↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
訳だけ! 十八史略+蒙求  作者: ヘツポツ斎
02-02 楚漢戦争

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
126/600

02-02-08 漢一 楚漢戦争 完

 項羽が垓下に到着する。もはや兵も食糧も底を尽きていた。そこに韓信軍が襲撃。項羽は砦の中に逃げ込む。韓信軍はその周囲を何重にも包囲した。

 夜になると、項羽は砦の外から楚の歌が歌われていることに気付く。

「漢はもはや楚人を取り込んだというのか、何と言う楚人の多さよ」

 そう言うと起き上がり、帳の中で別れの酒を飲み交わし、虞美人に舞を舞わせ、自らもまた慷慨を込めた歌を歌い、涙した。


力拔山兮氣蓋世 時不利兮騅不逝

騅不逝兮可奈何 虞兮虞兮奈若何

 拔山蓋世の武勇があったとて、

 戦に利あらず、これ以上我が馬、

 騅を馳せさせてもやれぬ。

 ああ、もはや如何ともしがたい。

 虞、虞よ、せめてお前だけは

 助けられぬものか。


 項羽に仕えていた者たちもまたみな涙し、うつむいた。項羽は夜中に砦を脱出、八百騎を率いて逃げ出したが、途中で道に迷い、沼に足を取られてしまう。そこに追撃の軍がやって来る。なんとか東城に逃げ延びた際には、もはや二十八騎を残すのみであった。項羽は部下らに向け、言う。

「おれは八歳の時に決起して以来七十余戰、いまだ破れたことはなかった。しかるに、いまついにこうして進退窮まった。これは天が俺を滅ぼさんとしておるのだ。戦を起こしたことへの罪でなどない。今日死ぬこととはなろうが、どうかともに戦って欲しい、必ずや包囲将を討ち取り、その強さを諸君に示して見せよう」

 果たして打って出た項羽は包囲を突っ切り、烏江に出た。そこではひとりの男が船を整え、項羽に言ってくる。

「江東は狭小の地ではございますが、なお王として再起するには足りましょう。どうか急ぎお渡りになってください」

 項羽は首を振る。

「おれは昔、江東に住まう八千人らと共に長江を渡り、西に向かった。しかしそのうちの一人も帰してやることは出来なかった。仮に江東の人々がおれを憐れみ、王と認めてくれるとて、、どうしておれが彼らに顔向けできようか」

 そして自ら首を刎ね、死んだ。


 項羽が死ぬと楚の地はことごとく平定されたが、魯だけはなかなか降伏しようとしなかった。劉邦は攻め滅ぼそうかとも言い出すのだが、魯にまで迫ると、城内からはなおも音楽が聞こえ、詩を読む声が聞こえてくる。すなわち礼や義に則れば、主として仰ぐ項羽のためにともに死そうとする覚悟だったのである。そこで劉邦は魯人に項羽の首級を掲げ、示した。これによって魯も降伏した。劉邦は帰還すると韓信から軍を奪い取り、改めて韓信を楚王に、彭越を梁王に任じた。そして劉邦自身は皇帝となった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。