何かなかった?」

 黒田が黒松に聞く。それを聞いた黒松は、パッと笑顔になった。


「それそれ。なんとねぇ、あったんですよぉ」

 嬉しそうに答える。再びキーボードに向かい、今開いている画面を全部閉じ、また別の黒い画面を呼び出した。


「本当に動いちゃうと不味いから、表示だけね」

 そう言って、三人の顔を順に見る。全員が頷いたのを確認して、もう一度画面に戻る。

 カチャカチャとコマンドを入力すると、ボンと画面が表示された。


「おぉぉっ!」

「おぉぉっ!」

「おぉぉっ!」

 黒沢、黒田、黒井が、揃って唸る。

 黒松は「どうだ」と言わんばかりだ。


「ドローンだったのかぁ」

 黒田が唸る。そして、渋い顔で覗き込む。黒沢も頷いて続く。


 画面に映し出された『状態表示』は、明らかにドローンの形をしている。

 六つのプロペラに囲まれた四角い箱。それが『ミントちゃん』の正体であった。


「大きさは?」

 黒井の質問に、黒松は答えない。

 ただ、色々な画面を表示させ、それに関する情報を探している。


「結構大きいと思うよ?」

 そう言って、七十センチ位の幅で手を広げる。

「意外と、小さくない?」

「本体がね。プロペラは別よ」

「あぁ。なるへそ」

 黒井の指摘に、黒松が即答し、黒井も直ぐに理解した。


「何で、みんなられちゃうん?」

 黒沢の質問に、今度は苦笑いする黒松。一度黒沢の方を見た。


「オプションが、すんごいんですよぉ」

 そう言って、また別の画面を出す。そこには、多種多様な『兵器』の一覧が表示されていた。

 みんな『ミントちゃん』に装備できるものらしい。


「圧縮空気で飛ばす『吹き矢』がヤバそう」

 そう言って、兵器一覧から『吹き矢』の詳細を表示させた。

「まるで、忍者だなぁ」

 黒田が呆れて溢す。デジタルの世に、アナログ技術万歳だ。


「プロペラ、無音らしいっすよ」

 また別の画面を表示して、黒松が両手の平を上にあげ、首を傾げる。黒松に言わせれば、こんな『殺人兵器』を作った奴の、気が知れない。


「最大二百キロメートル毎時か。こりゃぁ、逃げられんなぁ」

 黒田が、画面の端にある数値を指さして言った。


 黒田でも『逃げられない』という、最悪の事態が思い浮かんでしまったのだろうか。


「オプションによっては、もっと出るみたいですよ?」

 黒松が涙目で言うと、黒田は目を剥いて驚いた。

 そして、大きく息を吐く。


「はぁぁぁ。おい、どうするよ?」

「えぇぇ。俺なんですかぁ?」

 黒田が真顔で聞いたのは、現役軍人だった黒井だ。

 それにしても、急に聞かれたって、困る。


 黒井だって、まだ死にたくはないのだから。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ